マンション管理士の仕事を始めて気づいたことですが、
定期総会以外に、毎年わざわざ臨時総会を開催しているマンション管理組合が意外とあるんです。
たとえば、定期総会を毎年4月に開催している一方で、毎年1月に管理会社との契約の更新期を迎えるマンションがあります。
そのため、この管理組合では、毎年12月には管理委託契約更新のためだけに臨時総会を開催して決議しているのです。
つまり、特にイレギュラーな議案がなくとも毎年2回必ず組合総会を開催しているというわけです。
なぜこのような慣例が常態化してしまったのでしょうか?
それは、管理委託契約の自動更新が認められなくなったからです。
平成13(2001)年に施行されたマンション管理適正化法で、次のことが定められました。
◆従前と同一内容の契約更新を行う場合でも、管理会社は事前に委託業務内容の「重要事項説明」を管理者(理事長)に行い、その「重要事項説明書」の写しを全区分所有者に対し管理組合総会前に配布しなければならない。
(※なお、新規契約や軽微変更でない場合は、管理会社は説明会を開催のうえ区分所有者全員に説明しなければならない。)
◆管理組合は、重要事項説明を受けた管理会社と契約(更新)するか否かについて、管理規約にもとづき総会決議を行わなければならない。
したがって、上の事例のように管理委託契約の更新のタイミングが定期総会の時期とズレてしまっている場合には、契約更新のための総会を別途開催せざるを得なくなったのです。
これを避けるには、どうすればよいのでしょうか? 別に難しい話ではありません。
管理委託契約の更新時期を定期総会の開催時期に合わせて設定し直せばよいだけです。
何らかの事情で契約更新が承認されなかった場合に備え、契約更新時期を定期総会の開催月から3ヶ月くらい遅らせて設定し直せばよいでしょう。(※契約期間変更時のみ1年超の契約となり、以降1年毎の更新とします。)
それにしても、管理適正化法が施行されてすでに10年以上経過しているにもかかわらず、契約更新のための臨時総会が毎年開催されているのは理解に苦しみます。
管理組合の理事長が、一般的に管理適正化法の施行や改正の動向に疎いのはわかります。
しかし、臨時総会の開催は管理会社にとっても手間のかかる仕事なのに、管理会社が契約更新時期の変更を一向に提案しないというのはホントに不思議でなりません。
あなたのマンションは大丈夫ですか?
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