マンション管理士|村上智史の「士魂商才」 

無関心な居住者が多いマンション管理組合に潜む様々な「リスク」を解消し、豊かなマンションライフを実現するための「見直し術」をマンション管理士:村上智史(株式会社マンション管理見直し本舗 代表)がご紹介します。

築20年超の小規模マンションも、戸あたり年間4万円のコスト削減!

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先日、現在当社がコンサルティング中の都内のマンション管理組合(築23年目・20戸)で総会が開催され、管理委託契約の条件変更について全会一致で承認されました。

 

そのため今秋以降、このマンションの管理委託費は現状比で約2割下がることになりました<なお、管理仕様は一切変更していません>

 

このコンサル案件の経緯ですが、

昨年夏に理事長さんが当社のセミナーに参加されたことを機にご相談を受け、       

       理事会にて業務メニューのご説明

             ↓

      「管理コスト適正化診断プラグラム」の受注

             ↓

     「マンション管理見直し隊」のご契約

 

と順調に進みました。

 

そして、今春から管理会社との交渉に着手して約2ヶ月をかけて交渉したところ、なんとか通常総会の議案上程に間に合ったというわけです。

 

先行して昨年末に実施した「管理コスト適正化診断プラグラム」では、管理委託契約のほかに「マンション保険料」と「電気料金」も診断するのですが、両方とも大きな削減余地があることが分かりました。

 

この2つについては、今年の3月に臨時総会が開催されすでに承認済みで、管理委託費に先行してコスト削減が実現しています。

 

1)マンション保険の見直し

日管連の「マンション管理適正化診断サービス」で診断した結果、組合の日常運営が適正と判断されて最高の「S」評価を獲得したため、日新火災の「マンションドクター火災保険」の保険料が大幅に割り引かれることがわかりました。

 

<参考記事> 

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

 現在加入している保険と同等以上の補償条件にもかかわらず、保険料が3割超下がるのです

 

その結果、コスト削減効果として年間8万円強享受することができました

 

2)共用部電気料金の見直し

こちらのマンションでは、新電力への切り替えをすでに実施していて若干のコストダウンは実現していましたが、小規模マンションに有効な「電子ブレーカーの導入」は未実施の状況でした。

 

しかしながら、現地調査した結果

電子ブレーカーの導入によって電気料金が間約9万円下がることがわかりました。 

 

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 電子ブレーカーの導入に際して約30万円かかりますが、「10年保証」がついているうえ、コスト削減効果によってその購入費を3年半で償却できるので、確実にお得です。

 

<参考記事> 

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

 

3)管理委託費の見直し

そして締めくくりは、管理委託契約の見直しです。

こちらは、相手方(管理会社)との交渉が必須なため、そう簡単にはいきません。

 

こちらの理事会としては管理会社のリプレイス(変更)までは希望していませんでした。

 

そのため、当社が診断して特に割高な金額だと判断した「エレベーター保守」、「消防設備点検」、「定期清掃」などを対象にビルメン会社から相見積もりも取り、確実に下げられることを相手に示しながら、プレッシャーをかけていきました。

 

その結果、管理会社も最後は観念して、当社の査定金額どおり約20%のコストダウンの成果を得ることができました。

 

ちなみに、このコスト削減による年間経済効果は 62万円強 です。

 

以上の「見直し成果」をまとめると、以下のようになります。

 

■ マンション保険料: 8万円/年

■ 共用部電気料金 :    9万円/年

■ 管理委託費   :62万円/年  合計79万円/年 ≒ 80 万円/年

 

住戸数(20戸)で割ると、戸あたり4万円/年の経済効果 となります。

 

こうした見直し成果は、一般的な分譲マンションであればまったく珍しくありません。

 

これまで一度も見直したことがない管理組合なら、必ず削減余地は見つかるはずです。

 

「高経年だから・・・」

「小規模マンションだから・・」と諦める必要はまったくないのです。

 

それほど、マンション管理には「見えないところのムダ」が潜んでいます

 

このムダを解消して、修繕積立金の負担増をなるべく回避しましょう!

