マンション管理士|村上智史の「士魂商才」 

無関心な居住者が多いマンション管理組合に潜む様々な「リスク」を解消し、豊かなマンションライフを実現するための「見直し術」をマンション管理士:村上智史(株式会社マンション管理見直し本舗 代表)がご紹介します。

悩ましい「認知症トラブル」のリスクに管理組合はどう対応すべきか?

3月21日付のYOMIURI ONLINEで、「マンションで認知症トラブル」と題する記事が掲載されていました。 それによると、 ■都内のあるマンションでは、認知症の独居老人(80代)が「オートロックの鍵が開かない」としばしば管理人を呼び出したり、ドアを叩いたり…

なぜマンションで「住込み型管理人」は減っているのか?

先日、仕事で都内の大規模マンションに伺う機会がありました。 その管理組合から、管理会社の変更を検討したいとのご相談を受けたのですが、「管理会社は変わっても、管理人の住込み方式はなるべく維持したい」との意向でした。 管理人の勤務形態には、通勤…

マンションの日常清掃で集めたゴミは、産業廃棄物なの?

偶然ですが、昨日ネットで興味深い投稿記事に遭遇しました。(下記に引用) 「分譲マンションの日常清掃によるごみは産業廃棄物?!?!」 分譲マンションの管理組合役員をしています。管理組合として、管理会社に日常清掃を委託しており、日々作業員がマン…

「マンション管理&修繕完全ガイド2017」の監修に参加しました!

ダイヤモンドムックの「マンション管理&修繕完全ガイド2017」が、先週発売されました。 その構成は以下のようになっています。 ■ 初めて理事になる方向けのマンション管理の基礎知識 ■ 管理組合の運営の心得 ■ 管理会社への賢い委託の方法 ■ 管理コストの無…

リゾマンこそ、資産価値を守るためのリストラ待ったなし!

先週の朝日新聞の経済面で、リゾートマンションの実態を取材した特集記事が組まれていました。 www.asahi.co 90年代のスキーブームに乗ってマンションが建設され、林立している代表的なエリアが、新潟県湯沢町。新幹線に乗れば、東京から90分で最寄りの越後…

修繕積立金が上がっていくのは、タワマンだけの問題か?

週刊東洋経済(1/28号)で、「持ち家が危ない」と題した特集記事が組まれていますね。 全国的にホットなテーマである「空き家問題」以外に、分譲マンションや管理組合の抱える問題についてもトピックスを交えて取り上げていましたので読んでみました。 特集…

保険料の改定だけじゃない⁉ 地震保険の変更点で注意すべきポイントは?

昨日、NHKの情報番組「あさイチ」でも取り上げていましたが、今月から地震保険料が改定になりました。 「全国平均で5%の値上げ」とされていますが、それだけの情報では不十分です。 今回の改定で注意すべきポイントを3つご紹介します。 #1 値上げは今…

規約違反にご注意!マンション住まいの初心者が陥りやすいNG集

分譲マンションは、一戸建てと違って他の所有者と共有する財産のため、区分所有法にもとづいて様々なルールを定めています。 そのため、分譲マンションを購入すると、法律や別途管理組合が定める「ルール」にしたがって生活することが求められます。 その「…

マンション住民同士の挨拶禁止に賛否両論があるワケ

マンション内の挨拶禁止をルール化した管理組合の話。 新聞への投稿がツイッター上で「これが日本の最先端の近所付き合いです」と紹介されたことで、しばらくの間ネットでざわつくことになりました。 かく言う私もその一人で、挨拶の禁止 ⇒ 世知辛い世の中と…

マンションで直接給水方式が薦められているワケとは?

ご自分のマンションの給水がどうなっているかご存知ですか? 給水方式には、貯水槽方式と直接給水方式の大きく2種類があります。 4階以上のマンションであれば、屋上に高架水槽か、1階や地下に受水槽があるかの違いはあれ、公共水道から一旦敷地内の貯水槽…

チラシ情報では分からない中古マンションのリスク

数ある中古マンションから購入する物件を選ぼうとするとき、どのように候補先を絞り込んでいきますか? まず大まかなエリアを決めたうえで、物件の築年数、最寄駅からの距離、部屋の間取り、日照条件などをチェックするのがおそらく一般的だと思います。 た…

「やむを得ずマイホームを貸すことに・・」そんな時に気をつけたいことは?

