マンション管理士|村上智史の「士魂商才」 

無関心な居住者が多いマンション管理組合に潜む様々な「リスク」を解消し、豊かなマンションライフを実現するための「見直し術」をマンション管理士:村上智史(株式会社マンション管理見直し本舗 代表)がご紹介します。

マンション大規模修繕工事の資金を「無利子」で調達する方法

             f:id:youdonknowwhatyoulove:20141129153548g:plain

 

顧問先のマンション管理組合に、東京都から「マンション改良利子補給資格及び利子補給交付決定通知」の書面が届きました。(下図参照)

 

 

 

いったい、どういう制度のいかなる助成金なのか、順を追って説明しましょう。

 

まず、住宅金融支援機構には、マンション管理組合が修繕を実施するための資金融資を行う、「マンション共用部分リフォーム融資」という商品があります。

 

この制度の概要は以下の通りです。

■ 融資対象:マンション共用部の改良工事に要する下記の費用
 大規模修繕工事費、 浸水対策工事費、 耐震改修工事費
 バルコニー補修費 エレベーター改修費 長期修繕計画の作成費
 駐車場修繕費用 、玄関扉交換費用 、耐震診断費用 など

 

■融資の要件

・管理組合の名義で借入れ可能。(築年数・規模は不問)

無担保融資。<ただし、(公財)マンション管理センターの保証を受ける>

・毎月の返済額が毎月徴収する修繕積立金額の80%以内であること。

・返済期間は最大10年間、かつ全期間固定金利。

・申込時に「マンションすまい・る債」を保有している場合は、金利の引き下げあり。
・融資金利 0.77%(2022年9月時点)

 

この支援機構の融資を受けることを前提条件になりますが、東京都には管理組合を経済的に支援する助成制度があります。(下記サイト参照)

 

www.mansion-tokyo.metro.tokyo.lg.jp

この助成制度の概要は以下の通りです。

■ 募集戸数(当該年度分)

 5,000戸

■ 申込資格

都内に所在する耐火構造の分譲マンションであること。
・住宅金融支援機構の「マンション共用部分リフォーム融資」を受けていること。
・融資の返済方法が元利均等方式であること。

■ 利子補給期間

 「マンション共用部分リフォーム融資」の返済期間

■ 助成内容

支援機構の金利が1%(1%未満の場合は、当該金利)低利になるよう、都が利子補給を行う。

 

つまり、「マンション共用部分リフォーム融資」を受けた場合、

その約定金利から1%低くなるよう利子の補給を受けられる制度ということです。

 

したがって、現在のように約定金利が1%を下回る場合には、実質的な金利負担がなくなるのです。

 

顧問先のマンションとしては、今回で2件目の認定事例です。

 

なお、これに関連して、支援機構の融資を受ける際に必要なマンション管理センターの保証料も助成してくれる制度もあります。(下記参照)

■ 千代田区: 修繕工事費融資の債務保証料助成     
■ 中央区 : 分譲マンション共用部分リフォームローン保証料助成     
■ 港区    : 分譲マンション共用部分リフォーム融資の債務保証料助成事業     
■ 江東区 : マンション共用部分リフォーム融資債務保証料助成

 

関心のある方は、それぞれの区のサイトで詳細を確認してみてください。

 

<参考記事>

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

          f:id:youdonknowwhatyoulove:20180907095250g:plain

 

※ ブログ認知度向上にご協力いただければ嬉しいです (^▽^)/

  ↓       ↓

にほんブログ村 住まいブログ マンション管理へ 

 

 

遊休化した機械式駐車場の撤去・平面化は着実に増えている!

            f:id:youdonknowwhatyoulove:20141129153548g:plain

 

9月10日付けの朝日新聞デジタルに、「機械式駐車場、15%のマンションが平面化 メンテナンスが重荷に」と題した記事が掲載されていました。

 

digital.asahi.com

本記事の要約は以下の通りです。

■ 2018年度の国土交通省による調査によると、約32%のマンションに機械式駐車場があるといわれる。

 