 

<参考記事>

 

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

  

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

 

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

 

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ポスト「サイボウズLive」問題(その2) サイボウズに任意団体向けライセンスがあった!

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先日、「サイボウズLive」のサービスが来春終了することが決まったことに伴い、マンション管理組合が利用すべきグループウェアの後継候補として何があるかをご紹介しました。

 

<参考記事> yonaoshi-honpo.hatenablog.com

 

ところが、

記事をリリースした当日、ブログの読者で管理組合役員のTさんから以下のようなメールが届きました。

 

 ・・・・<Tさんからのメール>・・・・・・

いつもブログを楽しく拝見し、内容を参考にさせて頂いています。

 

本日のブログ(サイボウズLiveの代替)を読んで、お伝えしたいことがあったのですが、コメント欄がなかった為、メールにてお伝え致します。

 

当管理組合でも、サイボウズLiveは大変有用なツールとして使っており、

来年4月で終了になることはとても残念に思っておりました。

 

村上さんがご紹介のChatworkに加えて、チャット系ですとSlack等もお薦めですが、サイボウズOfficeがあるのをご存知でしょうか。

 

サイボウズLiveからのエクスポート/インポートにも対応していますし(完全ではありませんが)、使い勝手も良く似ています。

 

ビジネス用途で有料なのですが、NPO向けに「チーム応援ライセンス」というものが提供されており、年間約1万円で利用可能です。

 

マンション管理組合も、対象に入ります。

この1年委員会を中心に利用してきた当管理組合も、こちらへ移行する予定です。

 

有料もアリでしたら、選択肢に加えて頂くと良いかと思います。

 

・・・・・・

 

「えっ、ホンマかいな?」とさっそく調べてみたところ、下の記事を発見しました。

 

 

cs.cybozu.co.jp

この記事によると、

今年の4月16日から、特定非営利活動法人(NPO法人)と特定の条件を満たす任意団体およびチームを対象に、cybozu.comの各サービスを「チーム応援ライセンス」として 1サービス年額9,900円/300ユーザー(税抜)で提供を開始した と発表しています。

 

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本サービスの概要をまとめると、以下のようになります。

 

【1】目的

「チームワークあふれる社会をつくる」という経営理念のもと、業務効率化ツールへの投資が困難で、サイボウズ製品を利用したくとも財政的に導入が難しい団体やチームが、チームワークを深めることを応援するため。


【2】 適用対象

・特定非営利活動法人(NPO法人)
・以下の要件を「すべて」満たす任意団体

活動目的が明確、かつ非営利である代表者がおり、情報管理の責任者が明確である特定の法人の傘下もしくは管理下にない財務状態が管理されている

 

<対象となるチームのイメージ>

学校PTA、学生サークル(学校法人による契約を除く)
ボランティア団体異業種交流会、

社会人サークル(構成メンバーが単独の1社ではない)
同人サークル、マンション管理組合、自治会スポーツ少年団 など

 

【3】 適用の可否審査

個別の適用可否は、専用申し込みフォームからのお申込みにより判断

  

【4】 提供サービス

「cybozu.com」各サービスの上位コース 

■ kintone(スタンダードコース)
■ サイボウズ Office(プレミアムコース)
■ Garoon
■ メールワイズ(プレミアムコース)

 

【5】提供価格

1サービス 年額9,900円/300ユーザー(税抜)

 

※1チーム1ドメインまで本ライセンスを適用可能。

(2ドメイン目以降は通常価格)
※300 ユーザーを超える分については通常価格の適用。

 

 

「有償」とは言え、年間1万円程度の負担さえすれば300人まで利用可能ということなので、マンション管理組合なら十分検討できることでしょう

 

「サイボウズ」の継続利用を希望する管理組合さんは、早速このライセンスの適用を申請されることをお勧めします。

 

なお、サイボウズLive → サイボウズ Office 乗り換えセミナー(無料)も全国各地で予定されていましたので、ご参考に!

 

topics.cybozu.co.jp

 

それにしても腑に落ちない点が、ひとつ・・・。

 

こんなサービスを用意しているなら、「サイボウズLive」のサービス提供終了を告知した際に、なぜこの「チーム応援ライセンス」の選択肢もあることを教えてくれなかったのでしょうか?

