マンション管理士|村上智史の「士魂商才」 

無関心な居住者が多いマンション管理組合に潜む様々な「リスク」を解消し、豊かなマンションライフを実現するための「見直し術」をマンション管理士:村上智史(株式会社マンション管理見直し本舗 代表)がご紹介します。

ご存知ですか?マンション大規模修繕工事の資金を「無利子」で調達する方法

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都内のワンルームマンション(築16年目)では、2年前に「第三者管理」に変更となり、現在マンション管理士である私が理事長を務めています。

 

この7月に、このマンションで1回目の大規模修繕工事が竣工したのですが、資金繰りで苦労したので、その体験談をご紹介します。

 

この大規模修繕工事のために3千万円の負担を強いられることになりました。

ただ、このマンションには繰越剰余金が1千万円強しかありませんでした。

 

また、築15年を超えると、大規模修繕以外にも、給水ポンプ、集合インターホン、消防設備、照明器具といった各種共用設備の耐用年数に到達し、そろそろ更新が必要な時期を迎えます。

 

それを考えると、一定の剰余金を確保しておく必要もあるため、結局大規模修繕費用全額に近い資金を外部から調達する必要があることがわかったのです。

 

では、どこから調達するのか?

 第1候補は、住宅金融支援機構です。

 

支援機構には、「マンション共用部分リフォーム融資」という商品があり、

最長10年間(原則)の無担保融資が受けられます

 

www.jhf.go.jp

借入金利も現時点では、年利0.55%と、非常に低い水準です。

<なお、支援機構の発行する債券(=マンションすまい・る債)を保有している場合は、0.2%引下げの優遇が受けられます。>

 

ただし、融資を受けるには、以下のとおり「一定の条件」を満たす必要があります。

<主な条件>

(1)総会の決議で(a)から(f)までの全てが決議されていること。
   (a) 管理組合が共用部分の工事を実施すること。
   (b) 管理組合が住宅金融支援機構から借入れをすること
   (c) 借入れの返済には修繕積立金を充当すること。
   (d) (公財)マンション管理センターに保証委託すること。
   (e) 手持金に充当するために一時金を徴収する場合は、その旨と徴収額
   (f) 修繕積立金を増額する場合は、その旨と増額後の額

(2)修繕積立金の滞納割合が原則として10%以内であること。

(3)毎月の返済額が毎月徴収する修繕積立金の額の80%以内になること。

 

ただし、3千万円の借入金を今後10年で返済するには、元本だけで毎年3百万円ずつ返済しなくてはなりません。

 

しかも、上記(3)の条件を満たすには、毎年修繕積立金を4百万円程度に設定する必要があります。

 

そのため融資に先行して、今年の総会で修繕積立金を40%増額改定することを提案し、決議・承認を得ました。

 

なお、支援機構の融資については留意すべきことがあります。

 それは、工事の完成を確認した後にはじめて融資が実行される!ということです。

 

ただ、このマンションの場合、修繕費のほぼ全額に相当する資金の融資を受ける必要があるうえ、工事竣工まで支払いを待ってくれる建設業者はいないので、このままでは修繕を実施できませんでした。

(そういう意味では「制度的な欠陥」があると思います・・)

 

それでは、どうすればよいか?

それは、「つなぎ融資」を利用することです!

 

このマンションでは、民間企業の「リコーリース」から工事着工時につなぎ融資を受けることで、なんとかこのハードルをクリアすることができました。

 

無担保融資で年利2.5%ですが、

融資期間を3ヶ月と仮定すれば、実質0.6%強です。

<詳細は下記ページ参照>

 

www.r-lease.co.jp

そして、 支援機構の融資に関連して、ぜひ知っておきたいことがあります。

 

それは、東京都のマンション改良工事助成制度」です。

(下記サイト参照)

 

www.mansion-tokyo.metro.tokyo.lg.jp

本制度は、分譲マンションの適正な維持管理の促進を目的に、計画的に改良・修繕する管理組合に対して、支援機構と連携した助成(利子補給)を実施するものです。

 

助成の内容は、支援機構の金利が1%(1%未満の場合は、当該金利)低利になるよう、都が管理組合に対し利子補給するというものです。

 

支援機構の融資金利はすでに1%を切っているので、

この助成金を受けることで事実上「無金利」で融資を受けられることになります。

 

このマンションでも、先日東京都から助成金支給決定の通知が届いたので、今後10年間元本の返済だけで済むことになり、管理組合の負担を軽減することができました。 

 

なお、この助成金は、都内にある分譲マンションだけが対象になるのでご留意ください。

 

 <参考記事>

 

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

 

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保険代理店にマンション管理会社を選ぶと、なぜ「損する」のか?

