世直し本舗|村上智史の「士魂商才!」 

無関心な居住者が多いマンション管理組合に潜む様々な「リスク」を解消し、豊かなマンションライフを実現するための「見直し術」をマンション管理士:村上智史がご紹介します。

高経年・小規模でもマンション管理委託費は下げられる!

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先日、現在「マンション管理見直し隊」のコンサルティング契約をしている都内の管理組合で総会が開催され、管理会社との委託契約の変更が承認されました。

 

yonaoshi-honpo.co.jp

このマンションは築30年超の小規模物件(全9戸)です。

 

竣工当初から、大手マンション管理会社が受託していますが、管理委託契約書を拝見したところ、このマンションの規模に対して「事務管理費」が非常に高額であることが分かりました。

 

この事務管理業務とは、

管理費等の出納会計、組合経費の支払い代行、会計収支の調定、年度決算案の作成といった組合経理業務のほか、理事会・総会の運営支援、維持修繕業務の企画立案などの基幹業務を指します。

 

管理会社が原則として外注せずにインハウス(自社)で行う業務のため、粗利益率が高いとされています。

 

しかも、組合運営の状況を理事会に確認したところ、

理事会は毎期編成されているものの、理事会は定期的に開催されておらず、

決算理事会と通常総会の2回しかないのが通例となっていることがわかりました。

 

そのため、特に事務管理費の削減余地が大きいと判断し、理事長名で

管理会社に管理委託契約の見直しと再見積もりを要請しました。

 

すると、事務管理業務については

現在と同じ仕様なら事務管理費を21%減額する」との回答がありました。

 

それに加えて、

以下のとおり仕様を変更するなら、47%減額する」という提案も受けました。

 

【仕様変更案】

            <現在>     <将来> 
■ 理事会への出席    無制限    ➡︎ 年4回程度を想定
■ 外観目視点検     毎月実施   ➡︎ 年4回の実施

 

【オプションメニューの追加】


                                          <現在>    <将来> 
■ 規約改正案の作成    無償    ➡︎ 85,700円
■ 新細則案の作成     無償    ➡︎ 52,200円
■ 滞納者の居住状況調査  無償    ➡︎ 12,300円
■ 修繕資金借入の書類作成 無償    ➡︎ 12,100円

 

まず、仕様変更案については、

現在の理事会運営の実情が反映されていますし、外壁や屋上防水等の修繕も計画的に実施されている状況から、毎月頻度で目視点検を実施する必要性は低いと判断できるため、理事会としてこれを受け入れる方針としました。

 

一方で、オプションメニューの追加については

管理規約や使用細則の作成業務が別途有償になると定額委託費を減額してもらう意味合いが小さくなるため、すべて削除するよう管理会社に再検討を求めました。

 

その結果、オプションメニューの追加については組合側の要望通り撤回され、

事務管理費は従前比で48%減額してもらえることで決着しました。

 

そして、他の設備点検費用などの減額を含めて

管理委託費全体で従前比28%(年間 税込90万円)のコストダウンとなりました。

 

住戸あたりで換算すると、なんと年間10万円の経済効果になります。

 

なお、当日総会に出席した組合員の方から、

「管理費を値下げして還元してほしい」との要望が挙がりました。

 

ただ、こちらの管理組合には現在有効な長期修繕計画がありません。

 

これまでの修繕履歴を反映した新たな修繕計画を作成したうえで、

長期的な資金需要を確認しないと管理費減額が可能か判断がつきかねます。

 

管理コストの適正化は実現したものの、組合運営の適正化はまだ道半ば・・

引き続き、組合運営をサポートしていきます!

 

 <参考記事>

 

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

 

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【理事長のギモン】管理会社は保険金請求の事務代行をしないのか?

