マンション管理士|村上智史の「士魂商才」 

無関心な居住者が多いマンション管理組合に潜む様々な「リスク」を解消し、豊かなマンションライフを実現するための「見直し術」をマンション管理士:村上智史(株式会社マンション管理見直し本舗 代表)がご紹介します。

管理会社を変えなくても、管理コストの適正化は実現できる!

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10/17付けの朝日新聞に、「マンション管理会社の変更 増える相談 実はリスクも」と題した記事が掲載されていました。

 

digital.asahi.com

その要約は以下の通りです。

■ コロナ禍で自宅にいる時間が長くなる中、 日中も家で過ごす時間が増え、マンションの管理状況が気になるようになり、管理会社の変更の相談が増えている。


■ 管理会社を変える理由として多いのが「コストダウン」。コロナの影響で先行きが見えない中、管理費などのコストを下げられるのなら下げたいというニーズが増えているという。管理委託費を下げて浮いたお金を大規模修繕に使うための資金に回すこともできる。

 

■ 管理会社の変更自体は、管理組合の総会で過半数の賛成を得られれば可能だ。ただ、変更を考える際のポイントは、サービスレベルを維持・向上させながら、コストを抑えることができるかどうか

 

■ 管理会社の変更を安易に検討するのはリスクが高い。マンション管理会社の変更は、「成功報酬型コンサル」の存在やマンションが抱える二つの「老い」などを踏まえて考える必要がある。

 

■ 管理会社の変更を強く勧めてくるコンサル会社には注意が必要だ。報酬を削減できた年間管理費の「50~100%」とする「成功報酬型」の場合、コンサル会社は管理(委託)費を可能な限り下げようとする。結果として管理会社のサービスが悪化するということになりかねない。

 

■また、今は管理会社が管理組合を選別できる時代になっている。マンションの老朽化が進めば維持管理の費用や手間がかかるが、高齢化した居住者にとって更なる支出増は厳しく、管理費や修繕積立金の増額は容易ではない。

 

■そのため、新たな管理会社が見つからないだけでなく、今委託している管理会社から契約解除を申し入れられるケースもある

 

■管理員の人手不足も、新たな交渉先を見つけづらくする要因だ。管理員は定年後の職業として選ばれるのが一般的だが、人手不足に伴い企業内の定年延長や再雇用の制度が整備されたため、管理員のなり手を確保するのは簡単ではなくなっている。

 

■ まずは、今契約している管理会社で改善できる道を考えた方がリスクは小さい。

 

管理会社を変えたいという主な動機が「コストダウン」にあるなら、管理会社の変更までする必要は必ずしもありません。

 

実際、当社が管理組合をサポートした事案では、リプレイスして管理委託費を下げるに至ったマンションは過去数件しか事例がありません。

 

また、本記事にも掲載されているように、専門知識のない素人集団の管理組合が自力でリプレイス(管理会社の変更)をしようとする場合、以下のようなリスクがあります。

 

(1)同業他社から取得した見積金額だけで安易に判断しがち。

管理委託契約書には、以下のような管理仕様の詳細が記載されています。

・管理員の勤務日数・時間(例:週5日、4時間/日勤務など)

・清掃や設備管理の実施頻度や作業内容(作業範囲やその方法など)

・設備管理の仕様の詳細(例:エレベーター保守点検はフルメンテナンス仕様)

 

こうした管理仕様にもとづいて各業務の経費を積算し、それに会社の経費・利益を加算して管理委託費の総額が決まります。

 

現在の管理仕様を理解しないまま安易に他社から相見積もりを取得しようとすると、知らない間に仕様が変更されて「安かろう悪かろう」に変わってしまうこともあります。

 

あるいは、その逆もあります。

 

現状の管理仕様が過剰なため、同規模のマンションと比べて割高な負担を強いられている場合で、これが意外に多いのです。

 

管理組合の役員さんはほぼ気づくことはありませんが、プロはすぐにわかります。

 

過剰な仕様を見直す千載一遇のチャンスを活用しないのはもったいないと思います。

 

(2)理事会と一般組合員間の認識のズレ

管理会社の社員(フロント担当者)とコミュニケーションを取っているのは、理事長などの役員だけです。

 