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先日、築40年のマンションでの保険契約更改にあたってご相談があり、契約の見直しをサポートすることになりました。

 

現在の保険証券で契約内容を確認したところ、「1年契約」となっています。

この段階で「ん?」と思いました。

 

通常は、5年の長期契約を選択するのが一般的(常識)だからです。

 

その理由は、2つあります。

 

第1に、長期契約の方が保険料が「お得」です。

5年契約で保険料を一括前払いした場合には、1年契約に比べて保険料が1割以上ディスカウントされるからです。

 

第2に、保険料の増額リスクから(契約期間中は)解放されます。

近年、大雨や暴風の発生による損害が大幅に増えているため、各損保会社は保険料を毎年のように増額改定しています。

 

来年1月にも、損保各社が一斉に保険料を値上げする予定ですが、1年契約を継続するとその影響をモロに受けることになるので、明らかに損です。

 

<参考記事>

diamond-fudosan.jp

 

にもかかわらず、なぜこのマンションは1年契約を選択しているのか?

それは、保険代理店を兼ねている「マンション管理会社」に原因があります。

 

この管理組合は「S損保」と契約していますが、

S損保は、管理会社と同じ企業グループの系列会社です。

 

ただ、S損保の場合、高経年のマンション向けの長期契約プランがないため、1年契約を強いられているというわけです。

 

ただ、こうした利益相反の事例は珍しくなく、「管理組合あるある」です。

 

マンション管理会社にとって、

保険代理店としての手数料は各種修繕工事の請負収益と同様に「重要な副収入」のひとつです。

 

管理会社自体が大手損保各社の「相乗り代理店」となり、受託先の管理組合に対して保険加入の提案をし、継続更改しながら安定的な収益を稼いでいるのです。

 

それ自体は結構ですが、問題はその「提案スタイル」にあります。

 

管理会社自体は相乗り代理店なので、契約更改の際に大手損保5、6社から相見積もりを取得のうえ管理組合に提案することが可能なのですが、実際にはそのような「親切な提案」は行われていません。

 

ほとんどの場合、現契約先での更改プラン一択か、せいぜいもう一つ他社の見積もりを加えて二択で提案するくらいにとどまっています。

 

その理由は、相乗り代理店として収益を最大化するには、損保各社満遍なく実績を上げていく必要があるからです。

 

たとえば、現在管理組合が契約中の損保A社の保険料が増額改定されたため、更改時点では同業他社に比べて割高になったとします。

 

その場合、損保A社の代理店である管理会社は、顧客の管理組合にとって有利な引受け条件を提示できる同業他社の見積もりを提案すべきでしょう。

 

しかし、それを実践している管理会社はまずありません。

 

損保A社での成約実績が減ると、代理店としての評価も引き下げられるので、1件あたりの手数料割合(保険料の2割〜3割程度とされる)が減らされるからです。

 

つまり、管理会社の利益相反問題は、マンション保険にもあるわけです。

 

しかも、底意地の悪い管理会社の場合、見直しによって自らが保険代理店を外れそうになると、管理組合に「圧力」をかけて揺さぶってきます。(関連記事参照)

 

<参考記事>

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

 

その典型的な事例が、

「今後は保険事故が発生しても、保険金申請・請求にかかる取次ぎをしない」

というものです。

 

しかし、これは管理委託契約に反する行為です。

 

管理会社の「事務管理業務」には、「契約事務の処理」という項目があり、「管理組合が行うべき損害保険契約に係る事務を、組合に代わって行う」と記載されています。

 

たしかに具体的な事務の範囲・内容までは言及しておらず、保険金請求事務を行うのかどうかまでは明記していないことが多いのです。

 

そのため、マンション管理会社の所管団体である「一般社団法人マンション管理業協会」の相談窓口にヒヤリングしたところ「標準委託契約で定められた損害保険契約における事務には、保険金請求の代行業務も当然含まれる。」という回答を得ました。

 

そのことを知ってか知らずか、素人集団の管理組合に誤った説明を堂々と行って翻意させようとする悪徳業者もいるので、ご注意ください。

 

<参考記事>

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

 

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マンションの「金食い虫」=「機械式駐車場」とうまく付き合う方法はあるか?