■ しかしながら、都市部を中心に車を持たないライフスタイルが広がったことや高齢化を背景に、空きが目立つようになり、維持管理に悩む管理組合も少なくない。

 

■ 大和ライフネクスト系のシンクタンクは、同社が管理を受託しているマンションのうち機械式駐車場が設置されていたのは2千件のうち、すでに機械式駐車場を撤去して跡地を平面化した物件が300弱(約15%)あるとのこと。

 

■ 機械式駐車場をすべて、もしくは一部を撤去した後、新たに設置した平置き駐車場の分を含め、駐車できる総台数の残存率を調べると、「70%以上80%未満」(26・8%)が最も多く、「80%以上90%未満」(23・8%)、「60%以上70%未満」(15・4%)の順だった。

■ 工事を実施した理由としては、「将来にわたって多額のメンテナンスコストや修繕費用を削減したい」「駐車場の利用者が少なく必要がなくなったため」といったものが目立つ。

 

■ 一方、工事に反対する住民の声ある。たとえば「中古で売りたいときに、駐車場の区画数が少ないのはマイナス評価にならないか」「平面化よりも前に、外部貸しなどやるべきことがある」など。

 

当社の顧問先マンションでも、すでに2件が平面化を実施しており、これから実施する予定のマンションも3件控えています。

 

顧問先で最初に平面化を実施したマンション(神奈川県・90戸 築25年目)では、全戸分の駐車場があり、そのほとんどが機械式(3段昇降横行式)で占められていました。

 

経年とともに稼働率が低下し、空き区画(すべて機械式)が全体の4割を占めるまで悪化してしまいます。

 

その一方で、築20年を過ぎる頃から設備の劣化が目立ち始め、部品の交換費用の負担も増加しました。

 

ちなみに、当時の長計修繕計画では、機械式駐車場の修繕費だけで約2億円もかかる見込みで、修繕費全体のおよそ2割を占めていました。

 

これに設備の保守点検費用の負担も加えてランニングコストを計算したところ、パレット1台あたりで年間@8万円弱の維持費がかかることがわかりました。

 

ただ、当時はまだ駐車設備の撤去・平面化というプランは目新しい頃だったため、一足跳びに事は進むわけでもなく、組合内では「空き区画を外部に貸したらどうか」とか、「既存の設備を使用中止にしてロックアウトしてはどうか」といった代替案も飛び交いました。

 

こうした代替案を含めて、それぞれのプランのメリット・デメリットを整理するとともに、駐車場の需要動向をリサーチするためのアンケートも実施し、今後も稼働状況が大きく改善することはなさそうなことを確認しながら検討を進めた結果、およそ3年越しで32台分のパレットの撤去と跡地の平面化を実施しました。

 

その結果、駐車場区画は、90台(平面式4台)→70台(うち平面式16台)に減りました。

 

ただ、その後もさらに駐車場の稼働台数が減ったため、ほどなく第二次平面化を検討することになりました。

 

その結果、前回からおよそ3年後に19台のパレットを撤去して区画数を58台(うち平面式23台)に減らしました。

 

現在の契約台数は50台のため、当面はこれで打ち止めでしょう。

 

結局のところ、2回にわたる平面化工事によって、今後30年間の機械式駐車場にかかるランニングコストを7千万円弱まで減らすことができました。

 

従前の見込み額が2億円だったので、何と3分の1に減らせたわけです。

 

ただ、冒頭の記事のように、このマンションでも総会に議案を上程した際には、少数ながら異論や反対の声もありました。

「全戸分の駐車場があることが資産価値にプラスになっているのではないか」との意見も見られました。

 

こうしたご意見にも書面で組合側の考えを回答しながら粘り強く対応し、なるべく多くの組合員に理解してもらうよう努めました。

 

と言うのも、駐車設備の撤去・平面化を実施する場合、管理規約上の「共用部の変更」に該当することから「特別決議」が必要になるため、組合員全体の4分の3以上の賛成が必要になるからです。

 