誰かに不動産を貸した経験ってありますか? マンション管理士という仕事柄、会社に勤務しながら複数のワンルームマンションのオーナーとしてかなりの賃貸収入を得ている方にお会いすることも少なくありません。 ただ、そういった「副業」を持つ方以外に、仕…

「住民同士の挨拶はしない」と決めたマンションの話

マンション内で住民同士が挨拶すべきか否かというテーマで、新聞読者が投稿でボヤいていた記事がメディアで話題になっています。 たしかに最近の世相を反映しているとは言え、さすがに「ついにそこまで来たか・・」と驚きを禁じえませんでした。 その投稿が…

管理規約の遵守を求めるなら、皆を平等に扱わないとNG!?

国交省の標準管理規約には、専有部分の用途として「専ら住宅」制限を設けていますが、これに倣ってほとんどのマンションも規約を定めているのが実情です。 しかしながら、すでに昨今民泊やシェアハウス等での活用が議論を呼んでいるように、この「専ら条項」…

マンションの民泊対策で後手に回る国交省の対応

10月27日付の朝日新聞で、 分譲マンションにおける「民泊」の普及への対応として、国土交通省はマンションの管理規約に民泊の受け入れの可否を明示するよう促すことを決めた、という記事が出ています。 www.asahi.com 今後、国交省が管理規約の改正案を作成…

管理組合の役員を守る新しい保険商品が登場!

日新火災海上保険が、本年10月から「マンション管理組合役員賠償責任補償」サービスの販売を開始しました。 この補償サービスは「特約」として、共用部の火災や破汚損等の事故などに備えて付保するマンション総合保険(マンションドクター火災保険)に任意で…

マンションの「規模」はどれくらいがおススメなのか?

数あるマンションから自分の住まいを選ぶ場合に、何を条件に考えますか?大まかなエリア、部屋のサイズ、購入金額、日照条件、通勤や通学等の利便性はもちろん考慮すると思います。でも、マンション自体の規模についてはあまり考えないのではないでしょうか…

2本の記事がスーモジャーナルに掲載されました!

スーモジャーナルに記事が2本掲載されましたので、本ブログでもご紹介します。 まずは、マンション管理組合における町内会の加入と町会費の徴収問題について。 私の顧問先でも、竣工以来17年間管理費とともに町会費が自動的に引き落とされていることに疑…

マンション管理組合には馴染みのない「FBサービス」って何?

この7月からコンサルをしている築20年のマンションでは、管理会社に対する不信がくすぶっています。 発端は、10年ぶりのマンション保険契約の更新でした。 保険の代理店も兼ねている管理会社が、従来どおりメガ損保であるM社とS社の2社だけの見積りしか提…

マンション販売市場が厳しくなっているワケとは?

9月13日付けの記事で、分譲マンション市況の悪化を伝える記事を見かけました。 gendai.ismedia.jp この記事によれば、 人気住宅街の世田谷区で販売中の新築35物件のうち、実に7割に当たるマンションが売れ残っていて、ひそかに大幅な値引き作戦が講じられて…

マンション管理会社の「満足度ランキング」の意義とは何か?

スタイルアクト株式会社が、自社サイト会員のマンション購入済みの入居者などを対象に実施した管理状況に関する満足度調査の結果をリリースしています。 www.sumai-surfin.com 公表サイトのページによると、結果の概要は以下の通りです。 ■ 有効回答数 2,083…

管理会社が「マンションドクター火災保険」を取扱いたくない理由

高経年マンションでも、日常の保守点検を着実に実施して、必要なメンテナンスや修繕がなされている場合には、保険料の大幅な値引きが受けられる! という理由から、 「マンションドクター火災保険」はオススメだと本ブログでも紹介してきました。 【参考記事…

今の管理規約のままでは民泊利用やシェアハウス化は防げない!

先日、顧問先の管理組合で定期総会が開催されましたが、その中の議案に「管理規約の改正」がありました。 改正の趣旨は、 昨今インバウンド観光の増加に伴い注目されている「民泊」ビジネスのための利用を禁止することでした。 民泊以外にも、不特定多数の見…

「マンションの資産価値は保ちたいけど、理事にはなりたくない」という本音

分譲マンションの管理やコミュニティの実態を把握することを目的に、SUUMO(リクルート住まいカンパニー)が、首都圏の分譲マンション居住者を対象とした調査を初めて行い、その結果を公表しています。(8月22日付け) 2016年マンション管理とコミュニティに…

マンション管理会社の法令違反がなくならない2つの理由

マンション管理会社が「マンション管理適正化法」に則って業務を行っているかを確認するため、国土交通省が昨年全国一斉に事務所等に立入り調査を実施した結果が7月15日に報告されています。 <調査結果の概要> ◆国土交通省が、全国のマンション管理業者…

