昨年から今年にかけて、管理会社のリプレイス(変更)を検討せざるを得ないケースが増えています。
主な理由としては、
管理会社から業務委託費の増額要請を受ける管理組合が非常に増えているためです。
増額の背景としては、ご多聞に漏れず人手不足を原因とする労務コストや最低賃金の上昇があります。
確かにそれ自体は決してウソではなく、管理会社内の人件費や、管理員や清掃などの外注委託費のアップで以前に比べて収支状況が悪化しているためです。
とは言え、ただ先方の申し入れをそのまま受け入れると、いずれ管理費の増額を迫られることリスクも高まるわけなので、ぜひこの機会を逆手に取って活かすことを提案します。
というのも、同業他社へのリプレイスを検討する絶好の大義名分になるからです。
特に、これまで一度も管理委託費を見直したことがないマンションならば、うまくすると現状よりも管理委託費を下げることも十分可能です。
実際に当社でサポートした管理組合の事例をご紹介しましょう。
(1)神奈川県横浜市(31戸)の場合
・昨今の社会情勢(最低 賃金の上昇と人材の不足)を理由として管理委託費の増額改定(現状比14.5%UP 約35万円/年 増)の申し入れがなされた。
(なお、このマンションの場合、4年前に管理会社と委託費の減額交渉を行った結果、従前比3割弱の委託費減額で合意した経緯がある。)
・管理委託費の適正額を見極めるべく、同業他社2社から見積もりを取得したところ、 両社とも現状の委託費の水準を概ね維持できることがわかった。
・その後、プレゼン提案を受けたところ、顧客重視の姿勢に裏打ちされた組織体制を敷いており、現状の管理品質についても向上が期待できる印象を得た1社を新たな委託先に選定し、委託費の負担増を回避することができた。
(2)東京都江東区(70戸)の場合
・前回(2018年)の増額改定に続き、2022年に昨今の最低賃金と外注費の上昇を受けて、管理委託費の増額改定(3.4%UP、約20万円/年 増)の申し入れがなされた。
・当社がコンサルティングを開始し、管理委託費の一部に割高な項目や仕様が過剰と思われる部分があったため、同業他社から相見積もりを取りつつ、2023年初めから管理会社と減額交渉を行なった。
・その結果、過剰な仕様の縮減を含めて現管理会社等と従前比約30%の減額(年間330万円減)で管理会社と合意した。
また、リプレイスに積極的な複数の管理会社の提案内容を精査した結果、以下のことがわかりました。
■ リーズナブルな管理委託費の提示は当たり前
一度も管理委託費を見直したことがないマンションなら、現状比で2割以上は下げられる可能性があります。
また、リプレイスでコストが下げられるのはよいが、「安かろう悪かろうにならないか」という管理組合側の不安感を払拭するために、日常運営においてける下記のような施策をアピールしています。
■ チーム制や本部スタッフを含む組織的な対応による品質管理
「現場管理員や外注業者への丸投げ」や「担当者のあたり・はずれで管理品質が決まりがち」という業界の悪弊についての対策として、本社スタッフによる巡回指導、チーム制による担当者のバックアップなどを強調しています。
■ 修繕工事の相見積もり取得サポートや大規模修繕の元請けしない宣言
「管理委託費を下げる代わりに修繕工事で儲ける」という大手独立系のビジネスモデルに代わって、管理組合の利益を守ることを標榜したスキームをコミットしています。
■ 受託の暁には、さまざまな無償サービスを提供
<例>
・受託開始時における共用部の特別清掃
・管理規約の改正案の提案
・建物竣工図の電子データ化
・専有部の駆け付けサービスを無償化(1年間)
他社の提案内容をじっくり聞いてみることで、現状の管理に対して燻っていた不満が見える化できたり、リプレイスの検討によって現在の管理会社から譲歩を引き出せる効果も期待できるのでお勧めします。
<参考記事>
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