顧問先のワンルームタイプの投資用マンションではすでにその傾向が現れていますが、最近ではいわゆるファミリータイプでも長期の滞納者が出始めています。
<参考記事>
滞納期間が3ヶ月を超える場合は、「うっかり失念」ではなく「確信犯」と考えてまず間違いありません。
しかしながら、滞納の初期段階では、管理会社も未納の理由すら確認せず放置しているケースも少なくありません。
その結果、やがてそれが長期間の滞納に発展し、その後の回収にも時間や手間を要する事態に陥いる傾向が見られます。
じっくり読み込んだ方は少ないと思いますが、
管理組合の「ルールブック」である管理規約には、以下のような内容が定められているのが一般的です。
支払期日までに管理費等を納付しない場合は、その未払金について「遅延損害金」(年利14%)ならびに「違約金」として弁護士費用、督促ならびに徴収の諸費用を加算して請求できる。
管理費の納付は「前払い」になっているケースが多いですが、その場合たとえば10月分の管理費は、9月末日が規約で定められている期日となります。
したがって厳密に言えば、未納となった場合はその期日から起算して高金利の遅延損害金を請求できることになっています。
ところが、管理会社から「規約にもとづいて遅延損害金を請求しましょう」という提案は少なくともこれまで聞いたことがありません。
もちろん、1、2ヶ月間の「うっかりミス」は起こりうることなので遅延損害金まで請求するのは行き過ぎでしょうが、滞納期間3ヶ月を超える確信犯に対しては請求してもよいのではないかと思います。
と言うのも、滞納者の側に立って考えると
・納付期日から遅れても、うるさく督促されない
・遅延損害金(金利)も請求されない
と、管理組合の運営実態がとってもユルイがゆえに軽んじられやすいからです。
次に、滞納者に対してすでに督促しているものの、本人と連絡が取れず一向に支払われないというケースもあります。
その場合、管理組合役員を含めて「管理会社に任せておけばいいんでしょ?」と考えている方が大半だろうと思われます。
しかし、それは大きな「誤解」です。
管理会社との委託契約書には、このように定められているのが一般的だからです。
① 滞納者に対して最初の支払期限から◯ヶ月の間、電話、メール、督促状または自宅訪問(当マンションの居住者に限る)などのいずれかの方法により、支払いの督促を行う。
②上記①の方法で督促してもなお滞納管理費が支払われない場合は、管理会社はその業務を終了する。
管理会社が行う督促期間である「◯ヶ月」に入る数字は、「6」が一般的だと思います。
また、「業務が終了する」という表現についてはかなり事務的な印象が強いですが、「管理委託費の枠内で行う業務範囲」ということを意味しています。
つまり、それ以降は、組合の判断で有償(追加費用)での対応、あるいは弁護士の起用を含めて法的な措置をとってくださいということです。
したがって、契約の範囲内で管理会社が督促対応してくれるのが滞納期間6ヶ月間までとすると、滞納者が「確信犯」と判明してから実質4ヶ月程度しか残っていないことになります。
こうした事情からも、管理費の滞納問題はなるべく小火(ボヤ)の段階で消火活動を行って確実に回収することが大切です。
そのため管理組合としては、初期段階での滞納理由の見極めと、管理規約に則って「確信犯」を判断した場合の遅延損害金の請求については速やかに行っていくことをお勧めします。
<参考記事>
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