マンション管理士|村上智史の「士魂商才」 

無関心な居住者が多いマンション管理組合に潜む様々な「リスク」を解消し、豊かなマンションライフを実現するための「見直し術」をマンション管理士:村上智史(株式会社マンション管理見直し本舗 代表)がご紹介します。

マンションで直接給水方式が薦められているワケとは?

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ご自分のマンションの給水がどうなっているかご存知ですか?

 

給水方式には、貯水槽方式直接給水方式の大きく2種類があります。

 

4階以上のマンションであれば、屋上に高架水槽か、1階や地下に受水槽があるかの違いはあれ、公共水道から一旦敷地内の貯水槽にプールしたうえで、各住戸に給水しているケースが多いと思います。

 

ただ、昨今東京都や横浜市をはじめ各自治体では、公共水道から直接給水する方式を推奨しているのです。

 

これには2つの事情があります。

 

一つは、水道管の口径が拡大されたことによって水圧が上昇し、貯水槽を介さなくとも給水できる対象建物が増えたことがあります。

 

もう一つは、マンション内の水の衛生事情に関する問題です。


法律上は、貯水槽の設置者(分譲マンションの場合は、管理組合)が適切に管理する責任があり、特に容量が一定水準を超える場合には、法律で年1回以上の水質検査)と水槽内の清掃が義務づけられています。

 

ただ、必ずしもすべてが十分に維持管理されているわけではありません。

その結果、残留塩素の濃度低下による雑菌の繁殖などが懸念されています。

 

さらに、昨今では節水機能の高いトイレや洗濯機の普及、単身・共働き世帯の増加に伴って水槽内に水が長い時間滞留する傾向が見られることも、水質悪化の要因と指摘されています。

 

貯水槽の場合、清掃や水質検査といった維持管理以外に、築30年目を目途に設備リニューアルを行う必要も出てくるので、その際に多額の出費を求められます。

 

マンションの長期修繕計画には、もちろんそうした設備更新の費用も計上されているはずですが、管理組合として今後も貯水槽方式を今後も維持するのか、それとも更新期を迎えたのを機に貯水槽を撤去して直接給水方式に変更するのかを検討するのもよいでしょう。

 

ただ、直接給水方式の方が貯水槽方式よりもすべてが優れているというわけではありません。

 

たとえば、災害発生時に断水となった場合でも、受水槽があればしばらくの間は住戸内への給水が可能という利点があります。

 

それぞれのメリットとデメリットのどちらを重視するかで選択肢も変わってきますから、慎重に検討することをお勧めします

 

詳しく知りたい方は、SUUMOジャーナルに執筆した記事をご参照ください。

 

suumo.jp

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