一方、役員以外の一般組合員は、日頃は管理員としか接触しません。

 

そのため、管理員が居住者からの評判が良い場合、理事会が管理会社を変えようとしても他の組合員から反発を受けるケースがよくあります。

 

特に管理会社リプレイスの大義名分として「コスト削減」を掲げた場合、管理員交代に伴って清掃などの面で品質低下のリスクがあることを理由に抵抗されることが少なくありません。

 

「管理の質を落とさずに管理委託費を下げる」ことは、「管理コストの適正化」と言い換えることができます。

 

「管理コストの適正化」を実現すること自体に反対する理由はないので、通常はすべての組合員から支持を得られるものと思います。

 

問題なのは、その「方法の選択」にあります。

 

第一に、今の管理会社を変えなくても「管理コストの適正化」は実現できます。

したがって、リプレイスを前提に考える必要はないということです。

 

二つ目は、素人集団の管理組合が自力で管理会社と交渉したり、リプレイスを視野に入れて同業他社から相見積もりを取得して比較検証できるのか、ということです。

 

これは上記のリスクに鑑みると容易なことではありません。

信頼できるプロのコンサルタントに任せることをお勧めします。

 

ちなみに、本記事ではコンサルタントの成功報酬に関するリスクについても触れていますが、説明が不十分なため、あたかも悪質なコンサルタントが横行しているような誤った印象を受けます。

 

たとえば、現状の委託費に対して削減できた金額の50%をコンサルタントに支払うということは、管理組合も(その多寡にかかわらず)同等の金額について剰余金の増加として経済的なベネフィットを享受できることになります。

 

つまり、コンサルタントと管理組合でコスト削減の成果を半分ずつシェアするということです。

 

そのため、基本的にコンサルタントと管理組合は利益相反の関係にはなりません。

したがって、コスト削減の成果を最大化しようとすること自体は問題はありません。

 

注意すべきは、「管理仕様を下げてコスト削減する」ケースです。

上記の通り、素人集団の管理組合は現状の委託契約の内容を熟知していません。

 

コスト削減を実現する過程で今の管理仕様を維持しているのか、一部変更しているのかを確認することが大切です。

<ただし、委託契約書を読み解けるだけの最低限の知識が必要となります。>

 

それ以外に管理品質が下がる要因としては、

管理会社のフロント担当者などの人材の質や業務の怠慢などが考えられます。

 

ただ、残念ながら上記のリスクは委託契約書の記載内容では到底カバーできないので、コンサルタントの責任範囲を明らかに超えています。

 

管理会社をリプレイスする場合は、こうしたリスクが潜在していることについて管理組合には了解していただきたいと思います。

 

<参考記事>

 

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

  

yonaoshi-honpo.hatenablog.com 

 

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

 

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

  

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【オンラインセミナー(終了)】来年1月の保険料増額改定に備えて、マンション保険を賢く見直す方法教えます!

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近年地震や台風などの大雨等による大規模な災害が頻発しており、損保会社の収支状況が悪化していることから、2021年1月よりマンション保険料が各社一斉に増額改定される予定です。

 

マンション管理組合にとって頭の痛い話ですが、特に来年中に契約更改を控えていらっしゃる場合には、値上げ前の中途更改を検討されることをお勧めします。

 

一方、マンション保険の契約には、専門知識に乏しい管理組合では知り得ない「しくみ」が実は隠されており、いま現在割高な保険料を負担させられているケースも少なくないことがわかりました。そのポイントを必要に応じて見直すことで保険料を「適正化」できるため、コスト上昇を最小限に抑えることも可能です。

 

そこで、マンション保険に詳しいプロフェッショナルの専門家を講師にお招きし、急遽オンラインセミナー(Zoom)を開催することとしました。

 

先着10名様のお申し込みを受け付けております。どうぞお早目にご応募ください。

 

【日 時】 ※ Zoomによるオンラインセミナー

 

令和 2年 11 月  3日(祝) 13:30~14:30

 

【参加料金】

 お一人様  2,000円(税込) 

※ ただし、下記のいずれかの条件に該当する方は「無料」とさせていただきます。

初めて弊社セミナーに参加される方

弊社に個別にご相談いただける方

 

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【内 容】

来年1月にマンション保険が一斉増額改定!

