週刊東洋経済(1/28号)で、「持ち家が危ない」と題した特集記事が組まれていますね。
全国的にホットなテーマである「空き家問題」以外に、分譲マンションや管理組合の抱える問題についてもトピックスを交えて取り上げていましたので読んでみました。
特集記事の中でマンションに関するトピックスは、概ね以下の4つです。
■ タワーマンションにおける修繕積立金の上昇リスク
■ 高経年マンションにおける管理費の滞納や修繕積立金不足の問題
■ リノベマンションの瑕疵リスク
■ 超高層マンションの廃墟化リスク
いずれもこれまで度々取り上げられているテーマであり、今回これと言って目新しいコンテンツは見当たりませんでした。
ただ、書きぶりとして少々気になる箇所がありました。
「タワマン林立の武蔵小杉 住民の大不安」の章で、
・湾岸エリアで分譲中のマンションでは、新築当初の修繕積立金は月額6,300円だが、築6年目以降は約12,000円、築11年目以降は約18,000円に上がる
・国交省調べの修繕積立金の平均が月額11,800円だから、通常マンションよりも高くなる
と指摘しています。
しかし、新築時の修繕積立金の設定が低いのは何もタワマンに限ったことではありません。
マンションの規模にかかわらず、全国の新築分譲マンションに共通した事象です。
その理由は、売主がマンションの販売価格をなるべく高く維持したいため、故意に低目の設定をしているからです。
これはすでに国も承知している問題で、その証拠に、国交省は2011年にマンション購入予定者を対象として「修繕積立金ガイドライン」を公開し、新築時の安い積立金徴収額に留意するよう呼び掛けています。
分譲マンションの長期修繕計画を作成する際、一般的に30年間の修繕見込額を算定していますが、そのライフサイクルコストを入居後30年の間に均等に積み立てるとしたら、必要な徴収金額は専有面積1㎡当たり200円前後が目安になるとこのガイドラインで説明しています。(ただし、機械式駐車場が付設されている場合の更新費は別途加算が必要です)
つまり、たとえば専有面積70㎡の3LDKタイプなら、新築時から月額14,000円くらいに設定するのが妥当だということです。
にもかかわらず、新築マンションの平均徴収額は同90円程度と必要な水準の半分以下にとどまっているのです。
売主のデベロッパーの都合のために、修繕積立金の徴収は将来的に増額を迫られることになり、最終的には新築当初の3~4倍の金額に上げないと足りなくなってしまうわけです。
本記事で引用されているように、「売主の当初の見立てが甘い」からではないことに留意が必要です。
【参考記事】
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