マンション管理士|村上智史の「士魂商才」 

無関心な居住者が多いマンション管理組合に潜む様々な「リスク」を解消し、豊かなマンションライフを実現するための「見直し術」をマンション管理士:村上智史(株式会社マンション管理見直し本舗 代表)がご紹介します。

施工現場の写真付き!電気防食工法によるマンション給水管の延命対策工事

昨年の11月と12月に、築20年超の顧問先マンション2件(都内76戸、神奈川県31戸)で電気防食工法によるマンション給水管の延命対策工事を実施しましたので、ご紹介します。 既存マンションに設置されている共用給水管の多くは、配管の内面に錆止めのコーティ…

12月19日放送 NHK「クローズアップ現代」をご覧にならなかった方へ

12/19のNHKの「クローズアップ現代」で「老いるマンション維持費の高騰にどう備えるか」が放映されました。 放映内容を要約すると、内容としては概ね以下のようになります。 ====== ・2012年に比べてこの10年間で分譲マンションの管理費・修繕積…

更生工事以外にマンションの給水管を有効に延命させる方法とは?

先日、顧問先の神奈川県のマンション(築28年目)で臨時総会が開催され、共用給水管の延命対策として電気防食装置の導入を実施することを決議しました。 既存マンションに設置されている共用給水管の多くは、配管の内面に錆止めのコーティングが施された「硬…

修繕積立金が足らないマンション管理組合はどんな対策を取っているか?

5月27日付の日経新聞に、「マンション修繕、攻略の合鍵は 夏工事や駐車場リストラ」と題した記事が掲載されていました。 <参考記事> www.nikkei.com 本記事の要約は以下のとおりです。 ■ 都内のマンション(築27年)では2回目の大規模修繕の費用を見積もっ…

とんだ肩透かし!「マンション長寿命化促進税制」に失望したワケ

令和5年度の税制改正に伴い、「マンション長寿命化促進税制」が創設されたことは本ブログでもお伝えしていました。(下記参照) <参考記事> yonaoshi-honpo.hatenablog.com 本制度は、築20年以上のマンションを対象に、第2回目の大規模修繕工事を今後2年…

「給湯管のピンホール漏水」が発生したマンションの診断結果の衝撃!

都内にある顧問先マンション(築23年)では、昨年末に2階住戸内で漏水事故が発生しました。 当該住戸直上の3階居室の床下配管を調査したところ、給湯管にピンホールがあり、漏水原因箇所と特定されました。 実は、当マンションのような「銅でできた給湯管…

マンション大規模修繕工事に対する「誤解あるある」とは?

3月19日、東洋経済オンラインで「12年周期でなくてもOK 「大規模修繕」の大誤解 」と題した記事が掲載されました。 <参考記事> toyokeizai.net 本記事の要約は以下のとおりです。 ======== ■ 国交省の調査によると、全国のマンションストックのうち…

インフレのご時世こそ!地方公共団体の助成制度活用のススメ

都内の顧問先のマンション(39戸)では、このたび非常用照明器具のLED化を実施することになりました。 工事費は総額で170万円弱かかるのですが、このマンションがある杉並区では、 「集合住宅及び事業所等におけるLED照明機器切替助成」という制度があ…

マンション大規模修繕工事の資金を「無利子」で調達する方法

顧問先のマンション管理組合に、東京都から「マンション改良利子補給資格及び利子補給交付決定通知」の書面が届きました。(下図参照) いったい、どういう制度のいかなる助成金なのか、順を追って説明しましょう。 まず、住宅金融支援機構には、マンション…

マンションの大規模修繕工事で外壁タイルの不具合が異常に多かった理由とは?

顧問先のマンション(築16年目)では、今年の2月から第1回目の大規模修繕工事が始まりました。 ただ、3月に入って施工業者から外壁の下地補修のため不具合箇所を集計したところ、当初見込んでいた数よりもはるかに不具合の箇所が多いことが判明しました…

マンションの大規模修繕工事が割高になる原因は、住民の無知・無関心にあり!