         コストアップを抑えるために賢く見直す方法教えます!」

 

損保業界の最新情報と管理組合のとるべき対策について、損害保険のプロフェッショナル(大手保険代理店)から下記の内容でご講演いただきます。

 

1)来年1月以降、マンション保険料はこれだけ上がる!

(2)年内に中途更改したほうがいいマンションとは?

(3)コスト増を抑制するための「見直しポイント」教えます!

  1)ご存知ですか?「マンション管理適正化診断サービス」

  2)複数の保険会社からの相見積もりの取得は必須!

  3)意外な盲点!?「建物評価額」と「保険金額」の適正化

  4)「地震保険」の費用対効果は実際のところどうなのか?

 

<講 師>

(株)株式会社グッドウイン 損保事業部 小井沼克彦様

(会社サイト)
https://www.goodwin-net.co.jp/

 

【お申込み方法】

マンション管理見直し本舗のサイトページからお申し込みください。

 

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「マンション管理セミナー」11月開催のお知らせ

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11月度の「マンション管理セミナー」を開催いたしますので、ご案内します。

 

コロナ禍の中、集会形式のセミナーを自粛してきましたが、状況も落ち着いてきたため、参加人数を絞ったうえで、セミナーならびに個別相談会を再開します。

なお、地方在住者や感染予防などの事情にも鑑みて、

ご希望の方はオンライン(Zoom)で受講することができます。

「会場参加」の方は先着5名様、「オンライン受講」は先着10名様

のお申し込みをそれぞれ受け付けます。

 

どうぞお早目にご応募ください。

【日時・会場】

令和 2年 11月 2 1日(土) 13:30~15:00

 

LEAGUE 地下1階 ミーティングスペース

東京都中央区銀座3-11-3

東京メトロ「東銀座」駅歩2分 「銀座」駅歩5分 

 

【参加料金】

 お一人様  2,000円(税込) 

※ ただし、下記のいずれかの条件に該当する方は「無料」とさせていただきます。

初めて弊社セミナーに参加される方

弊社に個別にご相談いただける方

 

 

1. 講 演

 

管理コストを3割削減するための見直し術」

これまで弊社のコンサルティングによって大幅なコスト削減を実現した事例を紹介しながら、その費用項目ごとに効果的な見直しポイントを解説します。

【内 容】

■ ポイント1:管理人の勤務体制と業務内容
最も多く見られるのが、管理員の勤務時間が過剰なケースです。また、その業務範囲も物件の特性によって違いが見られます。

■ ポイント2:設備保守点検の契約形態と実施頻度(エレベーター、機械式駐車場など)
エレベーター、消防、機械式駐車場など各種共用設備の保守点検費用は管理組合側には相場観がないため、メスが入りにくいテーマです。

■ ポイント3:遠隔監視&緊急対応費用(ホームセキュリティを含む)
設備保守点検と同様に相場観が掴みづらい項目ですが、そのため割高になりがちです。

■ ポイント4:事務管理費など管理会社の経費
管理会社によって提示金額が異なりますが、物件の規模に応じたで適正な市場価格がわかります。

【講 師】 村上 智史(弊社代表取締役)

 

2. 個別相談会(※会場参加者のうち希望者のみ 事前にご予約ください。)

貴マンションの管理委託費を簡易診断させていただきます。(無料)

その他、管理会社の変更や大規模修繕、電気料金削減、設備更新工事などのご相談も随時承ります。

 

【お申込み方法】

(1)会場参加の場合

弊社サイトの「問い合わせページ」より、お申し込みください。

 

お問い合わせ内容は「その他」を選択のうえ、コメント欄に「セミナー参加希望」とご記載ください。(お名前、マンション名、メールアドレス、電話番号等を必ずご記載ください。)

 

<注意事項>

※ 会場では、マスクの着用をお願いいたします。

※体調のすぐれない場合には、無理をなさらず欠席をお申し出ください。

(当日キャンセルでも、参加料金はいただきません)

 

(2)オンライン受講をご希望の方

弊社サイトのお申込み専用ページからお申し込みください。

(お名前、マンション名、メールアドレス、電話番号等をご記載ください。)

 

加までの流れや、オンライン会議の利用に慣れていない方向けの説明も上記ページにてご案内していますので、ご参照ください。

 

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「ペット飼育OK」のマンションが、今どきの「常識」か?

