マンション管理士|村上智史の「士魂商才」 

無関心な居住者が多いマンション管理組合に潜む様々な「リスク」を解消し、豊かなマンションライフを実現するための「見直し術」をマンション管理士:村上智史(株式会社マンション管理見直し本舗 代表)がご紹介します。

超低金利時代の今だからこそ、「マンションすまい・る債」活用のススメ

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住宅金融支援機構が、 2021 年度におけるマンション管理組合向けの債券「マンションすまい・る債」の積立てに関する募集結果を報告しました。

 

www.jutaku-s.com 

本報告内容の要約は、以下の通りです。

■ 2021 年度新規募集の結果
・応募組合数:1,704    (対前年比 +12%)

・応募口数は 10万5,244 口 (対前年比 +21.4%) :過去最大 

 「1口 50万円」なので、総額525億円

 

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■ 増加した要因

(1)応募受付期間を約1か月延長(5ヶ月→6ヶ月)したこと。
(2) 新型コロナウイルス感染拡大の影響により、昨年度は多くのマンションで管理組合の総会を延期していたが、今年度も通常どおり開催する組合が増えたこと。

 

「マンションすまい・る債」とは、管理組合の修繕積立金の計画的な積立てと適切な管理をサポート するために、住宅金融支援機構が管理組合向けに発行する債券です。

 

「すまい・る債」の利率は0.12%です。

(10年満期時の平均年利率 税引前)

 

債券のため元本保証はありませんが、住宅金融支援機構は政府出資の独立行政法人です。

 

一方、メガバンク等の定期預金(1年もの)の場合、平均年利は0.002%と「天文学的?」に低い利息のうえ、残高1千万円を超えるとペイオフの対象外になるため、銀行に預ける意味は現在のところほとんどないと言える状況です。

 

ところが、管理組合の実態は、こうしたメガバンクに数千万円もの預金を預けたまま放置しているがもっぱらです。

 

また、「すまい・る債」購入のメリットは、資金運用面だけにとどまりません。

 

顧問先の管理組合で、大規模修繕工事の際に手元資金では厳しい状況と判断した場合には、支援機構の「マンション共用部分リフォーム融資」を活用することをお勧めしています。

 

一定の要件をクリアすれば、原則として10年以内の融資を無担保・低金利で受けることができるのですがが、すまい・る債」を1口以上保有している管理組合の場合、さらに金利の優遇(0.2%)が受けられます。<下表参照>

 

(「マンション共用部分リフォーム融資」パンフから抜粋)

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なお、東京都の場合、「マンション共用部分リフォーム融資」を受ける管理組合を対象に、最大で金利1%相当の助成金制度があるため、現在「実質無金利」で融資が受けることも可能です。(下記記事参照)

 

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

www.mansion-tokyo.metro.tokyo.lg.jp

ただ、「マンションすまい・る債」を購入する際に注意すべき点があります。

それは、債券購入の応募時期と総会開催時期のズレです。

 

<「マンションすまい・る債」パンフから抜粋>

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「マンションすまい・る債」を購入する際には、銀行等と異なり元本保証がないことから、原則として管理組合の総会決議を経る必要があると思います。

 

しかしながら、通常総会の開催時期はマンションによって異なるため、上記応募期間(4月〜10月)と総会の開催時期が大きくズレる場合があります。

 

たとえば、11月に通常総会を開催するマンションであれば、応募しようとする前年に議案を上程しておく必要があります。(そして、実際の購入は翌々年の2月になります)

 

もちろん、「臨時総会」を別途開催するつもりなら、こうした心配は無用ですが・・。

 

 <参考記事>

 

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

 

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

          f:id:youdonknowwhatyoulove:20180907095250g:plain

 

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<速報>2022年10月にマンション保険料が一斉に増額改定されます!