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ダイヤモンドオンラインで、「マンションの金食い虫「機械式駐車場」とうまくつき合う方法とは」と題した記事が掲載されていました。

 

diamond.jp

本記事の要約は以下の通りです。

■ 機械式駐車場は、「附置義務」との兼ね合いもあり、必要がないからといって簡単に取り壊せるものでもなく、管理費や修繕積立金に重い負担をかけ続けている。

■ 機械式駐車場にかかる費用を見直す一つの方法として、「リース+フルメンテナンス契約」というものがある。

■機械式駐車場のメンテナンスには、主にフルメンテナンスとPOGという2種類の保守契約がある。フルメンテナンス契約とは、点検、調整や部品交換など必要なメンテナンスを保守料金の範囲内で行う方式だ。高額部品の取り替えも月々の保守料金内に含んでいるため、部品交換のための予算を特別に取る必要はない。ただし、保守料金はその分割高な設定になる。

■ もう1つのPOG契約とは「パーツ・オイル・グリース契約」の略称で、機器や付属備品の点検、清掃、給油、調整などを契約する方式である。要するに基本的な点検だけを委託するイメージで、1回のメンテナンスにかかる費用は抑えられるが、部品交換や修理工事などを行う場合には別途費用が発生することになる。

■ どちらがよいとは一概には言えないが、機械式駐車場の場合はPOG契約が一般的で、フルメンテナンス契約はほとんど見かけない。

■また、 長期修繕計画を見ると、耐用年数を過ぎた機械式駐車装置の入れ替えが莫大な費用とともに予定されている。さらに、機械の経年劣化に伴い部品交換や修理などにかかる費用がかさんでくる。

■ 昨今、若者の車離れや車を手放す高齢者の増加などにより、駐車場利用率が低下していることも、機械式駐車場の維持管理に暗い影を落としている。ひどい状況のマンションだと、100パレットある機械式駐車場のうち、2割しか利用者がいない機械式駐車場もある。

■そのような場合、設備更新にかかる費用を、修繕積立金を取り崩して充てる決議を通すのは簡単ではない。機械式駐車場を利用していない8割の組合員にしてみれば、「使ってもいない設備に、どうして自分たちが金を出さなければならないのか」と思うのも無理もない。

■「それなら、使っていない機械式駐車場を取り壊してしまえばいい」という考えも出てきそうだが、「附置義務」制度により、マンションには一定数の駐車場を確保することが求められる。

■ 敷地面積が十分取れないマンションで、附置義務を課して必要台数を確保するために考え出されたのが機械式駐車場である。だから、稼働率が低いからといって、簡単に取り壊すことはできないというジレンマが生じる。

■ 今後問題化することが明らかな機械式駐車場に、いつまでも高額な維持管理費や機械装置の更新費用を負担し続けるしかないのか?そこで提案したいアイディアがある。

■ 機械式駐車場にかかる費用を駐車場利用者=受益者が負担するシステムにするのだ。例えば、多額の費用がかかる機械式駐車場の更新工事に対して、その費用をマンションの積立金会計を取り崩して捻出するのではなく、受益者負担によるリース+フルメンテナンスにより、一般会計から拠出する。

■ たとえば、駐車場利用料が1台あたり月額15,000円と設定した場合、受益者が支払う15,000円は一般会計に入るが、月額1万円で機械式駐車場をリース+フルメンテナンス契約にした場合、一般会計には5000円が残る。要するに、両者の差額分が、一般会計の収入として積み立てられていくわけだ。

■ そして、いざ機械式駐車場の更新工事を実施するとなった場合、これまでは修繕積立金から工事費用を拠出していたものを、一般会計にプールされてきた駐車場利用料でまかなうことができる。

■ この方法なら、組合員全員で更新費用を負担するのではなく、受益者による負担で支払うことになるため、機械式駐車場を利用していない組合員に対しても、機械式駐車装置の入れ替えに対する説明責任を果たすことができ、総会での合意形成も得やすくなる。

■ また、フルメンテナンス契約にすることで、毎年提案される修繕についての長時間かつ不毛な議論から解放されるだけでなく、機械式駐車場の安全性と利便性もはかれるうえ、突発的な修理も不要になる。

