7/19付けで、マンション管理業者への全国一斉立入検査結果が発表されました。
国交省が公表した資料を要約すると、
■全国のマンション管理業者のうち141社に対し、平成28年10月から概ね3ヶ月の間に事務所等への立入検査を実施した。
■今回の検査では、「管理業務主任者の設置」、「重要事項の説明」、「契約の成立時の書面の交付」、「財産の分別管理」及び「管理事務の報告」の5つの重要項目を中心に検査を行い、64社(昨年 51社)に対して是正指導を行った。<指導率45.4%(昨年度37.8%)>。
■過去5年間の指導率の平均は42.3%で、全般的な傾向としては例年並(若干増加)であるが、管理組合財産の分別管理方法等の改正を主な内容とする平成21年5月の省令改正による制度改正への理解不足が依然として見られる結果となった。(当該違反を除いた場合の是正指導社数は36社、指導率は25.5%)
■違反のあった業者に対しては、立入検査時に、違反状態の是正をするように指導を 行ったが、引き続き、立入検査等による法令遵守の指導を行うとともに、悪質な適正化法違反に対しては、適正化法に基づき厳正かつ適正に対処していく。
管理組合の財産の分別管理については、
管理業者が行う管理組合の出納業務において、一部の管理業者の横領事件等により管理組合の財産が損なわれる事態が発生したことを受けて以下の法改正を行いました。
■ 管理組合の財産について「収納口座」と「保管口座」の分別管理を義務化
・収納口座:管理費・修繕積立金等の徴収、管理委託費、水光熱費等経費の精算用の口座
・保管口座:修繕積立金など繰越剰余金の保管用の口座
■ 「保管口座」の印鑑を管理業者が預かるのは禁止
■ 「収納口座」を管理業者の名義にする場合、管理費の保証措置を義務化
■ 「収納口座」に残った剰余金は、翌月末までに「保管口座」に移管
今回の調査では、こうした組合財産を保全するための最も基本的で重要なルールが遵守されていない事例が目立ったということです。
法改正からすでに8年経過しているにもかかわらず、社員による組合財産の着服事件が再発する「温床」を放置している管理会社がいまだに多いことがわかります。
国交省は、「悪質な適正化法違反に対しては、適正化法に基づき厳正かつ適正に対処していく」と述べていますが、社員による多額の着服事件を何度も起こした管理業者でさえ、最も厳しい「登録取消処分」を受けていません。(下記参照)
<参考記事>
「言行不一致」の国交省は、旧建設省時代から変わらず業者に甘い官庁と言わざるをえません。
少なくとも、管理組合の財産の分別管理さえ守れない管理業者については「要注意業者」として名前を公表し、管理組合が認識できるようにすべきでしょう。
<参考記事>
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