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顧問先のマンション(50戸・築13年目)では、昨年春から始まったコンサルティングの結果、管理委託費の適正化やLEDの導入が実現し、今後年間約4百万円の剰余金が生じることになりました。

 

それに伴い、この剰余金の振替えを目的として、駐車場使用料収入のうち4割強を今後修繕積立金会計に計上する方針を理事会で決議しました。

 

しかしながら、この剰余金をもってしても、現状の修繕積立金の水準(月額120円/㎡)では長期修繕計画で求められている資金需要に対して大きな不足が生じることが明らかでした。

 

そのため、早期に修繕積立金を増額することも不可欠ということで、現状比2倍増で次回の総会に議案を上程することになりました。

 

さて、修繕費を除いて、管理委託費、電気料金に次ぐ大きな固定費とは何でしょうか。

 

それは、マンション共用部を対象とする損害保険料です。

 

このマンションでは、マンション管理適正化診断サービスを実施したところ、最高評価「S」が受けられたため、保険料が現状比で2割強下げられることが分かりました。

 

yonaoshi-honpo.co.jp

そのため、現在の契約(5年)をなるべく早く中途解約し、新たにマンションドクター火災保険に加入することをお勧めしました。

 

ところが、そこで思わぬ問題が出てきました。

 

というのも、

現在の保険代理店でもある管理会社のフロント担当者が以下のような主張をしてきたからです。

 ・・・・・・・・・・・・・・・

【フロント担当者の主張】


(1) 当社が保険代理店から外れた場合、現場写真の撮影や事故報告書の作成、ならびに保険金請求の事務は行わない

 

(2)管理会社が事務管理業務として行う業務は、マンション保険契約の締結や更新にかかる事務手続きに限られる

・・・・・・・・・・・・・・・・

 

それによって、

理事会も「代理店の変更を行った場合、今後組合側の手間が増えるのではないか」と躊躇することになってしまったのです。

 

それでは、管理会社による(1)・(2)の主張を検証してみましょう。

 

このマンションでは、 国交省の標準管理委託契約に準拠した管理委託契約書を使用しています。

契約書に記載されている事務管理業務の説明の中で、「契約事務の処理」という項目があり、「管理組合が行うべき損害保険契約に係る事務を、組合に代わって行う」と記載されています。

 

たしかに具体的な事務の範囲・内容までは言及しておらず、保険金請求事務を行うのかどうか明らかではありません。

 

ただ、この管理会社が受託している他のマンションで、保険代理店から外れたケースも知っていますが、このような主張は一切なされませんでしたし、その後も保険金請求の事務は当たり前のようにとり行われています。

 

その事実も件の担当者に伝えたのですが、

「ウチの支店ではそんなことはしていない」の一点張りでした。

 

そのため、本件についてマンション管理会社の所管団体である「一般社団法人マンション管理業協会」の相談窓口にヒヤリングしたところ、口頭で「標準委託契約で定められた損害保険契約における事務には、保険金請求の代行業務も当然含まれます。」という回答を得ました。

  

さらに、

当社が独自に入手した標準管理委託契約に準拠しない契約書も確認してみました。

 

その結果、大手同業他社の契約書では、下記の通り損害保険の契約に関する事務手続きとして「保険金請求事由が発生した場合の請求に関する事務手続きも補助する」と明記されており、マンション管理業協会の回答内容と符合していました。

 

そのため、理事会の場で、この担当者に対して管理会社として保険金請求の事務を行わない方針は本当に間違いないのかを確認するよう要請しました。

 

後日、その担当者の上席であるマネジャーから連絡があり、本件の事情の詳細を説明したところ、保険事故に関する示談交渉は行わないが、現場写真の撮影、事故報告を含む保険金請求事務については事務管理業務の範囲で行う、という回答が得られました。

 

したがって、今回の管理会社の主張は、一フロント担当者の「勘違い」だったことが明らかになったわけです。

 

ちなみに、このベテランのフロント担当氏ですが、

管理業務主任者に加えて、マンション管理士の資格も保有しています。

 

いくら国家資格を持っていても、その実力のほどは・・・というわけです。

 

 <参考記事>

  

yonaoshi-honpo.hatenablog.com 

 

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マンション管理セミナー<4月度>のお知らせ

4月度 マンション管理セミナー」を開催いたしますので、下記の通りご案内いたします。

  

先着10名様のお申し込みを受け付けております。どうぞお早目にご応募ください。

【日時・会場】

平成31年 4月 20日(土) 

13:30~15:00

 

LEAGUE 地下1階 ミーティングスペース

東京都中央区銀座3-11-3

東京メトロ「東銀座」駅歩2分 「銀座」駅歩5分 

 

 

 

【参加料金】

 お一人様  2,000円(税込) 

※ ただし、下記のいずれかの条件に該当する方は「無料」とさせていただきます。

初めて弊社セミナーに参加される方

弊社に個別にご相談いただける方

 

 セミナー後の個別相談をお申込みの方には、もれなく弊社代表の著書「マンション管理見直しの極意」を進呈いたします!

