マンション管理士|村上智史の「士魂商才」 

無関心な居住者が多いマンション管理組合に潜む様々な「リスク」を解消し、豊かなマンションライフを実現するための「見直し術」をマンション管理士:村上智史(株式会社マンション管理見直し本舗 代表)がご紹介します。

「はじめてのマンション大規模修繕」で知っておきたいこと

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丸紅のマンション「グランスイート」の情報サイト「コムズ倶楽部」では、マンションのくらしに役立つコラムのコーナーが用意されています。

 

その中で、先日私がインタビュー取材を受けた「はじめての大規模修繕を考えよう」というコラム記事が昨日リリースされたので、ご紹介します。

 

www.marubeni-sumai.com

本記事の要約は以下の通りです。

 

大規模修繕を実施すべき時期は?

 ・一般的には12~13年周期と言われているが、マンションの立地条件、当初の施工状況や周辺環境などによって変わってくる。

・実際にどのタイミングで大規模修繕を行うべきかは、個々のマンションの劣化の進行度合いや立地環境などによる。

・そのため、事前に建物劣化診断を行い、その結果に応じて修繕すべき箇所の選定と適切な実施時期を検討していくことがお勧め

・なお、日頃チェックがしにくいバルコニーなどの専用使用部分に関する不具合等は住人向けのアンケートを実施して把握する。

 

工事期間や予算はどれくらいか?

・工事着工から完成までの期間は小規模マンション(50戸以下)で2~3ヶ月、それ以上の規模ならは5~8ヶ月程度かかる。

・建物劣化診断⇒修繕の対象範囲の検討⇒施工方法の検討⇒見積もりの取得⇒施工会社の選定といった一連の準備期間を含めると足掛け2年くらいのプロジェクトになる。
・大規模修繕にかかる費用については、ちまたでは「戸あたり100万円前後が目安」と言われる。

・ただ実際には、マンションの規模や、経年劣化に伴い必要となる修繕の対象範囲によって当然変わってくる。

重要なのは、建物診断を経て必要な修繕箇所を把握したうえで、同一の工事仕様と数量積算書をもとに複数の工事業者から見積もりを取得して比較検討すること。

 

長期修繕計画の内容を確認しよう!

・国土交通省の「修繕積立金に関するガイドライン」によると、専有床面積あたり200円/㎡(月額)前後が必要とされている。

・しかしながら、ほとんどの新築マンションでは、このガイドラインで示される目安額の半分以下とかなり低めに設定されているのが実態で、将来的に増額改定を強いられるリスクが高い。
・ご自身のマンションの修繕積立金が適正な水準にあるか確認すること。もし足りないと思われる場合は、なるべく早く増額改定を検討すべき。

 

工事はどこに、どのように発注するか?

・大規模修繕の発注スキームは、主に「責任施工」方式と「設計監理」方式の2つのパターンに分かれるが、どちらも一長一短がある。

・いずれの方式を選択するにしても、複数の業者から相見積もりを取得せずに進めると、本来まだ修繕の必要性の小さい範囲も対象に含められたり、競争原理が働かないために結局は「高くつく」リスクがある。
発注先の施工会社の信用力に不安を感じる場合には、国土交通大臣指定の住宅瑕疵担保責任保険法人が取り扱う「大規模修繕工事瑕疵保険」への加入を発注の条件に加えることをお勧めする。
事後に施工時の瑕疵が見つかったため、先方に補修を請求する際に、万が一その業者が資金不足や倒産などで自ら修繕できなくなった場合でも、上記保険法人に請求することによって実質無償で補修工事を実施することができる。

 

<参考記事>

 

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