 

とても不思議でなりません。

 

 

それはともかく、

Tさん、貴重な情報をありがとうございました!

 

 

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ポスト「サイボウズLive」問題 マンション管理組合で使えるグループウェアは?

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 マンション管理組合の運営で役立っているITツールは何ですか?

 

皆さんは、もっぱらメールをご利用なのでしょうか?

 

私の場合、自宅マンションはもちろん、顧問先の管理組合さんとの連絡あるいは情報共有のツールとして重宝しているのが、「サイボウズLive」です。

 

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 「サイボウズLive」の最大の長所は、無料で利用ができるうえに、理事会の運営に必要とされる下記のような機能が一通り揃っている点です。

 

1)掲示板投稿およびメール連携機能

2)イベント管理機能(理事会、総会等のスケジュール登録)

3)チャット機能(役員さんと個別にメールのやり取り)

4)アーカイブ機能(議事録や見積書等の書類を保管)

5)タスク管理機能

 

<参考記事> 

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

そんなとても便利な「サイボウズLive」なのですが、残念なことに

来年(2019年)の4月をもってサービスが終了することが決まっています。

 

この発表はユーザーにとっては結構衝撃的でしたが、

それではポスト「サイボウズLive」の候補はあるのでしょうか?

 

その有力な候補として、同業のマンション管理士さんから紹介してもらったのが、

チャット・ワーク」です。

 

go.chatwork.com

チャットワークは、各ユーザーが登録したうえで、特定のメンバー同士でグループを作成するしくみになっており、「LINE」に類似した使い勝手になっています。

 

「サイボウズLive」との機能比較でいえば、1)、3)、5)は用意されていますが、2)と4)については(少なくとも無料版は)具備していません

 

現在自宅マンションの管理組合で試験的に利用中ですが、最低限必要な機能が備わっているほか、スマホ用のアプリも別途用意されている点が評価できます

 

なお、もし「有料」でもよければ、Mcloud(エムクラウド)のようなサービスもあり、必要な機能一式が完備されています。

 

ただ、(ユーザー数に応じて)年間10~20万円以上の維持費がかかるので、無関心層の多いほとんどの管理組合さんにはややToo Muchな代物ではないかと思います。

 

しっかりと組織運営したいという熱意が旺盛な管理組合さんには向いているでしょう。

 

関心のある方は、ぜひ一度試してみてください。

 

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マンション修繕積立金の増額を提案しない管理会社は不誠実のきわみ

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先日開催したセミナーの後、ある管理組合の役員さんから個別相談を受けました。

 

ご相談の内容は、

現在、管理会社が長期修繕計画の更新を検討しているが、このままでも資金が足りるのだろうか?」ということでした。

 

<マンションの状況>

■3LDKタイプが中心の築20年超のマンション(全体:約150戸)。

■現在の修繕積立金の徴収額:戸あたり月額7千円。(竣工以来、増額改定なし)

■現在の修繕積立金残高:3億4千万円。

 

 

 もちろん、「全然足らないでしょうね」と即答しました。

 

30年間を1サイクルとみた場合に、分譲マンションの建物本体部分で専有面積1㎡あたり)月額200円(※機械式駐車場が附設されている場合は、さらに加算が必要)は必要とされています。<参考>国交省「修繕積立金ガイドライン」

 

たとえば専有面積75㎡の部屋なら、

30年間で540万円(=200円×75㎡×12月×30年)の積立金が求められるということです。

 

ところが、このマンションは戸あたり月額7千円の徴収のため、30年で252万円(=0.7万円×12月×30年)しか貯まりません。

 

つまり、必要な額の半分にも満たない。

 

一方、現在修繕積立金残高が3.4億円あるのですが、これを1戸あたりに換算すると227万円弱です。

 

したがって、今の貯金をベースに加算したとしても、

227+252=479万円 < 540万円 となり、

戸あたり61万円の資金不足となります。

 

仮に、この時点では「一時金」を各戸から徴収するか、金融機関等からの借入れで何とか危機を凌げたとしても、さらに深刻なのはこの後です。

 