総会前にアンケートの実施や住民説明会の開催をしたり、都度理事会の検討状況を議事録で報告するなど地道な努力を重ねた結果、遊休設備を持ち続けるために修繕積立金の増額を余儀なくされる方が理不尽と考えた方が圧倒的多数を占めたため、平面化を実現することができました。

 

管理組合の地道な検討の積み重ねと内部のコンセンサスを得るための広報などの努力の結果、平面化プロジェクトの成功に至ったのです。

 

<参考記事>

 

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

 

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

 

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

 

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

 

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

 

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

 

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

 

          f:id:youdonknowwhatyoulove:20180907095250g:plain

 

※ ブログ認知度向上にご協力いただければ嬉しいです (^▽^)/

  ↓       ↓

にほんブログ村 住まいブログ マンション管理へ 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「築浅の駅近タワーマンション」がなかなか売れない事情とは?

            f:id:youdonknowwhatyoulove:20141129153548g:plain

 

9月7日付けの現代ビジネスに、「駅近タワマンなのになかなか売れない…成約寸前でいつもダメになる、意外すぎるワケ」と題した記事が掲載されていました。

 

gendai.media

本記事の要約は以下の通りです。

===============

■ 8年ほど前に新築で購入したタワマンに住んでいる50代の夫婦は、より都心に近いエリアに新しいタワマンを買ったため売却しようとしたが、「ある点」がネックとなり、引き合いがあっても成約に至らないと言う。

■ そのマンションは、山手線から数駅離れたややマイナーな街ではあるが、駅から近く、500戸を超える大規模物件。駅前の再開発も進み、大きなスーパーも近くにあり、住みやすそうな街だ。

■ 実は、そのタワマンの場合、管理費と修繕積立金が不相応に高すぎるという問題があった。プールや温浴施設などの豪華な共用施設はほとんどないにもかかわらずである。

■ ただ、管理費が高すぎるなら管理会社と交渉すればよく、もし管理会社との交渉が不調ならリプレイスしてしまえばいい。昨今 の人件費の上昇傾向の中、管理会社側に有利な市況ではあるが、築浅の大規模マンションであればリプレイスのコンペをすれば、立候補する管理会社は決して少なくないはずだ。

■ ところが、そのタワマンの場合は、一般のマンションとは事情が大きく異なっていた。と言うのも、管理会社と契約条件の値下げ交渉はもちろん、管理会社を変更することすら事実上不可能な状況だからだ。

■ それどころか、管理会社は自由に管理費を値上げすることもできるし、修繕工事も自社に受注できる。大規模修繕工事も、管理会社がノーコンペで受注するはずだ。その受注によって、管理会社はかなりの利益を得られるだろう。それは、逆に言えば区分所有者にとって不利益とも言えよう。

■ なぜそんなことになっているのか。それは、管理規約に盛り込まれた次の条文にある。「当管理組合の管理者は、管理会社とする」つまり、理事長職を管理会社が担っているのだ。

===============

この記事は、先日投稿した記事のテーマと密接な関係があります。

 

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

つまり、本記事の要点は、管理会社が理事長を務めるという「第三者管理方式」のマンションのため、高すぎる管理費の見直しが事実上できずに売りづらい状況になっている、ということです。

 

「第三者管理方式」の類型としては、以下の3つのケースがあります。

    1)理事長=外部専門家型
    2)外部管理者&理事会監督型
    3)外部管理者&総会監督型

 

察するに、本記事のマンションは上記3)のケースに該当するものと思います。

 

と言うのも、1)や2)のケースなら、区分所有者が理事長以外の役員に就任しているため、管理組合と利益が相反する行為(例:管理会社に修繕工事を発注する、管理委託費を値上げする)に歯止めをかけることが可能だからです。

 

理事会が設置されない場合には、区分所有者が輪番制で役員に就任する負担から解放されるので、一見よさそうです。

 

しかしながら、本記事のように、管理者と管理組合の利益相反の問題や、第三者の管理者の解任を検討することが必要な事態が生じた場合に自力で解決できない状況に陥るリスクがあります。