 

【内 容】

1. 講 演 

管理コストを3割削減するための見直し術

これまで弊社のコンサルティングによって大幅なコスト削減を実現した事例を紹介しながら、その費用項目ごとに効果的な見直しポイントを解説します。

【内 容】

ポイント1】 管理人の勤務体制と業務内容


最も多く見られるのが、管理員の勤務時間が過剰なケースです。また、その業務範囲も物件の特性によって違いが見られます。

ポイント2】 各種共用設備保守点検の契約


エレベーター、消防、機械式駐車場など各種共用設備の保守点検費用は管理組合側には相場観がないため、メスが入りにくいテーマです。

ポイント3】 遠隔監視&緊急対応費用

 

設備保守点検と同様に相場観が掴みづらい項目ですが、そのため割高になりがちです。

ポイント4】 事務管理費などの管理会社経費

 

管理会社によって提示金額が異なりますが、物件の規模に応じたで適正な市場価格がわかります。

【講 師】 村上 智史(弊社代表取締役)

 

2. 個別相談会(※希望者のみ)

貴マンションの管理委託費を簡易診断させていただきます。(無料)その他、管理会社の変更や大規模修繕、高圧一括受電、省エネ対策などのご相談も随時承ります。

 

【お申込み方法】

弊社サイトの問合せページから「セミナー参加希望」と明記のうえ、お申し込みください。 

  

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リプレイスでも下がらなかった機械警備費用がいきなり半額になったワケ

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都内の顧問先のマンション(築15年目)で、来月臨時総会が行われることになりました。

議案は以下の2件です。

(1) 集合インターホンの更新工事実施の件

(2) 管理委託契約変更の件

 

実は、この2つの議案は表裏一体の関係にあるのです。

 

そもそもの発端は、昨秋からインターホンの不具合が頻発し始めたことにあります。

 

そのため、このマンション全体の械警備(遠隔監視)を受託している大手警備会社が集合インターホンの更新を提案してきました

 

ここで、ひとつ素朴な疑問が生じますね。

なぜ警備会社がインターホンの更新を提案してくるのでしょうか?

 

それは、マンション竣工時に設置された集合インターホン一式が、警備会社からOEM供給された製品だからです。

 

実はこのマンションでは、リプレイスで管理会社が昨年変わったばかりです。

 

その際に、管理委託費が全体として従前比15%下がったのですが、警備委託費についてはまったく下がりませんでした。

 

管理委託契約書には、機械警備の業務内容として、以下のような仕様が記載されています。

■ 共用部の各種設備の異常信号の受信と緊急対応

■ 専有住戸内の非常通報、火災警報、侵入情報の受信と緊急対応

 (いわゆるホームセキュリティ業務)

 

この警備費用が管理会社をリプレイスしても下がらなかったのは、再委託先である警備会社の変更が事実上できなかったからです。

 

このマンションにおけるホームセキュリティでは、

警備会社が住戸毎に個別に異常信号を監視できる仕様になっています。

 

しかし、警備会社を変更すると、その仕様を維持できないことがわかりました。

 

それは、警備会社がOEMで販売した集合インターホンに、同業他社では個別に信号を受信できないような構造になっているからです。

 

そのため、警備会社のリプレイスがしにくいという「弱み」から、委託費減額を要請しても受け入れてもらえないという事情があったのです。

 

ところが、

ここで管理組合にとって「千載一遇」のチャンスが巡ってきました

 

集合インターホン設備をメーカーから直接購入のうえリニューアルすれば、警備委託先のリプレイスが可能になり、競争原理を導入できるからです。

 