まさか、築50年目でマンションを取り壊すわけにはいかないでしょうから、まだまだ修繕資金が必要です。

 

それを賄っていくには、毎月の徴収額を大幅に増額するのはもちろんのこと、戸あたり数十万単位で「基金」も拠出してもらう必要が出てくるでしょう

 

そうなると、将来の区分所有者に負担をつけ回しすることになりますから、マンションの資産価値にも負の影響が出るのは間違いありません

 

このマンションの長計を事実上作成しているのは、誰もが知る有名デベ系列の管理会社ですが、修繕積立金の増額改定を一切せずに20年間もやってきていると聞いて呆れるばかりです。

 

また、管理会社が長期修繕計画を作成する場合には「巧妙な操作」が行われることもあります。

 

どういうことかと言うと、多額の費用がかかる工事を「先送り」して計画期間の「対象外」としてしまうのです。

 

築35年目までの長期修繕計画をみたところ、国交省のガイドラインの目安に比べて10億円以上少ないためその原因を調べたところ、「築36年目」に給排水管やエレベーターの更新工事といった多額の修繕項目がこぞって後送りされていたのです。(下記記事参照)

 

<参考記事>

  

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

 

素人集団の管理組合がチェック能力が脆弱なことに付け込んで、いい加減な計画を作成してお茶を濁すというケースもあることが最近分かってきました。

 

マンション管理組合にとって「無関心」と「管理会社への丸投げ」は厳禁。 

必要なのは、「基礎知識の習得」と「セカンドオピニオンの導入」です。

 

 

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東京都がマンション管理組合の運営状況の報告を義務化!?

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13日付けの日経新聞に、「老朽マンションの情報一元管理、小池知事が所信表明」という記事が掲載されていました。

 

www.nikkei.com

記事の要約は以下の通りです。

・・・・

■ 東京都の小池知事は都議会の所信表明の中で、マンション管理組合に耐震診断の結果などの報告を義務付ける条例を制定する考えを示した。マンションが集中する都内で、行政が踏み込んで老朽化の情報を一元管理する全国に先駆けた試みとなる。

 

■ 都内には分譲マンションが約5万3000棟ある。このうち、まず管理組合について明確な規定がなかった1983年以前に建設された6戸以上のマンションで報告を義務化する方針。約1万4000棟が対象となる。

 

■ 小池知事は、老朽マンションについて「管理組合の機能を強化し適正管理を進めるため、条例化も視野に対策を講じる」と表明した。有識者らの検討会などを通じて条例案を詰め、18年度中の議会提出、成立を目指す

 

■ 条例は管理組合などを対象に、これまで必要なかったマンションの管理状況の報告を義務付けるのが特徴。都の案では、修繕積立金の状況や大規模修繕工事の有無、耐震診断の結果や空き住戸の割合などを報告させる方向。

 

■ 施行後の報告状況を見ながら対象マンションを拡大する。例えば、築40年以上経過したマンションを、義務化の対象に順次追加する案が浮上している。

 

■ 管理組合には新たな負担が生じることになる。ただ、報告ができない管理組合が多数出ることも予想される。都は未報告のマンションには督促や指導を行い、同意を得て必要な調査を実施する考えで、罰則は設けない方向

・・・・・

 

今回、都が管理組合に報告を義務付ける対象としたのは、「管理組合の法的定義がない1983年以前に建てられた約4分の1の物件が対象」としています。

 

この「1983年以前」の意味するところは一体何でしょうか?

 

これは過去の法改正と関係しています。

 

分譲マンションのようないわゆる区分所有建物は、通常の建物に比べて所有関係が複雑で、区分所有者相互の利害関係を調整する必要性が高いため、民法の特別法として「区分所有法」が1962(昭和37)年に制定されました。

 

これにより、専有部分・共用部分・建物の敷地に関する権利関係の明確化が図られ、規約・集会に関する法制度が整備されたわけです。

 

しかし、その後分譲マンションが急速な普及に伴い、管理運営に関するトラブルが生じたり、不動産登記事務が煩雑になるなどの問題点が生じたので、1983(昭和58)年に区分所有法が大幅に改正されました

 