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当社がお付き合いしている保険代理店から、来年秋にマンション保険料が増額改定されることが決まったとの連絡がありました。

 

■ 値上げの背景

(1) 2019年度から2020年度において大規模な自然災害が発生したこと

(2) リスクの高い築年数の古い住宅の割合が増加したこと

以上を踏まえ、損害保険料率算出機構が、本年5月に金融庁に対して火災保険の参考純率(=事故が発生したときに、保険会社が支払う保険金に充てられる部分)変更の届出を行ったところ、同 6月に金融庁より適合性審査結果通知を受領したため、改定が決定した。

■ 値上げ率

住宅総合平均で+10.9%

ただし、改定内容の詳細は、2022年春頃に案内される予定。

■ 実施時期

2022年10月1日以降の保険始期の契約から対象になる予定。

 

ただ、上記の改定幅はあくまで「住宅全体の平均値」で、実際の保険料は物件の所在地域、建物の構造や築年数によってかなり異なります。(下表参照)                 f:id:youdonknowwhatyoulove:20211115145353p:plain

【M構造:鉄筋コンクリート造のマンション】

 

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2022年もしくは2023年に契約の更改を予定している管理組合なら、

来年10月を待たず、中途更改も視野に入れて検討することをお勧めします。

 

来春には10月以降の損保各社の保険料が決まる見込みなので、その時点で相見積もりを取得し、改定前と改定後の保険料を比較のうえ検討するとよいでしょう。

 

もう一つアドバイスがあります。

昨今、過去の保険金の支払件数に応じて保険料の加算措置が取られるようになりました。

 

具体的には、「新たな保険契約の開始日から6 ヶ月前の日から過去2年間」において、保険金請求事故件数を総戸数で除して算出した「1戸あたりの事故頻度」に応じた料率体系が適用されます。

 

つまり、直近の事故頻度が高いほど次回の保険料は高くなる、というわけです。

(下図参照)

 

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逆に、上記の指定期間で無事故、あるいは保険金の支払いがなかった場合は、

次回の保険料について割引の適用が受けられます。

 

この場合、加算判定の基準は支払保険金の「合計額」ではなく「件数」なので、少額の保険金の請求はなるべく控えたほうが更改後の保険料は「有利」(=安く)なります。

 

マンションの保険代理店は、ほとんどの場合管理会社が兼ねていると思いますが、

こういうアドバイスをしてくれる管理会社はほとんどいないでしょう。

 

<参考記事>

 

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

 

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

 

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

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マンション管理組合への請求なのに、管理会社の名義で振り込んでくるヒジョーシキ

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当社の顧問先である管理組合さんには、定期的に当社がその報酬の請求書を発行しています。

 

その際には組合の事務管理業務を受託している管理会社のフロント担当者宛てに送付しています。

 

これらの顧問先の中には、たまたま管理会社が重複しているケースもあるのですが、大手のD社とT社の場合、現在3件ずつ管理委託先が重なっている状況です。

 

一方、当社が期日までにその報酬が入金されているかを確認するには、こちらの通帳に記帳結果で確認するしかないのですが、この2社については、(それぞれの管理組合の名義ではなく)必ず自社の名義で振り込んできます。

 

請求した全額が滞りなく入金された場合はそれでも特に問題はありません。

厄介なのは、一部入金が漏れた(遅れた)場合です。

 

報酬金額が同じ顧問先が含まれている場合、どこのマンションが漏れているのかすぐに分かりません。

 

そのため、こちらとしてはそれぞれの物件担当である管理会社の支店宛てに照会する必要が生じます。

 

先日、まさにそのような事態が発生したため、D社とT社それぞれに管理組合の名義で振り込むよう要請しました。

 

その結果、その後両社とも「そのような対応はできかねる」との回答がありました。

特に合理的な説明もなされず・・・。

 

まったく納得がいきません!

 

もちろん、管理会社のすべてがこのような対応をしているわけではありません。

 

中堅管理会社のL社やS社などは、ちゃんと管理組合名義で手続きを行ってくれています。

 

そもそも、管理組合口座からの払い出しのはずなのに、

なぜ管理会社名義になるのか?

 

百歩譲っても、振込みの名義自体は任意で変更できるのに、

なぜ「対応できかねる」のか?

 

おそらく、管理会社内の各管理組合の出納会計を担当している部署が名義を修正する手間を惜しんでいるだけだろうと推測しています。

 

こういう不埒な会社が少なくないのが、マンション管理業界の実態なのです。

 

<参考記事>

 

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

 

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

 

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

 

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

 

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「住民が頼れるマンション管理会社ランキング」に異議アリ!