タワマンの組合運営が容易じゃない3つの事情

先日の日経新聞に、タワーマンションの住民トラブルに関する管理組合の取組みが紹介されていました。 www.nikkei.com 本記事の要約は以下の通りです。 ■都心にあるタワーマンションでは、数世帯の住民が大量にゲストルームを予約して、直前にキャンセルして…

マンション管理組合が滞納問題を抱えやすい4つの理由

あなたのマンションでは、管理費の滞納はありませんか? ただし、管理費(一般)会計の収支を見るだけでは滞納の有無は分かりません。 その理由を理解するには、 会計とキャッシュフローの違い、そして複式簿記の概念を知っておく必要があります。 管理組合…

管理会社の仕事ぶりがよく分かる!「マンション管理適正化診断」受診のススメ

昨年来、マンション管理士の全国組織である「日本マンション管理士会連合会」( 日管連)では、管理組合に対して無料で「マンション管理適正化診断サービス」の提供を開始しました。 マンション管理士が直接現地に伺って、組合の運営状況、法定点検や大規模…

【クロ現+】タワーマンション「空中族」は、かつて見た風景と同じ

NHKの「クローズアップ現代プラス」で、都心エリアのタワーマンションへの投資が加熱している様子を取り上げていた。 そこで紹介されていた「空中族」という聞き慣れない言葉。 タワーマンションを数年ごとに買い替えて値上がり益を得ながら、「わらしべ長者…

SUUMOジャーナルの連載記事に登場!

本日、「SUUMOジャーナル」に記事が掲載されました。 suumo.jp 築古マンションの管理組合が抱えやすい「お悩み」をテーマに、マンション管理士が実際の経験をもとに解決策やアドバイスを紹介するというものです。 第1回は、築20年目を迎えようとするマ…

朝日新聞の記事「一括受電 自由化で難題」でコメントしました

5月5日付けの朝日新聞に「一括受電 自由化で難題」という記事が掲載され、私の意見も取り上げられています。 digital.asahi.com この記事を要約すると、以下のようになります。 1)マンション全体で電力を「まとめ買い」することで「貯金」ができる手法と…

「管理不全マンション」の実態とはどのようなものか?

先日、知人から某マンションの相談を受けました。その内容を要約すると以下のようになります。 ◆今から10年ほど前に、友人が新築で購入した小規模のマンションがある。 ◆友人は仕事の都合で移転したため現在そのマンションに居住しておらず、今後も戻る可能…

こんな時こそ知っておきたい地震保険 5つの特徴

去る4月14日の震度7をきっかけに、熊本県や大分県では大きな地震が相次いでいます。 今回の一連の地震活動を受けて、西日本が巨大地震前の地震の活動期に入ったのではないかとの指摘もありますが、現在の研究レベルではまだわからない面があります。 ただ、…

管理組合の運営適正化を阻む「意識レベル」の低さ

4/13付けのYOMIURI ONLINEに、「無関心」で巨額損害も?…「マンション2020年問題」という記事が掲載されています。 www.yomiuri.co.jp 今年2月に新潟のリゾートマンションの管理組合で発覚した元理事長による管理費着服事件を引き合いに、組合運営に対す…

標準規約改正で、議決権割合を変更しようとする管理組合が増えるか?

4月11日付の「NEWSポストセブン」の記事で、「マンション管理規約改正 資産価値高い部屋の発言権が増す」と題する記事が掲載されていました。 www.news-postseven.com この記事を要約すると、 ◆3月14日に、国交省による「マンション標準管理規約」の改正が発…

マンション一括受電に反対する理由には、どんなものがあるのか?

家庭向け電力の自由化が4月からスタートしましたが、それと呼応するように「マンションの高圧一括受電」についても問い合わせや提案の依頼が今年に入って増えています。 ただ、残念ながら一括受電のしくみを正しく認識されている方は極めて少数です。 たと…

高経年マンションは、「マンションドクター火災保険」に注目!

先日、築25年になる都内のタワーマンションの管理組合から、 「5年の満期を迎えるマンション保険を更新すると、保険料が大幅に上がりそうなので困っている」との相談を受けました。 そこで代理店に依頼して、保険各社の見積もりを取る手配をしたところ、…

電力の小売り自由化で、これから「マンション一括受電」はどうなるか?