 

そのため、マンションの購入を検討する際、管理者の利益相反行為を阻止できる定めが管理規約にあるかなどのチェックが必要です。

 

        f:id:youdonknowwhatyoulove:20180907095250g:plain

 

※ ブログ認知度向上にご協力いただければ嬉しいです (^▽^)/

  ↓       ↓

にほんブログ村 住まいブログ マンション管理へ 

 

 

 

 

 

 

 

リゾートマンションの管理会社をリプレイスするのは楽じゃない!

             f:id:youdonknowwhatyoulove:20141129153548g:plain

 

顧問先の山梨県のリゾートマンション(築30年目・50戸弱)で先日通常総会が開催され、管理会社のリプレイスの議案が承認されました。

 

このマンションの歴史を紐解くと、現在の管理会社は3社目です。

 

分譲したデベロッパーに系列の管理会社がなかったため、最初の管理会社は独立系大手のN社でした。

 

当初は管理人が住み込み方式でしたが、リゾート用のため居住者が少なくチェックの目が行き届かないのをいいことに管理人が勤務をサボっていたことが露見して、管理会社に賠償請求するトラブルに発展しました。

 

その後、大手管理会社のM社に変わりましたが、2年前にM社からリゾート物件からの撤退を理由に解約の申し入れがあり、現在のA社を紹介されました。

 

A社はマンション周辺のエリアに特化したリゾート物件の仲介業がメインで、マンション管理業は副業的に行っているようです。

 

しかしながら、

そのA社に変わった後、このマンションの管理の「質」はガックリと下がったため、危機感を覚えた理事長さんが当社に相談するに至ったわけです。

 

「管理品質の低下」を示す具体的な状況は、以下の通りです。

==========

・管理人が住込み方式から通勤方式に変わったうえ、週3日・3時間/日に激減して業務対応力が下がったうえ、3人の交代制で責任者が不在。

・1年前以上に法定点検で指摘された避難器具や非常用照明器具の不具合について、修繕の対応がなされていない。

・契約書類、設備点検報告など組合資料の整理がまったくなされていない。

・総会議案書案や議事録の作成をはじめ、事務管理業務がすべて遅延するうえにまったく行き届かず、理事長の負担・ストレスは増える一方。

・フロント担当者が退職等でしばしば交代する。メール等の対応も横柄で、逆ギレされることも・・・

==========

建物自体は築30年目ながら高級感もあり、しっかりと修繕すれば十分維持できるハードウェアですが、ソフトウェアの運営管理がこう酷いと10数年後にはスラム化してしまうのではないかと感じました。

 

そのため、管理会社の変更(=リプレイス)を理事会に提案し、それをサポートすることになったのですが、そこからが苦労の始まりでした。

 

というのも、その立地条件が嫌われて、めぼしい管理会社に声をかけても悉く断られることになったからです。

 

結局、県内に営業所等のある管理会社を含めて計7社に打診しましたが、もともとリゾート物件を中心に管理していて、今は最大手の管理会社の傘下にいるM社1社だけから見積もりを取得することができました。

 

理事会からは、「もう1社見積もりを取れないのか」と不満の声が上がりましたが、「無い袖」は振れません・・。

 

なお、リプレイスの検討に際しては、区分所有者へのアンケートも実施のうえ、現状の管理仕様も見直しました。

 

まず、管理員業務の勤務時間については、現状の勤務時間(週3日・3時間/日)では居住者サービスが行き届かない等の不満が根強くあるため、週5日勤務に変更しました。

 

また、現状では、日常清掃は別途スタッフが派遣されていますが、これを勤務時間の増えた管理員に兼務させることにしました。

 

当マンションでは冬季における給水管の凍結防止のための閉栓作業が必要で、以前は住込みの管理人にお願いしていましたが、勤務時間の大幅な短縮で外部に委託せざるを得ない状況になっていました。

 

そのために、年間30万円以上の費用を委託費と別に負担していますが、これを日勤の管理員に勤務時間内で行うようM社に依頼しました。

 