■ さらに、長期修繕計画からも費用負担の比重が大きかった機械式駐車場更新の項目が削除され、格段に身軽になれる。

■ このところ、このリース+フルメンテナンス契約のプログラムを提供する会社が増え、中には共済方式でリーズナブルにプログラムを利用できる団体も出てくるなど、ようやく競争原理が働く気運になってきた。

■  機械式駐車場を自前で維持していくか、リースにするか、あるいはPOG契約で必要な修理や部品交換を適宜施していくか、フルメンテナンス契約で保守を一括で任せるか、などというように選択肢が増えて、自分たちのマンションに合った方法を選ぶことができるようになりつつある。

 

先日、顧問先マンションの通常総会で、足掛け3年かけて検討してきた機械式駐車場の撤去・平面化工事が、特別決議事項の要件(区分所有者全体の4分の3以上の賛成)を満たして無事承認されました。

 

このマンションでは、

3段ピット式の設備が3基、合計9台分のパレットがありますが、現状稼働しているのは2台のみです。

 

この設備全体を撤去・平面化すると、3台の平面式駐車場に一新されることになります。

 

このマンションは築20年を超えてすでに設備の経年劣化が進行しており、保守会社から300万円にのぼる部品交換等の見積提案を受けています。

 

長期修繕計画においても、今後30年で1,500万円もの修繕費が見込まれています。

 

また、事前に実施した居住者向けアンケートでは、今後解約する利用者が見られる一方で、新たに利用しようとする居住者はありませんでした。

 

そのため、駐車設備のほとんどが「遊休化」状態にあると判断せざるを得ず、今回の決断に至ったわけです。

 

しかしながら、総会での議案上程に至るまでには理事会において以下のプロセスを経てきたこともあり、ここまでの道のりは長いものになりました。

・住民アンケートによる需要動向調査

・外部賃貸の可能性・リスクの検討

・平面化の工事方法の検討(埋め戻しか、鋼製板の敷き込みか)

・発注先業者の選定(相見積りの取得や施工業者のプレゼン)

 

現在の利用者の中には、車上荒らし対策として地下のパレットに車両を停めた方が安全という考えから、平面化には反対の意思を表明される方もいらっしゃいました。

 

ただ、組合全体の財政健全化という観点から見れば、今後も収益が上がらない可能性の高い設備にお金をかけて更新することを回避したのは「正解」だと思います。

 

また、このマンションでは、修繕積立金を標準以上の水準まですでに増額改定していますが、工事費相場や消費税の上昇を考えると余計な支出はなるべく節約したいところです。

 

今回の撤去・平面化工事によって、イニシャルで数百万円の出費が伴いますが、将来の設備更新費がなくなるうえ、年間10万円の保守点検費も節約できることになります。

 

さて、今回紹介した冒頭の記事ですが、ネットで検索してみたところ、確かに「リース+フルメンテナンス契約」を提案している企業がありました。

 

www.asap-net.co.jp

しかしながら、以下のとおりいくつか留意すべき点があります。

1)既存設備はリースの対象にならないため、既設の設備を一度リニューアルすることが前提条件です。(POG契約でメンテナンス中の既存設備を途中でフルメンテナンス契約にすることは、エレベーターと同様に原則としてできません。)

 

2)駐車場の稼働率が現状すでに芳しくない場合や、(今は良好でも)将来悪化した場合には、駐車場の収支が赤字に陥ってしまうため、受益者の負担が現状の駐車料金以上に増えるリスクがあります。

 

3)「リース+フルメンテナンス契約」は、毎月負担が平準化されるというメリットはあるかもしれませんが、費用に金利分が上乗せされるため、購入と比べて確実に割高になります。(防犯カメラなどと同様です)

 

4)なお、設備撤去の際の障壁になると指摘されている「附置義務台数」については条例等で定められているため、稼働率低迷に伴う設備撤去を自治体に相談しても公式に承諾を得ることは難しいのは確かですが、管理組合の事情等に鑑みて「黙認」してもらえる可能性もあります。

 

このように、機械式駐車場に関する問題の解決には、「ウルトラC」と呼べるものはなく、個別マンションの事情に鑑みて時間をかけて泥臭く、かつ丁寧にコンセンサスを得ていく努力をするほかないと思います。

 

<参考記事>

 