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10月23日付の週刊東洋経済に、「サービスを低下させない上位100社はここだ!<住民が頼れる>マンション管理会社ランキング」と題した記事が掲載されています。

 

premium.toyokeizai.net

本記事の要約は以下の通りです。

========

■  住民は頼れるマンション管理会社をどのように評価すればよいか。管理会社を「業務主任者1人当たり棟数」「管理部門売上高」の2つの指標を用いて独自にランキングした。

■ マンション住民へのサービスを維持できるかを探る指標の1つが、「管理業務主任者1人当たりの物件棟数」だ。

■ 管理業務主任者は、管理会社が管理組合と契約を結ぶときに必要な国家資格で、管理組合に対し管理状況を報告したり組合運営をサポートする。そのため、管理業務主任者1人当たり棟数が少ないほどきめ細かなサービスを提供できると考えられる。

■ 一方、スケールメリットも重要だ。管理会社にも間接部門の仕事があるが、売上高が大きければそうした間接費を効率化できるし、巡り巡ってマンション住民へのサービスも向上できる。そのため、「管理部門売上高」をもう1つの評価指標として採用した。

■ ランキングの根拠となる各社の「総合点」は、管理業務主任者1人当たり棟数の小さい順と、マンション管理部門売上高の大きい順の、それぞれの順位を合計したものであるため、数値が小さいほうが上位となる。

■ 1位は東急コミュニティーで、2つの指標ともに2位。修繕工事を積極的に受注していることも売り上げに寄与している。

■ 2位は大和ライフネクスト、3位は野村不動産系、4位は住友不動産系と三井不動産系といずれもデベロッパー系列だが、新築物件の受託機会が豊富なためと思われる。

■ ただ、デベロッパー系でも住友不動産系、三菱地所系は修繕工事を積極的に受注する姿勢があまり見られない。高級物件の管理が多く委託費だけで高い売上を確保できているからか。

■ 管理はひとたび受注できれば長期にわたって安定収益を得られる。そのため受注するときの採算が極めて重要。人件費や工事費が上昇した今、管理会社の物件選別姿勢はますます強くなるだろう。裏を返せば、住民にとっての管理会社選びは一段と難しくなっている。

========

本記事によると、

以前は管理組合側がコスト重視で管理会社を選別するのが一般的だったが、いまや両者の立場は逆転し、管理会社側がマンションを選別するようになった。そのような状況のもとで、なるべく優良な管理会社を選ぶべきかの検討に資するためランキングを作成した・・とのことです。

 

残念ながら、私にはこの趣旨自体何を言いたいのか理解できませんでした・・(笑)

 

ランキング作成の趣旨はともかく、

(1)管理業務主任者1名あたりのマンション棟数

(2)管理部門の売上高

という二つの指標を算出し、(1)は昇順(少ない方がGood)で、(2)は降順(多い方がGood)で、それぞれ並べたうえで各順位を足してその合計値が小さいほど「頼れる会社」だと定義した、というわけです。

 

私は、思わず絶句しました。

「何じゃ、それは!?」と突っ込みたくなります。

 

まず、その程度のデータなら、マンション管理業協会のホームページに登録されているデータを利用すれば、誰でも簡単にできます。<下記サイト参照>

 

www.kanrikyo.or.jp

ただ、分譲マンションもさまざまで、数百戸にも及ぶ大規模物件もあれば、10数戸しかない小規模物件もあります。

 

また、区分所有者のほとんどが居住するマンションもあれば、ほとんどの住戸を賃貸に出している投資用のマンションもあります。

 

こうした物件の規模や特性によって、組合運営にかかる手間(=労務コスト)もかなり変わってくるので、各社の受託状況をつぶさに精査しないと単純にランク付けすることはできないはずです。

 

さらに、「売上高が大きいほどスケールメリットがあり、コスト効率が高いだろうという発想も、きわめて短絡的な発想と言わざるを得ません。

 

私が思うに、

間接部門の比重の高い管理会社ほど、売上高(=管理委託費)に応じて所定のマージン率を上乗せして割高な経費を請求しているケースが多いように見受けられるからです。

 

マンション管理会社ランキングといえば、

オリコン主催の顧客満足度調査(下記サイト参照)の方が有名でしょう。

 

life.oricon.co.jp

オリコンの場合、実際にそのマンションに居住する区分所有者を対象にアンケートを実施し、管理員、フロント担当者 日常業務対応、コストパフォーマンスといった項目別にポイント評価したうえで、その総合点をランキング化しています。