この改正の際に、区分所有者が当然に管理組合を構成すること、集会での多数決主義、建替え制度、敷地利用権と専有部分の一体化などが定められたのです。

 

その具体的な規定は1983年の改正によって新設された「第3条」にあります。

 

 ・・・・・

区分所有法<第3条>

区分所有者は,全員で,建物並びにその敷地及び附属施設の管理を行うための団体を構成し,この法律の定めるところにより,集会を開き,規約を定め,及び管理者を置くことができる。

・・・・・・・

 

この規定によって,以下の3点が新たに明確化されました。

①マンションなどの区分所有建物における区分所有者団体(=管理組合)は,区分所有建物の存立とともに自然発生的に「当然に」構成されること

 

②その区分所有者団体は,区分所有者の「全員で」構成されること

 

③区分所有者団体は,区分所有建物並びにその敷地及び附属施設を管理するための「財産管理団体」であること

 

言い換えれば、「1983年以前」に竣工したマンションの中には、当時の事情から管理組合が設置されていない「既存不適格」のケースもあるということです。

 

そのため、マンション内に管理組合が設置されて定期的に総会が開催されているか、あるいは管理費や修繕積立金の管理が適正になされているかを行政側も今後は確認したいということです。

 

さらに、「1983年以前」に竣工したマンションのほとんどは、旧耐震基準の建物であるという問題もあります。(建築確認済証の交付日が1981(昭和56)年6月1日以前の建物は、旧耐震基準のため)

 

そのため、耐震診断の結果などの報告を管理組合に義務付ける条例を制定するという動きになっていると思われます。

 

この記事で驚いたのは、「高齢化」が進んでいる都内マンションの実態です。

 

1983年以前の竣工とは「築35年」以上となりますが、すでに都内のマンションの4分の1を占めているということです。

 

不動産のリスクといえば、昨今空き家問題が全国的に顕在化していますが、

分譲マンションの老朽化対策や管理不全の問題への対応なども取り組むべき課題として行政が将来直面するのは確実です。

 

一歩ずつ、確実に、なすべき施策を実行してもらいたいものです。

 

 <参考記事>

 

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

 

yonaoshi-honpo.hatenablog.com  

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

  

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「民泊」をテコにリゾートマンションを再生できるか?

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6月15日に住宅宿泊事業法(民泊新法)が施行されると、いよいよ分譲マンションでも民泊事業を行うことが法的に可能になります。

 

しかし、本年2月のマンション管理業協会の発表によれば、マンション管理組合で民泊容認を決議したのは1%以下とのことです。

 

minpaku-univ.com

そんな中、新潟県湯沢町のリゾートマンション「エンゼルリゾート湯沢」の管理組合の総会において、「住宅宿泊事業(民泊)制度導入に関する議案」について賛成多数で可決したという記事を見かけました。

 

prtimes.jp

このマンションの管理会社である株式会社エンゼルが住宅宿泊管理業者に指定され、建物管理に加えて民泊の管理も同社が手掛けることになったとのことです。

 

同社の広報によれば、

安心してワンストップで民泊を行える仕組み」を提供することによって、マンションの「資産価値の向上」と「管理運営の健全化」を実現したいとのことです。

 

 

湯沢町のリゾートマンションの多くは80年代後半〜90年代前半のいわゆるバブル期に建設されましたが、築20年以上が経過したことで建物設備の老朽化や、定住者・リゾート利用者の減少、管理費の滞納などの課題を抱えています。

 

<参考記事>

 

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

 

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

  

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

 

そのため、民泊制度の導入をテコに管理組合の財政状況の改善を通じてマンションの資産価値向上を目指すということです。

 

住宅宿泊事業法では、現に居住されていない住宅で民泊を行う場合には、住宅宿泊管理業者へ管理を委託することが事業者(=区分所有者)に義務付けられています。

 

そのため、この管理会社が住宅宿泊管理業者も兼ねることになったのです。

 

同社のホームページを見ると、リゾートマンションのオーナー向けに民泊利用に関するフィージビリティスタディからリフォームの企画立案、民泊物件紹介サイトへの登録、利用者の予約管理、カギの受け渡し、部屋の清掃まで一貫して受託する体制を提供できる体制をアピールしています。