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先日、顧問先のマンションで通常総会が開催され、上程された議案はすべて特に問題なく承認されました。

 

最後に、議長である理事長さんから「何かご意見があればどうぞ」と議場に問いかけたところ、出席者の一人から以下のような発言がありました。

 

「このマンションの使用細則では、ペットの飼育は不可となっているが、これを見直してもらえないか。」

「世間一般では、制約条件はあるにしても、犬・猫等の小動物の飼育は認めるマンションの方が多いと思う。」

 

<参考記事>

financial-field.com

実は、別の顧問先のマンションで、昨年同じような話がありました。

 

このマンションも竣工当初からペット飼育は「不可」なのですが、「室内で飼っている住民がいるらしい」という情報が入ってきました。

 

そのため、当時の理事会では「住人の多数がペット飼育に抵抗がないなら、いっそのこと使用細則を変更して公認してもよいのではないか」との意見が挙がりました。

 

そこで、住民向けにアンケートを実施することになり、ペット飼育を認めることに賛成か反対かをヒヤリングしました。

 

全体39戸のうち回答したのは、6割強の25名。

 

「賛成」と「条件付きで賛成」の合計が16なのに対し、「反対」が9でした。

 

つまり、全戸数の2割以上が反対だったのです。

 

アンケートのコメント欄を見ると、反対する理由としては

「動物アレルギーがある」

「騒音等の問題が生じるおそれがある」

といった予想された回答以外に、

「ペット飼育NGのマンションだから購入した」という意見も複数あったのです。

 

冒頭の総会での意見のように、「ペット飼育可のマンションが今やスタンダードで、流通市場でも人気がある」という見方もあるのでしょうが、「ペット飼育不可」という特徴に価値を認めるマーケットもたしかに存在することがわかりました。

 

「ペット飼育OK」のマンションでそれを「NG」にするのは至難の業なのでしょうが、その逆も決して容易ではないというわけです。

 

<参考記事>

 

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

 
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高経年・小規模マンションでも管理会社のリプレイスはできる!

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都内にある顧問先マンション(築46年目・17戸)では、あまりにも管理会社の怠慢ぶりが酷いため、管理会社変更(=リプレイス)の検討をしています。

 

具体的にはこのような状況です。

(1)建物の老朽化に伴う修繕・更新等について見積りの提出などが一切なく、計画的な修繕がほとんど行われていない。

(2)管理会社の担当者への依頼事項のほとんどが放置されるか、大幅に遅延している。

(3)理事会開催の提案、(法定義務である)月次会計報告書の提出、管理委託契約の更新の申出もなされない。

(4)管理費の長期滞納者がいるのに、督促等の進捗報告や回収の提案がなされない。

(5)住込みの管理人が勤務時間中にもかかわらず、受付窓口がクローズされている。(玄関チャイムで呼び出さないと応対してくれない)

(6)管理規約が竣工当時のまま一切改正されていないが、実際の運用は規約と異なる方法で行われている。(規約上は管理者方式を採用しているため、理事会に関する定めが記載されていないにも拘らず、役員が総会で選任されていた → その後当社のサポートで実態に合わせて全面的に改正)

 

<参考記事>

 

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

 これでは、管理委託費がいくらリーズナブルでも意味がありません。

 

そのため、新たな管理会社の候補先を3、4社選び、うち3社に現地調査と見積もり提案を依頼しました。

 

ただ、いずれの候補先も、住み込み方式の管理人はNGのため、日勤の管理人を派遣するプランか、(管理人を派遣せずに)清掃作業員のみを派遣するプランの2案で提出してもらいました。

 

その結果、現状の管理委託費の水準と同等、もしくは安くすることもできることがわかりました。

 

