いよいよ4月からスタートする電力小売りの全面自由化まで、1週間を切りましたね。
TV各局の情報番組でも、主に一般家庭を対象にどれくらい今より安くなりそうなのか、注意すべき点は何かなどをテーマに特集が組まれています。
ガス料金や携帯電話やインターネットの利用料などとのいわゆる「セット割り」効果を除けば、現状に比べて5%も下がれば「御の字」といったところではないでしょうか。
それに対して、マンション一括受電はどうでしょう?
一括受電サービス業者を介さずに、管理組合が変電設備を所有して自ら事業者になるのであれば、請求管理や設備保守に必要な経費を控除した後で15%くらい下がる効果が期待できるものと思われます。
しかも、これは今の地域電力会社の料金体系の中で試算した効用で、他の「新電力」からより安価に購入できるチャンスまでを考慮しているわけではありません。
しかしそれでも、マンションの一括受電も、今回の「自由化キャンペーン」の影響を少なからず受けるものと思われます。
「管理組合で電力をまとめ買いすることによって電気料金が大きく下がる」と言っても組合全体で合意形成することが面倒なのは確かだからです。
それよりも個人ベースの判断次第でスルッと安くなるほうがよいと思う方もいらっしゃる可能性は十分考えられます。
そこで私なりに、今後マンション一括受電のニーズ動向がどうなるかを予想してみました。
◆ 電力業界の激変に伴い、プランの選択が慎重になる?
ガス会社、携帯キャリア、流通各社などが多数参入する予定で、一斉に新たな料金プランを提案することが予想されるため、ユーザー側はその動向をしばらくの間見極めようという傾向が強まる可能性があります。
◆ 一括受電サービス業者のスキームに魅力がなくなる?
サービス業者のスキームでは、専有部の電気料金として還元する場合は概ね8%くらいの値下げになるため、個人が契約先を変更する場合と比較してもあまり変わらなくなる可能性があります。
今後はサービス業者側もその点を認識したうえで、管理組合への還元率を引き上げる、あるいは、より割安な電力の購入先を確保するなどの努力を求められることになりそうです。
◆ 一括受電への切り替えが難しくなる?
小売りの完全自由化で料金の安いプランが登場するとともに、携帯電話と同様一度契約すると中途解約に制約条件が加わることが予想されます。
今後一括受電を導入する際に、そうした事情が推進の障害になる可能性があります。
こうした予想される動向を踏まえて、
一括受電の検討が可能な管理組合としては今後どう行動すればよいか?
2点アドバイスさせていただきます。
#1. 一括受電の経済メリットを事前に確認しておきましょう!
管理組合に対して一括受電に関する説明をした際に意見で目立つのは、
「小売の自由化の動向を見極めたい」というニーズです。
サービス業者のスキーム、組合が事業者になるスキームの両方についてあらかじめ経済効果を試算して準備しておきましょう。
#2.一括受電導入を検討している場合は、その旨を早めに組合内で広報しましょう!
4月以降の小売の自由化に伴い、各組合員が地域電力会社以外の業者と個別に契約してしまうと全戸一括の同意書を取り付けることが事実上困難になるかもしれません。
一括受電導入が組合全体にとって有利と考えられるなら、各組合員に対してしばらくの間契約の切替えは保留してもらうよう広報しておきましょう。
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