 

リゾートマンションの場合、別荘として利用する期間以外は空き部屋となるため、民泊の収益でオーナーが潤うことが可能になれば、期待収益の向上を通じてマンションの資産価値増加につながる余地が出てきます。

 

また、民泊事業の管理もオーナーから請け負うことによって、管理費等の滞納が発生した場合には民泊の収益を差し押さえることで回収しやすいという利点もあると思われます。

 

したがって、本スキーム自体は民泊事業である区分所有者にとっても安心なしくみと言えるもので、とても良いと思います。

 

一方、懸念されるのは民泊ビジネスの成否です。

 

京都や箱根といった安定的な旅行ニーズが期待できるエリアならまだしも、湯沢町で民泊需要がどこまで期待できるのか?

 

機会があれば、今後の進捗も教えて欲しいところです。

 

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いまだにビジネスとして確立していない「マンション管理士業」の実態

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公益財団法人「マンション管理センター」が、昨年末に実施したアンケートによって調査したマンション管理士の活動状況の結果を6月1日に公表しました。

 

調査結果の概要は、以下の通りです。

■ アンケート回収数
 約5,560名

 ※ 2015年度末時点の登録者数(約2万3千人)の約4分の1

 

■ 回答者の年齢分布
 最も多いのが、60代(34%)で、50代(27%)が続く

 

■ 回答者の居住地
 関東地方(53%)が最も多く、近畿地方(20%)と合わせて全体の7割強

 

■ 回答者の職業

 会社員(34%)が最も多く、その過半数がマンション管理会社(20%)に勤務
 一方、マンション管理士専業は「5%」とかなり少数派。

 

■ マンション管理士以外の保有資格
 回答者の約8割が、「管理業務主任者」と「宅地建物取引士」の資格を保有

 

■ マンション管理士としての活動状況
  ■ 本業として活動中:  5%
  ■ 副業として活動中:  8%
  ■ 活動経験なし  : 76%

 

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■ 過去1年間の売上高(本業として活動している回答者:約300名)
 ■ 1〜4百万円   :30%
 ■ 4百万円以上   :19%(うち1千万円以上:5%)

 

マンション管理士という国家資格が誕生したのが、2001年(平成13年)。

 

今年で18年目を迎え、すでに累計2万人以上の資格保有者がいるにもかかわらず、このライセンスが有効に活用されていない実態が明らかになりました。

 

全国に600万戸超の分譲マンションという「大きな市場」があるにもかかわらず、マンション管理士は、いまだ管理組合にその存在が「受け入れられていない」わけです。

 

この原因は、どこにあるのでしょうか?

 

本アンケートの調査では、回答者から以下のような自由意見が寄せられたようです。

 

1)管理組合や区分所有者からの認知度が低いので広報の取り組みが必要

2)宅建のように「業務独占」型の資格に改めるべき

3)資金不足に悩む管理組合のために、マンション管理士の派遣に助成が必要

 

 1)はその通りなのですが、一体それは「誰の仕事」なのでしょうか?

 

今は、インターネットも普及し、何でもスマホで検索できるようになりました。

マンション管理士自身がSNS等も活用しながら日々発信していく努力が必要です。

 

2)については、弁護士や公認会計士といった、伝統的な名称独占型士業の動向を見ればわかるように、「もはや資格さえ取れば安泰」という時代ではありません

 

今や、食えない弁護士さんもあまたいることを認識すべきでしょう。

 

3)については、確かに財政面で苦しい管理組合もありますが、マンション管理士の顧客対象はそれだけではないはずです。

 

一見健全そうにみえる管理組合でも、必ず「潜在的なリスク」をいくつか抱えていて、それをコンサルティングによって回避することが可能だと考えています

 

<参考記事>

note.mu

問題なのは、

顧客である管理組合自身がそのリスクに対して「認識が低い」か、もしくはそれを認識していても自らの問題として向き合わずに「先送り」しがちなことにあります。

 

そして、私が日々このブログで情報発信をしているのは、

管理組合が抱える様々なリスクに対する「気づき」を与えるとともに、「解決のヒント」を示すためです。

 

 

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