 

この調査も、回収したアンケート数が少ないとか、調査物件が新築に偏りがちなどかなり割り引いて考える必要はありますが、顧客自身の声を拾っている点で「説得力がある」と思います。

 

本当に頼れるかどうかを検証したいなら、

たとえば以下のような項目もチェックしてもらいたいものです。

・各管理受託物件の契約維持率および契約継続年数

・受託物件の理事会開催頻度

・長期滞納者(6ヶ月以上)の発生比率

・組合財産着服事件をはじめ法令違反事例の有無

・管理組合の資料に関する保管・整理状況

 

<参考記事>

 

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

 

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

 

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

 

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

 

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

 

        f:id:youdonknowwhatyoulove:20180907095250g:plain

 

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10年ぶりの改訂!「マンション修繕積立金ガイドライン」

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10月20日付けの「スーモジャーナル」に、「あなたのマンションは大丈夫? 国交省が長期修繕計画、修繕積立金に関するガイドラインを改定」と題した記事が掲載されていました。

 

suumo.jp

本記事の要約は、以下の通りです。

■ 2021年9月28日、国土交通省がマンションの長期修繕計画作成や修繕積立金に関するガイドラインの改訂版を公表した。

■ 本ガイドラインは来年4月からスタートするマンション管理計画認定制度の認定基準となる予定でもあり、マンション所有者も購入予定者もその概要は知っておきたい。

■自分の住む(購入しようとする)マンションの長期修繕計画が適切なものなのか、修繕積立金が十分なのかを判断することは難しい。仮に判断できたとしても、計画の見直しや修繕積立金額の変更には他の所有者の合意を得る必要があるのがマンション管理の難しい点だ。
■ こうした問題解決の一助とすべく、国が示したのが「長期修繕計画標準様式・作成ガイドライン・コメント(以下、長計GL)」であり、修繕積立金額を判断するための参考資料が「マンションの修繕積立金に関するガイドライン(以下、修繕積立金GL)」だ。

■ 長計GLは平成20年(2008年)に、修繕積立金GLは平成23年(2011年)に策定されたが、築古のマンションの増加や社会情勢の変化を踏まえ、今回、改訂が行われた。
■長計GLの改訂ポイント

長計に「30年以上で大規模修繕工事が2回以上」含まれていること、「5年程度」で計画の見直しを行うこと。

・マンションの省エネ性能向上の改修工事も考慮すること。

■ なお、マンションによって規模、形状、仕様、立地、所有者の意向などさまざまな条件により維持管理の内容も異なってくるため、長計も建物や設備の劣化状況の調査・診断に応じたオリジナルなものが作成されるべきだ。

■「修繕積立金GL」は、長計GLに沿った工事を行うために費用な積立金額の目安と考えればよい。(ただし、マンションの個別性があるため、必要な費用に幅が出る)。

■ 長計GLの改訂とともに、修繕積立金GLが示す修繕積立金額の目安も見直されており、少し高くなった。

■ 東日本不動産流通機構(東日本レインズ)の調査によれば、2020年度に同機構を通して成約した首都圏中古マンションの修繕積立金の平均平米単価は169円/平米だ。長期修繕計画GL沿った計画修繕には不足する管理組合も多いと思われる。

■ 注意すべきは「均等積立方式」なのか「段階増額積立方式」なのかという積立方法もにもある。

■ 「均等積立方式」とは、長計期間中の積立金の額が均等となるように設定する方式なのに対し、段階増額積み立て方式」は当初の積立額を抑えたうえで、段階的に増額する方式だ。後者の場合、当然ながら将来の費用負担が増加する。

■ なお、今回のGL改訂は、マンション管理適正化法改正に伴い来年4月より施行される『管理計画認定制度』とも関連している。

■ 『管理計画認定制度』とは、良好に管理されているマンションを認定し、価値あるストックを増やしていこうとする制度である。 この制度が浸透すれば、良好な管理が行われているマンションが、市場で評価される時代が来るだろう。

 

この記事で注目すべきは、

「修繕積立金ガイドライン」が10年ぶりに改訂されたことです。

 