この「カラクリ」を理事会に説明したところ、

インターホンと警備会社の相見積もりを同時進行で進めようということになりました。

 

その結果、機械警備の委託費が現状比で4割以上下がることがわかったため、警備会社をリプレイスする方向でほぼ決まりそうな状況になりました。

 

しかし、ここで思わぬ展開が起きました。

 

管理組合の動きを知った現在の警備会社が、土壇場になって驚くべき提案をしてきたのです。

 

その提案とは、現状と同じ仕様のまま委託費を半額にするというものでした。

 

これを知った同業他社は、「さすがにこれ以上は無理です・・」とギブアップしてしまいました・・。

 

管理組合としては、15年に一度しかないインターホンの更新機会を最大限に活用することができたので、まさに「してやったり」という気分だったでしょう。

 

また、機械警備費も定価の半額にしてもなお利益の出るビジネスモデルだったことが図らずも明らかになったわけで、警備会社もマンション管理会社と同様だと考えた方が良さそうです。

 

ちなみに、このマンションでは、機械警備と同様に競争原理の導入で

インターホンの工事費も修繕計画比4割ダウンで発注できることになり、数百万円もの節約ができました。

 

めでたし、めでたし!

 

<参考記事>

 

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マンション管理組合も対象に!「助成金」で賢く節約する方法

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現在改修工事を検討しているマンション管理組合から伺った話ですが、東京都ではLEDの導入工事について工事費について助成金がもらえるようです。

 

たとえば、

東京都千代田区のサイトページには、以下のような案内がなされています。

www.city.chiyoda.lg.jp

その概要をまとめると次のようになります。

助成対象

対象経費の20%相当額

ただし、助成額は住戸数に応じて上限あり。

(~100戸:100万円、101~200戸:200万円、201戸~:300万円)

 

申請者要件

マンション共用部の場合、マンションの管理者または管理組合等

 

区への提出書類

・省エネ改修等に係る総会での議決書の写しまたは、これに代わるもの
マンション共用部設備改修計画概要書(区所定の書式)
LED照明電力等削減見込量計算表(区所定の書式)

 

申請の流れ

(1)助成金交付申請書と必要書類を区に提出する。区は、受付・審査を行い、審査結果を郵送。
(2)申請者は、決定通知を受領後に、工事を開始する。
(3)工事および支払終了後に工事完了報告書と必要書類を提出する。区は、審査を行い、助成額を確定する。
(4) 申請者は速やかに助成金交付請求書を提出する。区は、交付請求書受領後に助成金を振り込む。
(5) 申請者は工事前後1年間の電気・ガス等の使用量を記録し実績報告書を提出する。

 

要するに、<あくまで千代田区のルールによると、ですが>

総会にてLED工事の実施について承認の決議を得ることがまず先決です。

 

そのうえで、所定の書類とともに総会議事録(署名後の写し)を区の窓口に提出し、区の審査を受けます。

 

審査の結果、助成が確定した後にLED工事を実施します。

 

工事の完了とともにその費用を精算した後、工事完了報告書等を区に提出し、助成額が確定したら助成金交付請求書を提出します。

 

この請求書の受領後、区から助成金が振り込まれるという流れです。

 

ちなみに、平成30年度についてはすでに受付が終了しています。

 

そのため、今後の申請をお考えなら、本年4月以降に平成31年度の予算措置が同様になされたか、(マンションが所在する行政官庁の)サイトで確認されるとよいでしょう。

 

また、担当行政官庁によって、助成額や申請手続きなども多少違うようです。

 

なお、当該年度の予算が消化され次第、申請受付は終了となってしまうため、なるべく早めの申請をお勧めします。

 

 <参考記事>

  

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

  

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

 

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

 

           f:id:youdonknowwhatyoulove:20180907095250g:plain

 

 

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なぜマンションの「個人賠償責任補償特約」はわかりにくいのか?