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名古屋のマンションで管理コスト適正化がスムーズに実現できたワケ

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昨年冬からコンサルティングしている名古屋市内のマンション(築18年目 34戸)では、先日の通常総会にて管理委託契約の変更が賛成多数で決議されました。

 

単純減額の他に、一部過剰だった仕様の標準レベルへの変更、そして一部委託先変更のミックスポリシーによって、従前の委託費に比べて約24%のコスト削減となりました。(年額94万円の削減)

 

ちなみに、これに先行してマンション保険も見直しており、年あたりの保険料が10万円も減っています。(従前比25%ダウン)

 

これを合わせると

年額104万円の削減となるので、戸当たりでは平均3万円の経済効果となります

 

その結果、コスト削減で生まれる剰余金を活用すれば、今後30年の修繕計画で求められる資金需要に対して修繕積立金を増額しなくとも賄える見通しなりました。

 

今回は、相談元である管理組合の若い理事長さんがリーダーシップを発揮していただいたお陰で、コンサルティングがとてもスムーズに進捗しました

 

まず、管理見直しに着手する際にも事前に住民アンケートを実施したいとの申し出があり、そのアンケート案の作成について当社から助言させていただきました。

 

その後、コンサルに入った後も、委託業務の一部仕様変更や業者の一部リプレイスもあって、いきなり総会で賛否を問うのではなく、3日間に分けて住民説明会の開催をしながら丁寧にコンセンサスを高めるための努力をされていました

 

こうした理事会側の配慮と努力が奏功して、特段の反対者も出ず、総会もスムーズに進行できたのだと思います。

 

今回のコンサルティングで驚いたのは、

エレベーターの保守点検費について、メーカーが大幅な減額に応じたことです。

 

従前のフルメンテナンス仕様のままで、従前の金額に比べて半額以下に変更してもらいました。

 

コスト適正化実現のためには、委託先業者の変更をあらかじめ想定していたのですが、メーカーが独立系の見積もりを下回る金額で減額に応じたのは意外でした。

 

エレベーターについては独立系保守会社の株式上場などの台頭が見られることから、

メーカー側もかなり危機感を持っていることの現れかもしれません。

 

<参考記事>

 

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マンション管理組合の「役員報酬」と「組合活動協力金」の相場はどれくらい?

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管理組合の「役員報酬」と、外部区分所有者による「組合活動協力金」の実態について、マンション管理大手「大和ライフネクスト」の系列会社(マンションみらい価値研究所)が調査結果をまとめたレポートをリリースしました。

 

レポートの要約は以下の通りです。

■組合の役員報酬制度や外部所有者からの協力金徴収制度から、マンション管理組合が抱える問題の数々が浮き彫りとなった。

■大和ライフネクストが受託する管理組合(3,900)のうち、役員報酬制度がある管理組合は9%。管理組合活動に直接的に協力できない外部区分所有者から、協力金を募る管理組合は6%であった。

■築年数別の割合でみると、高経年マンションほど役員報酬・外部区分所有者協力金を設定している管理組合がともに増加する傾向が見られる。

■役員報酬制度については、総戸数が多いほど、導入する割合も高くなっている。これは、戸数に比例して検討課題は増え、その内容も複雑化することで役員の責任と拘束時間が増すためと推察される。

■また、規模が大きいと、輪番制を導入しても組合員全員が役員経験するまでに相当な周期が必要となることから、その不平等感の解消にも資すると思われる。

■報酬の支払いについては、理事長・副理事長・その他の順で段階的に金額設定している組合が多い。また、理事会・総会の出席回数に応じて報酬を設定している例も見られる。

■「役員一律の報酬」を設定している場合の報酬水準は、「固定給タイプ」の平均額は、12,130円/年(1,011円/月)

■「役員一律でない報酬」を設定している場合の水準は、「固定給タイプ」の平均額は、理事長39,247円/年(3,271円/月)副理事長18,688円/年(1,557円/月)、理事14,513円/年(1,209円/月)、監事15,963円/年(1,330円/月)であった。

■一方、外部所有者からの活動協力金の徴収については、物件規模による傾向は特に見られない。ただ、高経年物件で比較的多くみられる。(築20年以上が約7割を占めている)また、外部所有者の割合が相対的に高いケースで導入する割合も多い