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ちなみに、計画期間全体における修繕積立金(m²当たり月単価)の平均額(Z)の算出方法は、以下の通りです。

         Z=(A+B+C)÷X÷Y
      A:計画期間当初における修繕積立金の残高(円)
      B:計画期間全体で集める修繕積立金の総額(円)
      C:計画期間全体における専用使用料等からの繰入額の総額(円)
      X:マンションの総専有床面積(m²)
      Y:長期修繕計画の計画期間(ヶ月)
      Z:計画期間全体における修繕積立金の平均額(円/m²・月)

つまり、現時点(計画初年度)の繰越剰余金残高を計画対象期間(30年=360ヶ月)と専有床面積(㎡)で割った金額に、現在の積立金徴収月額ならびに駐車場等の専用使用料収入月額を加えた合計額を専有床面積(㎡)で割った金額を合計すればよいわけです。

 

この説明では直ちに仕組みを理解できないかもしれないので、当社顧問先である某マンション(築15年目・105戸)を例に、必要な修繕積立金および現状の不足度合いを試算したケースをご紹介しましょう。

 

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まず、長期修繕計画にもとづく今後30年間の必要資金が770百万円で、これを計画対象期間の360ヶ月と専有床面積(7625㎡)で割り戻すと@281円/㎡・月になります。

 

一方、現時点の繰越剰余金残高が108百万円(@39円/㎡・月)、現在の修繕積立金の徴収額が30年間の合計で546百万円(@199円/㎡・月)です。

 

つまり、現在手元にある資金ならびに今後収入として確定している額を合わせて654百万円(@238円/㎡・月)にしかなりません。

 

したがって、差引き 約115百万円の資金不足となります。

この資金不足分を修繕積立金の単価ベースに換算すると@42円/㎡・月になります。

 

要するに、このマンションの場合、長計で求められる資金需要を賄うには、現状の徴収額(199/㎡・月)を241円/㎡・月に増額改定する必要がある、というわけです。

 

ちなみに、上記のガイドラインと比較すると、このマンションの延床面積からすれば、機械式駐車場を含まない目安の平均額は@252円/㎡・月・・・(ア)です。

 

一方、機械式駐車場の修繕に必要な工事費の目安も、このガイドラインで示されています。(下記参照)

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このマンションの場合、2段式の機械式駐車場が22台あります。

そのため、上の表を参考に1台あたりの月額工事費から積算し、それを専有面積で割り戻すと@19円/㎡・月・・・(イ)になります。

 

したがって、国のガイドラインに基づいて必要な修繕積立金は、上記(ア)と(イ)の合計金額である、@271円/㎡・月 になりますから、実際の長期修繕計画で求められる金額(@281/㎡・月)とほぼ変わらないことがわかります。

 

なお、このマンションでは、5年前から当社のコンサルティングがスタートし管理委託費、電気料、マンション保険料といった管理コストの適正化が実現したため、年間5百万円の剰余金を生み出すことができました。

 

そのため、管理費会計の繰越剰余金残高ならびに今後期待できる年間剰余金(3百万円)を修繕積立金会計に振り替えることを前提に、資金収支を再計算したところ、ほぼ上記不足額が解消されることが確認できました。

 

ぜひ、ご自身のマンションでも「修繕積立金の簿外債務」を試算してみることをお勧めします。

 

<参考記事>

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

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最近管理組合から相談の多いマンションの共通点とは?

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この1年で当社に相談をいただいたマンションにはひとつの共通点があります。

それは、管理会社が大手のD社ということです。

 

相談する管理組合側の不満要素で目立つのは、

・修繕費の見積もりが高い。

・フロント担当者の対応が悪い(レスポンスが少ない・対応が遅いか、しない)

の2点です。

 

当社の顧問先にもD社が管理受託しているマンションがいくつかありますが、

たしかにご指摘の通りだと思います。

 

そのほかに私が感じているところでは、

1)月次会計報告書が非常に見づらい。

電算システム時代の頃のままの古い書式で、管理費会計の収支表が1枚で収まりきらず、複数枚に及んでいます。

また文字数の制限もあり、相手先の名称が途中で切れてしまうこともあります。

 

2)管理会社が作成する総会議案書が所定の書式に決まっているうえ、しかも最低限の記載しかないため、経緯や検討経過の記載がほとんどない。

 

