マンション管理士|村上智史の「士魂商才」 

無関心な居住者が多いマンション管理組合に潜む様々な「リスク」を解消し、豊かなマンションライフを実現するための「見直し術」をマンション管理士:村上智史(株式会社マンション管理見直し本舗 代表)がご紹介します。

【理事長のギモン】区分所有者と連絡が取れない時にはどうすればいいの?

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皆さんのマンションの管理費や修繕積立金の納付方法は、振り込みですか?それとも自動振替えですか?

 

現在のスタンダードは、

区分所有者の指定する口座からの毎月自動振替えだと思います。

 

顧問先のマンションでは管理会社のリプレイスが決まったことから、この自動振替えの変更手続きが必要になりました。

 

これについては、区分所有者全員の手続きが必要になるので、届出用紙を各住戸に送付し、署名捺印のうえ返送してもらうことになったのですが、1名だけ音信不通の方が残ってしまいました。

 

管理会社に電話してもらったり、役員さんが訪問したり、玄関ドアにお手紙を挟んだりするなど、いろいろ接触を試みたもののいずれも失敗に終わり、管理費等の滞納も3ヶ月になることが確実になりました。

 

さて、一体どうしたらよいかと困り果てた理事会から相談を受け、知り合いの弁護士に相談したところ、捜索対象者の居所を有償で調査してくれることになりました。

 

かつては、誰もが他人の戸籍謄本や住民票を取得することができました。

 

その後、自分の情報を他人に知られたくないという意識の高まりから、現在では個人情報保護の観点から第三者が戸籍謄本等の交付請求ができる場合が制限されています。


しかし、「例外」として弁護士、司法書士などのいわゆる「士業」と呼ばれる専門家に限定して「職務上の範囲」において戸籍謄本や住民票を職権で取得することができるのです。

 

その場合、委任状は不要で「職務上請求書」の提出で足りるとのことです。

(下図参照)

 

 

 

なお、同じ士業でも「マンション管理士」にはその権限は与えられていません。

(残念!)

 

さて、その後管理組合からの委任のもと、弁護士が当該区分所有者の登記簿藤本を確認したところ、住所の変更が登記されていることがわかりました。

 

そのため、職務上の権限を使って登記されている住所の住民票を請求したところ合致していることがわかったため、弁護士がその住所に連絡を促す手紙を送ったところ、本人から電話があったとのことです。

 

弁護士報酬(いわゆる着手金。旅費・通信費等の実費は別途負担)は8万円(税別)かかりましたが、実質2週間程度で解決できたのでよかったです。

理事長さんもたいへん安堵されていました。

 

<参考資料>

 

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