■なお、協力金徴収の対象は外部所有者とする割合が約7割と最も多いが、内部所有者でも役員を辞退する者(30%)、役員に就任しても一定数の理事会に参加しない役員には協力金を求める規定(1%)もある。役員に就任しないことへの不公平感は外部所有者だけではないと言える。

■協力金の徴収方法は組合ごとに様々であるが、月額換算で1,000円から2,000円の範囲が半数以上を占めている。

 

 管理組合にとって、

「役員報酬」と「組合活動協力金」はコインの表裏のような関係にあります。

 

理事長をはじめ、組合役員に就任することはなるべく忌避したい「義務」として捉えられているため、その負荷が一部に偏らないように「輪番制」を採用している管理組合が多いと思います。

 

ただ、多くのマンションの管理規約では役員就任に「現に居住要件」が定められているため、外部所有者は自動的に役員候補から除外されます。

 

外部所有者の割合が高くなるほど、残りの「現に居住する所有者」の中で輪番制を運用せざるを得なくなり、役員に就任する周期が短くなっていきます。

 

そうなると、居住する所有者と外部所有者との間で、役員業務の「負荷」(定例会議に参加するための拘束時間や事務手間、精神的負担など、民法上の善管注意義務など)に大きな差が生じることになります。

 

そのため、こうした不公平感の緩和のために、役員の労苦に報いるための報酬制度や、役員就任の義務から解放される見返りとしての活動協力金徴収制度の提起がなされるわけです。

 

ただ、私が顧問を務めるマンションでは、役員報酬制度を導入している組合は一部ありますが、活動協力金を徴収している組合はありません。

 

それは、「協力金徴収」の基準を明確には決めづらいからです。

 

役員就任義務を回避しているのは、外部所有者だけとは限りません。

 

たとえば、居住する所有者の中でも、実態として以下のようなケースを原因とした不公平感も生じています。

・役員就任の依頼があっても(高齢や疾病、多忙を理由に)固辞する

・たとえ役員に選任されても、その後理事会や総会等の活動に一切参加しない

 

また、一口に「外部所有者」と言っても、(投資等が目的ではなく)転勤など一時的な事情によるケースもあります。

 

つまり、個人情報保護の問題もあいまって、協力金を徴収すべきかどうかの判断に際しては個別事情に応じた見極めがとても難しいのです。

 

輪番制の運用だけでは、上述の事情から理事会の成立や運営に支障が生じかねないリスクがあるのは確かです。

 

そのため顧問先の組合でも、以下のような工夫をしているマンションがあります。

・(2年任期制のもとでの)役員の半数改選制の導入

・輪番制に加えて立候補枠も設定している

・ 現役員の一部(理事長など)に来期再任を要請する。

 

結局のところ、「ウルトラC」的な妙案は今のところなく、

そのマンションや住人の特性等に応じて試行錯誤していくしかないと思います。

 

 <参考記事> 

  

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

  

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オンラインセミナー<9月>開催のお知らせ

9月度「マンション管理セミナー」を開催いたしますので、ご案内いたします。

 

新型コロナウィルス感染拡大防止のため、今回も「オンラインセミナー」にて開催いたします。

 

オンラインのため、ネット接続環境があれば首都圏以外にお住いの方も気軽に受講ができます。

 

先着10名様のお申し込みを受け付けております。

 

どうぞお早目にお申し込みください。

【日時・会場】

令和 2年 9月  19日(土) 13:30~15:00

 

【参加料金】

 お一人様  2,000円(税込)

※ ただし、下記のいずれかの条件に該当する方は「無料」とさせていただきます。

初めて弊社セミナーに参加される方。

弊社に個別にご相談いただける方

 

【内 容】

「管理コストを3割削減するための見直し術」

これまで弊社のコンサルティングによって大幅なコスト削減を実現した事例を紹介しながら、その費用項目ごとに効果的な見直しポイントを解説します。

【内 容】

■ ポイント1:管理人の勤務体制と業務内容
最も多く見られるのが、管理員の勤務時間が過剰なケースです。また、その業務範囲も物件の特性によって違いが見られます。

 

■ ポイント2:設備保守点検の契約形態と実施頻度(エレベーター、機械式駐車場など)
エレベーター、消防、機械式駐車場など各種共用設備の保守点検費用は管理組合側には相場観がないため、メスが入りにくいテーマです。

 