また、エレベーター設備保守点検の委託先をメーカーから独立系保守業者に変更することによって、フルメンテナンス契約のままコスト削減を図ることができました。

 

その結果、管理員の勤務時間を大幅に増やすにもかかわらず、業務の統合や委託先の変更などによって、現状比で年間30万円強のコストアップで収めることができました。

 

実際に管理会社が変わるまで3ヶ月ほどありますが、しっかり引き継ぎを行ってもらい、組合運営を軌道に乗せるまでにはまだ顧問としてやるべき仕事はたくさんあるので、頑張りたいと思います。

 

<参考記事>

 

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

        f:id:youdonknowwhatyoulove:20180907095250g:plain

 

 

※ ブログ認知度向上にご協力いただければ嬉しいです (^▽^)/

  ↓       ↓

にほんブログ村 住まいブログ マンション管理へ 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「理事会なしマンション」が増える業界事情と管理組合が抱えるリスクを考える

        f:id:youdonknowwhatyoulove:20141129153548g:plain

 

8月18日付の日本経済新聞に、『「理事会なし」マンション増える事情 三井不動産、住友不動産が試験導入』と題した記事が掲載されていました。

 

www.nikkei.com

本記事の要約は、以下の通りです。

■ 管理会社が理事会に代わってマンションを維持管理する「第三者管理方式」の導入が広がっている。

■ 管理組合に設置された理事会が、管理会社や工事会社との折衝に当たる「理事会方式」を採用しているのが一般的。組合の理事長は「管理者」と呼ばれ、マンション管理の最高責任者と位置づけられる。
■「 第三者管理方式」とは、区分所有者の代わりに外部の専門家が管理者となってマンションの維持管理に責任を負うしくみのこと。

■ したがって、上記のケースでは、組合総会の開催や修繕計画の策定、修繕積立金の管理、居住者への報告といった理事会のすべての業務を実質的に管理会社が担うことになる。

■ 区分所有者は、管理会社が適切に業務を進めているかを監督し、組合総会などで管理会社の提案に賛否を示すだけでよくなる。

■ 第三者管理方式は組合運営に無関心な購入者が多いリゾートマンションや投資用マンションの管理手法として普及していた。ただ、国土交通省の調査によると、管理会社を管理者に選定したマンションは2018年度時点で6%にすぎなかった。

■ しかし、近年は一般的な分譲マンションでも導入する物件が増えている。共働き世帯が一般的になるなか、休日が活動の中心となる理事会業務を負担に感じる人は多い。そのため「理事にならなくてよい」というのがデベロッパーの売り文句になる。

■ 大手では三井不動産や住友不動産が試験導入している。住友不動産では都心部を中心に10件弱で採用済みで、購入者の反応を踏まえて導入物件を増やしていくという。

■ 一方、長谷工コミュニティや合人社計画研究所は既存の管理物件に第三者管理方式の導入を提案している。

■ 合人社グループでは管理受託中の約5000の組合のうち、すでに2割を第三者管理方式に切り替えた。長谷工コミュニティでは、首都圏と関西で合わせて20件近くの物件で導入済みとのこと。

■ 第三者管理方式を採用すると、区分所有者者は理事業務から解放される半面、維持管理への関心低下や管理会社への監視の目が甘くなる懸念があるという専門家の指摘もある。
■ 長谷工コミュニティはそうした懸念を払拭すべく専用アプリを開発し、居住者からの提案や意見をいつでも投稿でき、賛同の多いアイデアはオンライン投票で実現できるようにするほか、組合内の情報や報告も公開して透明性の向上を図っているという。
■ マンションは経年化に伴って住民の高齢化や売却や相続等での入替えなどによって多様化が進む。大規模物件ほど意見を集約するのは難しくなるため、今後は第三者管理方式を採用する物件は増えていく可能性が高い。

■ ただ、「理事会がなくなることで住民同士の交流が失われる側面もあるので、慎重に導入を判断する必要がある」と専門家は指摘する。

 