こういう不満についてフロント担当者に改善するよう申し入れても、

「会社のルール」を盾に真摯に対処しようという姿勢が見られません。

 

このD社の管理するマンションで、今夏通常総会が開催された際の出来事です。

 

当社がこれから顧問に就任する議案が上程された総会でもあり、

事前に議案書の作成に私は関与していませんでした。

 

その議案書には、年1回の法定義務である年度会計報告の議案も含まれているのですが、なんと監事の署名・捺印した「監査報告書」が抜け落ちていました。

 

理事長がその理由をフロントに問いただしたところ、

監事は事前に署名捺印した報告書を管理会社宛に郵送していたのですが、社内でそれが一時行方不明になったため議案書の 発送に間に合わなかったとの説明がなされました。

 

理事長 :「監事の署名済みの監査報告書は、今は手元にあるのですか?」

管理会社:「あります」

理事長 :「それなら、なぜそれを今配布しないのですか?」

 

その後、ようやく監査報告書のコピーが出席者に配布された・・という騒動を目撃しました。

 

もちろん、組合側の出席者全員が呆れていました。

 

本件はもともと管理会社の不手際によるものですが、後日入手した監査報告書を追加で送付しなかったため、いわば「恥の上塗り」となってしまったわけです。

 

マンション管理会社の役割は、

管理組合に「安心」と「安全」を提供することがミッションだと思いますが、

この体たらくでは組合役員も枕を高くして寝られないでしょう。

 

D社に限りませんが、フロント担当者に日常業務を任せっきりで

上席スタッフによるバックアップ体制が見えないことも「管理会社あるある」です。

 

これは大手とか中堅といった会社の規模とはほぼ関係がありません。

内部管理体制のレベルの問題です。

 

担当者の失念や単純ミスなどを見つけてそれを指摘するのが管理会社ではなく、

管理組合しかない、というのが残念ながら実態なのです。

 

だから、組合財産の着服事件も一向になくならないのだと思います。

 

<参考記事>

aplug.ykkap.co.jp

 

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

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【受付中】マンション管理見直し本舗 オンラインセミナー(11月)のご案内

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11月度の「マンション管理セミナー」についてご案内します。

 

新型ウィルス感染防止のため、今回も「オンライン形式」で開催します。

 

ネット接続環境があれば、首都圏以外にお住いの方も気軽に受講できます。

 

先着10名様のお申し込みを受け付けております。

 

どうぞお早目にお申し込みください。

【日時・会場】

令和 3年 11月  13日(土) 13:30~15:00

 

【参加料金】

 お一人様  2,000円(税込)

※ ただし、下記のいずれかの条件に該当する方は「無料」とさせていただきます。

初めて弊社セミナーに参加される方。

弊社に個別にご相談いただける方

 

【内 容】

「管理コストを3割削減するための見直し術」

これまで弊社のコンサルティングによってコスト削減を実現した事例(管理会社のリプレイスを含む6件)を紹介しながら、その費用項目ごとに効果的な見直しポイントを解説します。

 

【内 容】

■ ポイント1:管理人の勤務体制と業務内容
最も多く見られるのが、管理員の勤務時間が過剰なケースです。また、その業務範囲も物件の特性によって違いが見られます。

 

■ ポイント2:設備保守点検の契約形態と実施頻度(エレベーター、機械式駐車場など)
エレベーター、消防、機械式駐車場など各種共用設備の保守点検費用は管理組合側には相場観がないため、メスが入りにくいテーマです。

 

■ ポイント3:遠隔監視&緊急対応費用(ホームセキュリティを含む)
設備保守点検と同様に相場観が掴みづらい項目ですが、そのため割高になりがちです。

 

■ ポイント4:事務管理費など管理会社の経費
管理会社によって提示金額が異なりますが、物件の規模に応じたで適正な市場価格がわかります。

 

【講 師】 村上 智史(弊社代表取締役)

 

【お申込み方法】

セミナーお申込み専用ページからお申し込みください。(お名前、マンション名、メールアドレス、電話番号等をご記載ください。)

加までの流れや、オンライン会議の利用に慣れていない方向けの説明も上記ページにてご案内していますので、ご参照ください。

 

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