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2月19日付の「INSIGHT Now」という情報サイトに、マンションの「個人賠償責任保険」の不思議という記事が掲載されていました。

 

www.insightnow.jp

大変興味深い記事なので、ご紹介しましょう。

 以下は、記事の要約です。

 

■ マンション共用部の損害保険には、火災保険等とともに「個人賠償責任補償特約」が付帯されているのが一般的だ。

 

■ ある管理組合で、マンション総合保険の中の「個人賠償責任補償特約」が大幅値上げになることが話題になり、出席者から「なぜ管理組合が入らなければいけないのか?」という質問が挙がった。

 

■ この質問に対して、以下の通り理事は回答した。

「マンションの階上の人が漏水事故を起こしたために下の人が被害を受ける場合、階上の人に損害賠償義務が発生する。その際、加害者が保険に入っていないと(資力がなく)賠償できないケースがある。そのため、被害者は泣き寝入りを強いられることがないよう管理組合で保険に入っている」

「この特約は、水漏れに限らず、例えば子供が外で自転車事故を起こして他の人にケガをさせたりするなど、いろんなケースもカバーされる。」

 

■ この回答に対してさらに質問がなされた。

「この保険は、マンション外で起きた事故もカバーするようだが、マンション内の事故だけに限定にすれば保険料を安くできるのではないのか?」

 

■ この質問に対する理事の回答は、

「どの保険会社も横並びで、マンション内の事故だけをカバーするような保険または保険特約は無い」とのことだった。

 

■ さらに、以下の回答が加わった。

この保険特約がカバーするのは、居住者だけ。居住していない区分所有者はカバーされないそうだ。管理費を通じて間接的に保険料を支払っている『このマンションに住んでいない区分所有者とその家族』は、このマンションに来た時に何か事故を起こしてもこの保険でカバーされないけど、管理費を支払ってもいない『借りているだけの居住者』は外で事故を起こしてもカバーされる

 

■ 「それって一体、本当は何のための保険なんですか?」と質問者は呆れて、出席者一同も釈然としない雰囲気になった・・。

 

共用部における様々な損害等に伴う経済的リスクをカバーするために、管理組合が加入するマンション保険は、下記の通り「基本3点セット」と地震保険で構成されています。 

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「施設賠償責任補償」は共用部、「個人賠償責任補償」は(主として)専有部にそれぞれ起因する偶発的な事故で他人の身体や財物に損害を与えた場合に保険の適用が受けられます。

 

マンションで実際に発生する保険事故の約7割は、漏水事故だと言われています。

 

そして、この「施設賠償責任補償」と「個人賠償責任補償」という2つの補償が、専有住戸内の漏水事故が発生した際に役立つのです。

 

たとえば、共用部の給・排水管に起因する漏水と判断されれば、「施設賠償責任補償」の特約を適用できます。

 

一方、居住者の不注意等で他の住戸に漏水が発生した場合は、管理組合として責任を問われることはありません。加害者である居住者が被害者に賠償責任を負うことになります。

 

しかしながら、多額の賠償を求められた際に、加害者側が何ら保険に加入していないためにいつまでも解決せず、被害者があきらめて泣き寝入りすることになる場合もあります。

 

そこで、被害者の早期救済を目的に一般個人でも加入できる個人賠償責任保険をマンション保険の主要な特約として付帯することが一般的になったのです。

 

しかし、ここで別の悩みが生じます。

 

それは築年数の経過にしたがって、マンション保険料の負担が増えるということです。

<築年数の経過 → 設備の経年劣化 → 漏水等事故の増加 →  保険料の増額>

 

また、冒頭の記事の説明の通り、

個人賠償責任補償は、マンション外で発生した事案についても適用されます。

 

そのため、経済的負担が増えてくると「マンション内で発生した事故に限定して補償範囲を狭めれば、保険料が下げられるのではないか?」という疑問が生じるのも無理はないかもしれません。

 

ただ、個人賠償責任補償は、「既存の保険を便宜上特約としてマンション保険にくっつけた」という経緯から、そもそもマンション内の事故に対象を限定するという発想がなかったのだと思われます。

 

最後に、重要な指摘をしておきます。

個人賠償責任補償の特約が適用できるのは、区分所有者もしくは居住者です。

 

したがって、冒頭の記事では「居住していない区分所有者は補償の対象外になる。管理費を通じて間接的に保険料を負担しているのにおかしいのでは?」というくだりがありますが、その理解は正しくありません。

 

具体的に言えば、補償対象者は以下の通りです。

区分所有者本人(居住要件は不要

■ 現に居住している区分所有者の家族(=居住者)

■ 現に居住している賃借人とその家族(=居住者)

となります。

 

<参考記事>

suumo.jp

 

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

 

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「寿命100年時代」に対応できるマンション管理をめざせ!