本記事には、下の図も添付されていました。<出典:日本経済新聞>

 

 

ただ、これは「一般的な第三者管理方式」ではないため、読者に誤解を与えかねません。

 

国交省によるれば、「第三者管理方式」(「管理者管理」とも言う)の類型として以下の3つのスキームが示されています。

    1)理事長外部専門家型
    2)外部管理者理事会監督型
    3)外部管理者総会監督型

 

本記事で紹介されているのは、上記の3)の「外部管理者総会監督型」です。

 

1)の「理事長外部専門家型」の場合には、理事長職をマンション管理士などの外部専門家に委託するケースが考えられます。(なお、他の理事や監事は区分所有者から選任する前提です。)

 

たとえば、管理会社の選定や、大規模修繕工事、設備工事などの専門的な知見を有する重要課題について検討を管理者に依頼したうえで、理事会でその検討結果を確認・協議したうえで総会に諮り最終的な意思決定をします。

 

メリットとしては、専門的な課題の検討を外部専門家に委託することによって、組合員である理事の業務負荷が軽減されます。

<当社の「マンション管理見張り隊」は、組合の顧問役になるため、理事長や管理者には就任しませんが、実質的な役割・機能としてはこれに近いと思います>

 

一方、想定されるリスクとしては、外部専門家が外部の施工業者等と結託して、バックマージンをもらうなどの利益相反行為に及ぶ可能性があるため、理事会によるチェックやモニタリング機能が重要になってきます。

 

2)の「外部管理者理事会監督型」の場合、一般的には管理規約上の理事長の役割と区分所有法上の管理者とは同じ扱いになっているところ、管理者の役割を理事長の機能から切り出したうえで理事会全体として管理者の職務執行を管理・監督する仕組みとして想定しています。

 

それでは、本記事で紹介されている、3)の「外部管理者総会監督型」はどうでしょうか?

 

組合内に理事会自体を設置しないため、1〜2年の周期で輪番制が採用されることの多い組合員の役員就任の負担が一切ありません。

 

これがマンション購入者にとって評価される最大のポイントになっているのでしょう。

 

その一方で、外部専門家をチェックする機会が基本的に年1回の組合総会しかないため、自ずから管理者に対するチェック・モニタリングの機会が減ることになります。

 

そのため、管理組合との利益相反リスクが最も顕在化しやすいという問題を抱えています。

 

たとえば、管理組合の財政運営を握る重要な契約として、管理委託契約のほかに、大規模修繕工事やエレベーターや機械式駐車場といった共用設備の更新工事等の請負契約がありますが、その発注すべてについて管理会社に権限を委ねることになります。

 

その場合、考えられる最大の利益相反リスクは、「民法上の自己契約に該当するケース」です。自己契約とは、契約などの法律行為において、自分自身が相手方の代理人になることです。

 

管理委託契約はもちろんのこと、大規模修繕工事などの大きな支出を伴う案件が、管理会社が受注することも当然ながらあり得るでしょう。

 

また、修繕工事等を直接管理会社に発注しないとしても、施工業者からのバックマージンを管理会社が受け取ることによって自己契約と同じリスクを抱えることにも留意すべきです。

 

ましてや、専門的な知識や知見を持たない「素人」の区分所有者で構成されるのが一般的な管理組合が年1回の総会だけで管理者の仕事ぶりをチェックするのは容易ではありません。

 

そもそも論として、

管理委託費が割高なケースが多い、竣工当初の修繕積立金の設定が低すぎるため将来的な段階増額リスクが大きいといったほとんどの管理組合が抱える「古くて新しい課題」の解決も、理事会が設置されていない管理組合ではもはや「お手上げ」状態になってしまいかねません

 

なぜかというと、将来的に第三者管理方式が利益相反リスクがあるため理事会方式に変更したいと思っても、「管理規約の変更」の壁が立ち塞がってくるからです。

 

管理規約の変更は、区分所有法上の「特別決議事項」に該当するため、区分所有者全体の4分の3以上の賛成が必要です。

 