■ ポイント3:遠隔監視&緊急対応費用(ホームセキュリティを含む)
設備保守点検と同様に相場観が掴みづらい項目ですが、そのため割高になりがちです。

 

■ ポイント4:事務管理費など管理会社の経費
管理会社によって提示金額が異なりますが、物件の規模に応じたで適正な市場価格がわかります。

 

【講 師】 村上 智史(弊社代表取締役)

 

【お申込み方法】

セミナーお申込み専用ページからお申し込みください。(お名前、マンション名、メールアドレス、電話番号等をご記載ください。)

 

加までの流れや、オンライン会議の利用に慣れていない方向けの説明も上記ページにてご案内していますので、ご参照ください。

 

 

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「第三者管理」のワンルームマンションで管理会社をリプレイス!

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先日、都内の某ワンルームマンション(築8年目・47戸)にて臨時総会を開催し、管理会社のリプレイスの議案が承認されました。

 

現管理会社の管理委託費が割高な水準にあり、現状比2割程度の削減が可能と考えたたため、更新後の管理委託費について減額の要望書を提出しました。

 

しかしながら、管理会社からは口頭ベースで「減額には応じられない」とのゼロ回答でした。

 

そのため、やむなくリプレイス(管理会社の変更)を視野に入れ、同業他社2社から相見積もりを取得しました。

 

さらに、リプレイス候補として挙がった会社からは、日常では管理人不在の物件特性を踏まえ、月1回の共用部全体の目視確認や、年1回建築設備点検を実施のうえ書面で詳細を報告する、という追加仕様の提案もしてもらいました。

 

その追加仕様も含め、現状比で25%も管理委託費が下がることになりました。

 

そのため、将来修繕積立金の増額改定を強いられる可能性の高い区分所有者にとっては大きなベネフィットがあると考え、リプレイスの議案を総会に上程することになりました。

 

ところで、このマンションは理事会が設置されておらず、「管理者」方式を採用しています。

 

その管理者を務めているのが、マンション管理士の私です。

 

ただ、私は区分所有者ではないので「第三者管理」というわけです。

 

つまり、リプレイス検討のための準備は見積もりの取得から総会議案書の作成まですべて私自身の手で行なったわけです。

 

加えて、今回は現管理会社の協力が得られなかったため、総会の委任状等の提出の督促も管理者である私がやりました。

 

最も大変だったのが、一度も会ったことのない区分所有者に電話して書面の提出を要請することでした。

 

と言うのも、

総会開催10日前の時点で47名中19名の提出にとどまっており、開催要件である「全組合員の半数以上」を満たしていなかったからです。

 

そのため、先日の連休中に30名近い未提出者に電話かけまくりです・・・(汗)

 

もともと九州のデベロッパーが販売したマンションのため首都圏に在住するオーナーは全体の2割程度に過ぎず、残りは九州や関西、東海エリアに散在しています。

 

そのため、電話で繋がった際の第一声は、

「東京の〇〇というマンションの管理者を務めているマンション管理士の村上と申します。先日お送りした総会の議案書はお手元に届いておりますか?」

です。

 

質問に対する返答は、概ね以下の3種類に分類できます。

(1)届いているが、議案書は読んでいない。 

→ 未提出者全体の約5割

(2)議案書は読んだが、委任状等は出していない。

→ 未提出者全体の約4割

(3)送付先に住んでいないため、総会の開催予定自体知らなかった。

→ 未提出者全体の約1割

 

ただ、今回の議案が

・管理会社を変更する重要な議案であること

・管理委託費が25%下がるので、剰余金が増えるというベネフィットがあること

をかいつまんで説明したところ、委任状(もしくは議決権行使書)を提出すると約束してくれる方がほとんどでした。

 

中には、個人アドレスを教えてもらったうえで議案書をメールで送付し、委任状等もメール添付で返信してもらった方もいました。

 

その結果、最終的に38戸分回収することができ、回収率は80%を超えました。

しかも議決権行使書は全員賛成だったので、「棄権」を除いて全会一致です。

 

このマンションの所有者特性や在住地域を考えると、議案書の送付をメール添付も選択できるようにするとか、総会の参加方法としてリモートでも可能にするなどの工夫が必要ではないかと思いました。

 

今回決まった新たな管理会社と相談し、管理規約の改正も視野にいれて今後の運営方法を見直したいと考えています。

 

<参考記事>

 

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

 

 

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

 

 

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