マンション管理士|村上智史の「士魂商才」 

無関心な居住者が多いマンション管理組合に潜む様々な「リスク」を解消し、豊かなマンションライフを実現するための「見直し術」をマンション管理士:村上智史(株式会社マンション管理見直し本舗 代表)がご紹介します。

マンション管理組合でセカンド・オピニオンが必要なのは、大規模修繕だけじゃない!

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1月18日付けの産経新聞に、「マンション修繕費用は適正か 「ミス」で4000万円「値引き」と題した記事が掲載されていました。

 

www.sankei.com 

本記事の要約は以下の通りです。

■  大阪市の大規模分譲マンション(築40年超 600戸超)ではこの2年間、大規模修繕工事をめぐって大きく揺れた。

 

■  関係者等によると、大規模修繕が必要となったため管理組合のサポート役として管理会社がコンサル業務を請け負うことが決定された。

 

■  併せて、工事額が適正かどうかの検証を専門機関に求める「セカンドオピニオン」の経費50万円を計上した。ただ、住民の中には「セカンドオピニオンは不要」と主張する人もあり、その手続きが遅れた。

 

■  管理組合がセカンドオピニオンの実施を正式決定した3日後には、入札で約4億4千万円を提示した施工会社に決まったと管理会社から通知があり、その後工事が始まった。

 

■  セカンドオピニオンについては、コンサル業務の一環として管理会社が発注を申請することになっていたが、着工から約4カ月が経過した時点で、手続きが行われていないことが住民側の指摘で判明した。管理組合の理事会では担当者が「(専門機関に必要書類を)提出済み」と説明していたが、実際は未提出だった。

 

■  この発言は理事会の議事録にも記載されていたため、組合側が「虚偽」の報告だと非難し、管理会社は謝罪し、コンサル報酬の半額を減額した。

 

■  管理会社に不信感を募らせた住民側は自らNPO法人にセカンドオピニオンを依頼したところ、NPO側は「約3600万円安い金額で工事が可能」と告した。

 

■  報告書は、「バックマージン」を伴う談合により工事金額がつり上がった可能性まで指摘。管理会社は取材に対し、「虚偽」とされた発言は「申請の受け付けが済んだ」ことを『提出済み』と過って表現したもの」と釈明する一方、談合などの不正は否定した。ただ一連のトラブルを受け、現在はこの管理会社との業務委託は終了している。

 

■  施工会社も不正は否定したが、その後住民側から4千万円の値引きを要請され、「協力金」名目で支出するという異例の対応をとった。協力金について、施工会社は「管理会社側に落ち度があった」としながらも、「管理組合との交渉の長期化リスクなどを考慮し、異例の額だが支出を受け入れた」と説明している。

 

■  調査を行ったNPOは「重要書類が存在しないなど、ずさんな点が目立った」とこの工事全体について指摘。「明確な証拠はない」としつつも「不正を疑われても仕方ない状況だ」と指摘している。

 

付き合いのある施工会社の担当者から聞いた話では、特に大阪エリアでは本記事と似たような話は珍しくないとのことでした。

 

本記事の場合には、管理会社が施工会社からいわゆるバックマージンを受け取っていたのではないかと推察される事例ですが、施工会社の選定をサポートする設計事務所が暗躍するケースも少なくありません。

 

もっと言えば、管理組合の内部の人間が絡んでいるケースもあります。

 

たとえば、管理組合では理事会の諮問組織として、「修繕委員会」が設置されることがよくありますが、その委員長が施工業者等からいわゆる「袖の下」を受け取っているということがあります。

 

修繕委員会は、輪番制などで選任されることが多い組合の役員と異なり、基本ボランティア(立候補)によって選任されることが一般的です。

 

そのため、複数年にわたって再任されることが珍しくなく、そのうちに施工業者などとの関係が徐々に深まっていくため、一種の「利権」になってしまう・・というわけです。

 

素人集団で構成されるのが一般的な管理組合では、こうしたリスクを予防するために、専門家のセカンド・オピニオンを取得することが有効なのは確かです。

 

ただ、上記のとおり、本来セカンド・オピニオンの役割を果たすべき設計事務所が施工会社と水面下で連携し、相見積もりの取得自体が「出来レース」となってしまうこともあるわけです。(下の記事参照)

 

<参考記事>

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

そのため、こうしたリスクを排除するには、結局のところ管理組合側が主体的に取り組む姿勢が重要ということに尽きます。

 

つまり、管理会社であれ、設計コンサル会社であれ、業務委託先に「丸投げ」するのではなく、組合自らが主体的にその仕事ぶりをチェックしつつ、疑問点があれば相手先にそれを確認しながら慎重に進め、決して意思決定の主導権を渡さないことが大切です。

 

この教訓は、何も大規模修繕工事だけに当てはまることではありません。

下記のようなその他共用部の設備更新についても同様のリスクがあります。

■共用部照明灯の更新(LED化)

■自動火災報知器等の消火設備一式

■ 集合インターホン

■ 給水ポンプユニット

■ 防犯カメラ(管理会社はレンタル業者を強く推薦する事例が一般的)

 

先日コンサルティングしたワンルームマンション(33戸)では、集合インターホンの更新費用として700万円の予算を計上していましたが、割高ではないかと不信に思った役員さんから問い合わせがあり、当社の提携先業者から相見積もりを提出したところ、予算額の7掛け(500万円強)で収まりました。

 

また、管理委託費やマンション保険についても同様です。

管理員や清掃費用が昨今の人手不足で上昇していると巷間言われていますが、このマンションでは設備保守費や事務管理費が割高ため、現在の委託費から2割以上の削減余地があることがわかりました。

 

マンション保険も、昨今頻発している災害の発生に伴い、年々保険料が上昇していますが、このマンションの保険契約を見直したところ、保険会社を変更すれば今と同等の補償条件でも保険料が4割以上軽減できることがわかりました

 

こうした見直し事例も、管理組合の内部から「言挙げ」する人がいなければ、決して顕在化することはありません。

 

何も知らないままで、この先も請求されるまま、高いコストを支払い続けることになるのです。

 

最も怖いのは「無意識」と「他人任せの姿勢」であることを肝に銘じるべきです。

 

<参考記事>

 

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

 

 

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

 

 

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