いよいよ4月からスタートする電力小売りの全面自由化まで、1週間を切りましたね。 TV各局の情報番組でも、主に一般家庭を対象にどれくらい今より安くなりそうなのか、注意すべき点は何かなどをテーマに特集が組まれています。 ガス料金や携帯電話やインタ…

法人でないマンション管理組合が課税申告を求められるのはなぜか?

3月19日付の産経ニュースで、「マンション管理組合を税務署が「申告漏れ」で狙い撃ち」という記事が掲載されていました。 この記事を要約すると、 ◆管理組合が、携帯電話の基地局設置や駐車場の外部貸しなどで得た収入に対して課税当局から申告漏れを指摘さ…

5年ぶりのマンション標準管理規約改正!そのポイントは?

3月14日付けで、「マンション管理適正化の方針」ならびに「マンション標準管理規約」の改正が国交省から告示されました。 管理規約といえば、管理組合の「憲法」というべき存在。 それが約5年ぶりに改正されたのです。 改正項目はいくつかありますが、注目…

管理組合は「民泊」と「脱法ハウス」問題にどう対処すればよいか?

マンションに住む人であれば誰もが安心・安全で快適な生活を維持したいと考えている・・・それ自体にたぶん異論はないでしょう。 しかし、それを脅かす新たなリスクが顕在化しつつあります。 それが「民泊」と「脱法ハウス」の問題です。 民泊とは、Airbnbの…

マンション一括受電は、なぜ100%の同意が必要なのか?

マンション管理組合で一括受電を行いたい場合には、当然ながら総会決議で承認を得る必要があります。 管理組合が事業者となる場合には、これまで電力会社に無償で提供していた電気室から、電力会社の変電設備(キュービクル)を撤去し、自家用の設備を新たに…

もし「新電力」が事業撤退したら、どう対応すればいい?

2月25日付けの東京新聞によると、 「新電力」の日本ロジテック協同組合が、電力小売り事業から撤退することを決めたとのことです。 www.tokyo-np.co.jp 記事の内容をまとめると、次のようになります。 ◆ロジテックは2010年に電力小売り事業に参入し、電…

電力自由化で、マンション共用部の電気料金も下げられるの?

いよいよ4月から、電力小売りの自由化が始まりますね。 ここ最近はTVCMのほか、ニュース情報番組、情報誌などで特集が組まれることもしばしばで、新規参入する各社は顧客の囲い込みに余念がないようです。 この小売りの自由化で、各社がターゲットと考え…

なぜ内部統制不全の管理会社を登録取消処分にしないのか?

2/16付けの産経新聞によると、大阪ガスグループのマンション管理会社「大阪ガスコミュニティライフ」(現・IUCコミュニティライフ)の元社員3人が分譲マンションの管理費約840万円をだまし取ったとして逮捕されたそうです。 www.sankei.com この社員…

相続税の優遇措置はタワーマンションだけの話ではない

このブログでも先日取り上げましたが、2/12付けの朝日新聞に「タワマン節税に国税庁が待った 高層階に課税強化検討」という記事が掲載されていました。 <過去記事> yonaoshi-honpo.hatenablog.com タワーマンションの特に高層階住戸を購入した場合、その時…

日刊ゲンダイに「マンション電力見直し隊」が掲載されました!

先日、日刊ゲンダイの編集部副部長さんから当社に連絡があり、 「マンションの一括受電について取材させてほしい」 との申入れがあったので、お受けしました。 「あのゲンダイがそんな真面目なテーマで記事を書くのか…!?」(失礼) と思いましたが、住まい…

民泊ビジネスの波をマンション管理組合は水際で食い止められるか?

東京・大田区で、外国人観光客らを民間住宅に有料で泊める「民泊」を認める条例が、1月29日に施行されました。 【参考記事】 www.tokyo-np.co.jp 個人が手軽に空き家・空き部屋を使い、利用者を泊めることで収入を得る民泊ビジネスが世界的に普及しつつあり…

見直しは必至?タワーマンションの「相続評価」と「議決権割合」

1/24付けの日経新聞に、「マンション節税防止 高層階、相続税の評価額上げ 総務省・国税庁、18年にも」と題する記事が掲載されていました。 www.nikkei.com この記事によると、 ◆ 政府は、2018年にも価格の割に相続税が安くて済む高層マンションを節税目的で…

「マンションの電力が危ない!」という記事がアブナイ!

1月21日付けのビジネスジャーナルに、「マンションの電力が危ない!高圧一括受電だと電力自由化も利用できず…電力停止のおそれも」と題する記事が掲載されています。 biz-journal.jp この記事によると、 ◆高圧一括受電を導入したマンションの住民は、4月以…