理事会も設置されていない組合で、この壁を突破するのは至難の技です。

 

たしかに、昨今はあまり珍しくもなくなった千戸単位の大規模マンションで、組合理事長に就任するのは精神的にもキツいものがあるでしょう。修繕積立金の残高も余裕で億単位になるでしょうから、その運用責任だけでも重大です。

 

一方、理事会の運営をサポートする管理会社側も、日常の理事会運営や区分所有者との調整等で心身ともに疲弊するケースも増えていると慮れるので、第三者管理方式に移行する動機や背景についてはよく理解できます。

 

だからこそ、第三者管理方式を導入するデベロッパーなどの事業者は、こうした利益相反リスクを顕在化させない仕組みをいかに構築するか、区分所有者に安心感を与えるためにどのように説明責任を果たすのかについてもっと腐心しなくてはならないと思います。

 

<参考記事>

 

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

 

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

        f:id:youdonknowwhatyoulove:20180907095250g:plain

 

 

※ ブログ認知度向上にご協力いただければ嬉しいです (^▽^)/

  ↓       ↓

にほんブログ村 住まいブログ マンション管理へ 

 

 

 

 

 

【申込受付中】マンション管理セミナー 9月開催のお知らせ

         f:id:youdonknowwhatyoulove:20141129153548g:plain

 

9月度の「マンション管理セミナー」を開催いたしますので、ご案内します。

 

参加人数を絞ったミニセミナーの開催とその後の個別相談会を開催します。

先着5名様の参加を受け付けますので、お早目にごお申し込みください。

 

【日時・会場】

令和 4年 9月  10日(土) 10:30~12:00

 

LEAGUE 地下1階 ミーティングスペース

東京都中央区銀座3-11-3

東京メトロ「東銀座」駅歩2分 「銀座」駅歩5分 

 

【参加料金】

 お一人様  2,000円(税込) 

※ ただし、下記のいずれかの条件に該当する方は「無料」とさせていただきます。

初めて弊社セミナーに参加される方

弊社に個別にご相談いただける方

 

 

1. 講 演

 

管理コストを3割削減するための見直し術」

これまで弊社のコンサルティングによって大幅なコスト削減を実現した事例を紹介しながら、その費用項目ごとに効果的な見直しポイントを解説します。

【内 容】

■ ポイント1:管理人の勤務体制と業務内容
最も多く見られるのが、管理員の勤務時間が過剰なケースです。また、その業務範囲も物件の特性によって違いが見られます。

■ ポイント2:設備保守点検の契約形態と実施頻度(エレベーター、機械式駐車場など)
エレベーター、消防、機械式駐車場など各種共用設備の保守点検費用は管理組合側には相場観がないため、メスが入りにくいテーマです。

■ ポイント3:遠隔監視&緊急対応費用(ホームセキュリティを含む)
設備保守点検と同様に相場観が掴みづらい項目ですが、そのため割高になりがちです。

■ ポイント4:事務管理費など管理会社の経費
管理会社によって提示金額が異なりますが、物件の規模に応じたで適正な市場価格がわかります。

【講 師】 村上 智史(弊社代表取締役)

 

2. 個別相談会(※会場参加者のうち希望者のみ 事前にご予約ください。)

貴マンションの管理委託費を簡易診断させていただきます。(無料)

その他、管理会社の変更や大規模修繕、設備更新工事などのご相談も随時承ります。

 

【お申込み方法】

弊社サイトの「問い合わせページ」より、お申し込みください。

 

お問い合わせ内容は「その他」を選択のうえ、コメント欄に「セミナー参加希望」とご記載ください。(お名前、マンション名、メールアドレス、電話番号等を必ずご記載ください。)

 

<注意事項>

※ 会場では、マスクの着用をお願いいたします。

※体調のすぐれない場合には、無理をなさらず欠席をお申し出ください。

(当日キャンセルでも、参加料金はいただきません)

 


  f:id:youdonknowwhatyoulove:20180907095250g:plain

 

 

