マンション管理士|村上智史の「士魂商才」 

無関心な居住者が多いマンション管理組合に潜む様々な「リスク」を解消し、豊かなマンションライフを実現するための「見直し術」をマンション管理士:村上智史(株式会社マンション管理見直し本舗 代表)がご紹介します。

保険料の改定だけじゃない⁉ 地震保険の変更点で注意すべきポイントは?

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昨日、NHKの情報番組「あさイチ」でも取り上げていましたが、今月から地震保険料が改定になりました。

 

「全国平均で5%の値上げ」とされていますが、それだけの情報では不十分です。

 

今回の改定で注意すべきポイントを3つご紹介します。

 

#1 値上げは今回を含めて3回に分けて実施される!

 

地震保険料は全国平均で+19%の引き上げが必要とされていますが、2014年7月に全国平均で+15.5%の引上げがあったばかりです。これを考慮し、2017年1月・2019年1月・2021年1月の3回に分けて段階的に19%まで上がる見込みです。

 

今回の保険料改定については、全国の被害予測を実施した結果、全国平均で19%の値上げが必要とされています。

 

しかしながら、2014年に保険料率の大幅改定(平均15%強のアップ)を実施したばかりであることを考慮して、今回を含めて2021年まで3回に分けて順次料率の引上げを行うことになっています。

 

#2 契約者にとって朗報⁉ 損害区分が4つに増える!

 

地震保険と言えば、建物の被害状況によって3つの区分(全損・半損・一部損)で保険料の支払額が大きく異なる点に特徴がありました。

 

■ 全 損:損害割合50%以上

■ 半 損:損害割合20%以上

■ 一部損:損害割合20%未満

 

従前の区分によると、全損(支払率:100%)のケースに対して、半損(支払率:50%)や一部損(支払率:5%)のケースの場合の保険金の支払率が大きく下がるうえに、半損に近い損害でも「一部損」と認定されると、半損の10分の1しか支払われないという点に対して批判もありました。

 

それを考慮したのか、今回の改定では上記の3つの区分から4つの区分(全損・大半損・小半損・一部損)となり、大半損(支払率:60%)・小半損(支払率:30%)が新設されました。

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ただし、損害割合の判定基準は下記の表の通りのため、損害区分の細分化によって被災者が受け取る保険金の「平均額」は下がることになります

 

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#3 保険料の改定率は、地域によって大きく異なる!

 

「全国平均ベースの保険料」は上昇するわけですが、すべての地域で押しなべて上がるわけではありません。

 

たとえば、下記のように近畿圏を中心に10%以上値下がりになる府県があります。

(愛知・岐阜・三重・京都・大阪・兵庫・奈良・和歌山)

 

一方、上昇率の高い地域(10%超)は以下の通りです。

(東京・千葉・埼玉・神奈川・福島・山梨・静岡・徳島・高知・香川・大分・宮崎)

 

地震保険に加入している、もしくはこれから加入しようと考えていらっしゃるなら、まず自分の居住地域は値上がりするのかどうかを確認することです。

 

もし、大幅に上昇する地域なら、今後も段階的に上昇するので長期契約(最長5年)することによって保険料の上昇リスクを先送りすることができます。

 

【参考記事】

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

 

 

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