2月15日付の「朝日新聞デジタル」に、「6千万円の大規模修繕、3分の1で出来た? マージン取る管理会社も」と題した記事が掲載されていました。 digital.asahi.com 本記事の要約は以下の通りです。 =============== ■ 1年ほど前。築25年以…

超低金利時代の今だからこそ、「マンションすまい・る債」活用のススメ

住宅金融支援機構が、 2021 年度におけるマンション管理組合向けの債券「マンションすまい・る債」の積立てに関する募集結果を報告しました。 www.jutaku-s.com 本報告内容の要約は、以下の通りです。 ■ 2021 年度新規募集の結果・応募組合数:1,704 (…

10年ぶりの改訂!「マンション修繕積立金ガイドライン」

10月20日付けの「スーモジャーナル」に、「あなたのマンションは大丈夫? 国交省が長期修繕計画、修繕積立金に関するガイドラインを改定」と題した記事が掲載されていました。 suumo.jp 本記事の要約は、以下の通りです。 ■ 2021年9月28日、国土交通省がマン…

【理事長のギモン】大規模修繕工事の資金が足らない時はどうすればよい?

9月23日付けの東京新聞に、<プロに聞く くらしとお金の相談室>マンション修繕費が不安」と題した記事が掲載されています。 <参考記事>www.tokyo-np.co.jp 本記事の要約は以下の通りです。 <相談内容> マンション管理組合の役員に就任することになった…

マンション大規模修繕工事の相見積もりを取得する手順と注意点

当社の顧問先マンション(築15年目)では、来年初めに大規模修繕工事の実施を想定し、施工業者5社から相見積もりを先日取得しました。 その結果は、以下の通りです。 各社の見積条件を見ると、 総額は税別4千万円強のところ最大170万円の僅差に収まりまし…

マンション大規模修繕工事の際は、事前の「アスベスト調査」がマストに!

「アスベスト」とは、天然の鉱物繊維で「石綿(いしわた)」とも呼ばれています。 その名の通り、繊維は綿のように軽くて柔らかく、耐熱性・耐火性・防音性・絶縁性に優れている特徴を持っていることから、建物の建材だけでなく、自動車や家電製品・家庭用品…

マンションの修繕積立金を値上げする前にやるべきことがあるでしょ?

4月10日 付けの日経新聞に、「老いるマンション 修繕に備え計画点検、積立金上げも」と題した記事が掲載されていました。 www.nikkei.com 本記事の要約は以下の通りです。 ■ マンション管理士会によると、都内の管理組合から「修繕費が予想以上に膨らんで積…

25年の長期保証が付帯する屋上防水工事の現場を見学してきました!

昨日、3月末に着工した顧問先マンション(築25年)の屋上防水工事を見学してきました。 このマンションでは、10年保証が一般的とされる屋上防水工事において、今回25年の長期保証が付帯する工法を採用することになり、先日着工しました。(発注の経緯…

「マンション大規模修繕の標準周期は12年」はなぜジョーシキになったのか?

3月4日付けの朝日新聞に、「マンション大規模修繕12年→18年周期 居住者負担減」という記事が掲載されていました。 digital.asahi.com 本記事の要約は以下の通りです。 ■ 大規模修繕は12年ごとが一般的だが、最長18年ごとで済む修繕サービスが普及し始めた。…

マンション管理組合でセカンド・オピニオンが必要なのは、大規模修繕だけじゃない!

1月18日付けの産経新聞に、「マンション修繕費用は適正か 「ミス」で4000万円「値引き」」と題した記事が掲載されていました。 www.sankei.com 本記事の要約は以下の通りです。 ■ 大阪市の大規模分譲マンション(築40年超 600戸超)ではこの2年間…

無料の「マンションライフサイクルシミュレーション」をさっそく試してみた!

集合住宅管理新聞「Amenity」に、「大規模修繕工事費と資金計画の試算ツール「マンションライフサイクルシュミレーション」をネット上で無料公開 /(独)住宅金融支援機構」と題した記事が掲載されていました。 www.mansion.co.jp 本記事の要約は以下の通り…

「はじめてのマンション大規模修繕」で知っておきたいこと

丸紅のマンション「グランスイート」の情報サイト「コムズ倶楽部」では、マンションのくらしに役立つコラムのコーナーが用意されています。 その中で、先日私がインタビュー取材を受けた「はじめての大規模修繕を考えよう」というコラム記事が昨日リリースさ…

大規模修繕工事のおカネが足らない!資金融資を受けるための条件とメリットは?

私が昨年から顧問を務めている都内のワンルームマンション(築15年目)では、いまだ大規模修繕を行っていません。 今期は建物劣化診断を実施しましたが、案の定、全般的に築年数並みかそれ以上の劣化各所で進行していることがわかりました。 そのため、早…