※ ブログ認知度向上にご協力いただければ嬉しいです (^▽^)/

  ↓       ↓

にほんブログ村 住まいブログ マンション管理へ 

 

 

 

10月から増額改定!?マンション保険料の抑制に成功した事例を紹介!

          f:id:youdonknowwhatyoulove:20141129153548g:plain

 

今年の10月から、損保各社が一斉に保険料率を改定する予定です。

(ただし、日新火災は来年1月以降)

現在の保険契約の満期が近づいている顧問先マンションでは、更新後の保険料負担を少しでも抑えようとそれぞれ工夫を凝らしています。

 

今回は、その一部を実例としてご紹介しましょう。

 

(1)神奈川県のマンション(31戸・築26年目)の場合

■火災保険金    <旧>2億4,000万円 ⇒ <新>変更なし

(その他付帯する賠償保険についても変更なし)

■現保険料(5年分)<旧>約128万円 ⇒<新> 約98万円

 

このマンションでは、築年数が5年増えているにもかかわらず、保険料が30万円も下がりました。

 

その理由は大きく3つあります。

 

主な理由は、「マンション管理適正化診断」の結果が改善したことです。

前回の診断の際には、

1)修繕積立金が国交省のガイドラインよりも低かった。

2)長期修繕計画が10年以上更新されていなかった。

3)保険事故が複数発生し、保険金の支払い実績があった。

 

今回は、その後4年の間に当社が顧問に就任して組合運営の適正化をサポートをしたことで、まず上記1)・2)の問題が解消されたほか、3)の保険事故の発生もありませんでした。

 

さらに今春に2回目の大規模修繕工事も完工し、当然瑕疵保証も有効な状況のため、前回に比べて大幅に評価ポイントがアップし、それが引き受け保険料の割引きにつながったというわけです。

 

そのため、最大保険金額を減らしたり、免責額を増やしたりする必要もなく、コスト削減を実現することができました。

 

 

(2)神奈川県のマンション(55戸・築27年目)

■火災保険金額    <旧>2億6,500万円 ⇒ <新>変更なし
■地震保険金額    <旧>火災保険の50% ⇒ <新> 同30%に変更
■施設賠責保険金額  <旧>  2億円     ⇒ <新> 1億円
■免責額(賠責保険を除く)<旧>     ゼロ  ⇒ <新> 5万円/件

■保険料(5年分)    <旧>  343万円   ⇒ <新>310万円

 

このマンションでは、当初管理会社と同系列の現代理店に見積もりを依頼したところ、いずれの保険会社を選んでも現状比で3割〜5割保険料が増加するとの説明を受けていました。


一方、顧問である当社経由で、他の相乗り保険代理店に提案を依頼したところ、

現契約に付帯している「施設賠償責任保険」や「地震保険」の最大補償額や(保険会社の)免責額の調整等によって保険料を引き下げることも可能なことがわかりました。

 

「免責」とは、事故損害による保険金が組合に支払われる際に保険金から控除される金額のことです。

 

ただ、事故損害においては、保険金のほかに「臨時費用」と称する見舞金を10%上乗せして支払われます。

 

たとえば、ある事故損害の支払保険金の査定額が50万円の場合、免責を除く支払い分は45万円です。

 

一方、本ケースの場合には臨時費用として5万円が支払われるため、受取り額の合計は50万円となり、結果的には満額保証されることになります。

 

したがって、組合側の実損分は事実上発生しにくいと言えます。

 

地震保険については、このマンションの立地している環境が丘陵地で地盤も良好であるため比較的揺れが少なく、また津波等による浸水リスクもない環境にあることから付保率を切り下げても問題はないと判断しました。

 

このように、現契約の条件をフラットに見直すこともコスト増を抑える有力な手段になるのです。

<参考記事>

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

  


  f:id:youdonknowwhatyoulove:20180907095250g:plain

 

 

※ ブログ認知度向上にご協力いただければ嬉しいです (^▽^)/

  ↓       ↓

にほんブログ村 住まいブログ マンション管理へ