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2月14日付けの日経ビジネス(電子版)に、「増え続けるマンション、戸数追わない経営を」と題する記事が掲載されていました。

 

business.nikkei.com

本記事の要約は以下の通りです。

■ 2018年にはマンションの発売戸数が増えたが、厳しい先行きを暗示する数字が並ぶ。しかしながら、大手不動産会社の供給意欲は依然として強い。


■ 日本の住宅着工戸数は年間94万戸(2018年実績)ある一方、5年前の統計ですでに820万戸の空き家が確認されている。

 

■  首都圏でも外壁が剥がれていたり、管理組合が消滅していたりする物件が発生している。こんなに新築物件を造って大丈夫なのか。


■ 首都圏のマンションについては、販売開始月の契約率は平均62%と、バブルが崩壊した年に次ぐ低水準で、売行き好調とはいえない。


■ 今のままマンションが増え続けたら将来はどうなるか。都心や駅近といった人気の地区を除いて居住者が減って管理が行き届かなくなる。

 

■人口減の影響は既に表れており、東京都の調べではマンションの管理組合がない物件は6.5%、長期修繕計画がなく作成予定もない物件も14.1%に上る。

 

■ 都は組合や管理規約の有無を提出させ、届け出がなければ指導したり、マンション管理士が運営の相談に乗ったりする条例案を検討している。行政が乗り出すほかないほどに築年数が経過したマンションの管理問題は切実になっている。

 

■ 修繕積立金を少なく設定する販売優先の物件も散見される中、特にタワーマンションも大規模修繕を続けられるかという点で不安が大きく、将来の建替えもハードルが高い。


■ 資材や労務費の高騰で新築物件の開発条件が悪化している中、デベロッパーが業態を転換しようとする動きが広がるなら好ましい。


■ だぶつく住宅がどのぐらい取り壊されるかの見通しに応じて、行政が新築を認めるという「住宅ストックの総量管理」の導入を提唱する考え方もが出ている。


■ このアイデアは、新築が増やせないため中古住宅の活用が始まる意味で検討の価値がある。

 

■ 建築技術が進歩した今のマンションはしっかりと管理と修繕ができれば、100年使えると言われる。また、中古市場が活発になって資産効果が高まれば、持ち家取得が可処分所得を圧迫して個人消費を抑え込むという弱点を解消できる。

 
■ バブル崩壊後の日本は景気対策として減税の恩恵を絡めた住宅の新築を促してきたが、その効果は逓減している。中古住宅が適正に評価される市場を整え、取得を後押しする制度を備えるべき時期が迫っている。

 

 わが国の場合、不景気になった際の政府の経済対策一つとして、新築マンションの購入にかかるローンの税額控除を10年間認めるなど、税制上の優遇措置を設けることが常套手段になっています。

 

そのため、住宅を借りたり、中古マンションを購入するよりも新築住宅を取得する方が「お得感」があると感じるように誘導されているわけです。

 

しかし、すでに人口減少トレンドが明らかなのに、新築住宅の供給に依存した経済対策も依然として見直される気配がありません。

 

今後需要が減るのに供給量が減らなければ、現状でも平均13%を超える空き家率はさらに悪化の一途をたどることは誰でも予想がつきます。

 

そのため、住宅ビジネスは今後中古ストックの有効活用に軸足を移さざるを得なくなるでしょう。

 

そうなると、マンションもいかに長期的に維持管理していくかがますます重要なテーマになることでしょう。

 

人間と同様、マンションも

「寿命100年時代」を目指す管理の仕組みをいかに構築していくかが求められているのです。

 

 <参考記事>

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

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