「マンション管理適正化診断サービス」の依頼を受けて、昨日築37年目のマンションに伺いました。
目視する限り、高経年マンションにもかかわらず、清掃も修繕もしっかりと実施されている印象を受けました。
実際に理事長さんと面談したところ、3回目の大規模修繕を5年前に済ませたばかりで、外壁補修をはじめ屋上や廊下など各所の防水工事もなされていました。
しかし、実際に診断チェック項目について問診を進めたところ、重要な項目を確認するための資料が保管されていなかったため、加点ポイントが得られませんでした。
そのため、最高ランクである「S」評価の獲得も叶わず・・。
マンション保険料の大幅な割引を受けられるせっかくのチャンスを逸してしまったのです。
実は、こうした「残念な管理良好マンション」は少なからずあります。
その傾向を見ていると、共通する理由があります。
もっとも「落とし穴」になりやすいのが、「長期修繕計画」です。
<よくある事例>
1) 長期修繕計画が更新されないまま、「風化」してしまっている
2) 給・排水管の「更新」について概算費用を計上していない
(あるいは、給・排水管の「更生」工事しか見込んでいない)
冒頭の管理組合のケースだと、1)に該当します。
「現在有効に運用している長期修繕計画がない」という判定です。
2)については、先日のブログでも取り上げましたが、「修繕積立金の増額改定を回避するための便法」にされているケースと想定されます。
<参考記事>
確かに、
「築30年目で給排水管の更新を実施する必要が本当にあるのか?」と言えば、あまり現実的ではないかもしれません。
また、コスト面だけでなく、日常生活面での負担も大きいので、可能な限り先送りしたいという本音はよく理解できます。
ただ、実際の実施時期を確定する必要はないものの、「管理組合の長期的な資金計画をカバーする」という観点で言えば、概算工事費を計上しておくことはやはり必要でしょう。
多額の費用を要する設備更新を築36年目に予定しているからと言って、築35年までの修繕計画に費用を見込んでいないのは、どう考えても不合理だからです。
共用部全体の修繕や設備更新費をすべて見込んだうえで、一定の期間で総額いくらの資金が必要だから、毎月修繕積立金の徴収がいくら必要かを決定するのが、長期修繕計画を作成する主な目的なのです。
皆さんのマンションの長期修繕計画は、いかがでしょうか?
<参考記事>
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