さらに注目すべきは、金額面以外の条件です。

以下の通り、今の管理会社と比べて質的なサポートが手厚く感じられる提案もありました。

 

(1)長期修繕計画の作成と更新

定額委託費の範囲で長期修繕計画及び資金計画の立案を実施する。

(通常は別途有償で30万円以上かかる)

 

(2)建物・設備劣化診断の実施

年2回設備点検を実施し、報告書で写真添付のうえ現況を判定(〇正常、×不良、▲要緊急補修、☆要交換・整備)を実施)する。

 

(3)滞納者への督促対応

管理費滞納者への督促(電話・書面送付・自宅訪問)を12ヶ月間実施する。

(通常は6ヶ月間まで)

 

(4)コールセンターの受付対応

一般的な問い合わせについては毎日営業時間内(9:00-19:00)で受付けるが、緊急時は24時間常時受付ける。

 

今回の提案を受けて分かったことは、

高経年・小規模マンションでも、都区部にある場合には複数のリプレイス提案が受けられるうえ、(委託先によっては)現状よりも有利な条件を提示されることもある、ということです。

 

新築マンションの供給が減少するなか、管理会社の経営環境は厳しくなっています。

そのため、「より高い収益が見込める既存物件」をリプレイスで受託したいと考えています。

 

では、「より高い収益が見込める既存物件」とはどのような条件でしょうか?

 

マンション管理の事務は労働集約性が高いあるため、一定の業務効率を維持できるように、

1)都区部など利便性の高いエリア

(2)物件規模が一定以上のもの(たとえば50戸以上など)

のいずれかの条件を満たすことが求められつつあります。

 

今回取り上げたマンションでも、当初の候補先の1社から「物件規模が小さいので、見積もりを辞退したい」との申し出がありました。

 

ただ、たとえ小規模でも、周辺に既存の受託物件のある老舗管理会社などの場合は歓迎されることもわかりました。

 

なお、高経年物件については、役員のなり手不足などで組合運営に支障が生じるリスクがあるものの、修繕工事案件を受注できるチャンスが多いため必ずしも不利にはなりません。

 

言い換えれば、都心から離れた郊外エリアの小規模マンションは、営業対象から外されるか、委託費が割高な条件になるリスクがあると言えるでしょう。

 

<参考記事>

 

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

  

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

 

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

  

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ご存知ですか?マンション大規模修繕工事の資金を「無利子」で調達する方法

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都内のワンルームマンション(築16年目)では、2年前に「第三者管理」に変更となり、現在マンション管理士である私が理事長を務めています。

 

この7月に、このマンションで1回目の大規模修繕工事が竣工したのですが、資金繰りで苦労したので、その体験談をご紹介します。

 

この大規模修繕工事のために3千万円の負担を強いられることになりました。

ただ、このマンションには繰越剰余金が1千万円強しかありませんでした。

 

また、築15年を超えると、大規模修繕以外にも、給水ポンプ、集合インターホン、消防設備、照明器具といった各種共用設備の耐用年数に到達し、そろそろ更新が必要な時期を迎えます。

 

それを考えると、一定の剰余金を確保しておく必要もあるため、結局大規模修繕費用全額に近い資金を外部から調達する必要があることがわかったのです。

 

では、どこから調達するのか?

 第1候補は、住宅金融支援機構です。

 

支援機構には、「マンション共用部分リフォーム融資」という商品があり、

最長10年間(原則)の無担保融資が受けられます

 

www.jhf.go.jp

借入金利も現時点では、年利0.55%と、非常に低い水準です。

<なお、支援機構の発行する債券(=マンションすまい・る債)を保有している場合は、0.2%引下げの優遇が受けられます。>

 

ただし、融資を受けるには、以下のとおり「一定の条件」を満たす必要があります。

<主な条件>

(1)総会の決議で(a)から(f)までの全てが決議されていること。
   (a) 管理組合が共用部分の工事を実施すること。
   (b) 管理組合が住宅金融支援機構から借入れをすること
   (c) 借入れの返済には修繕積立金を充当すること。
   (d) (公財)マンション管理センターに保証委託すること。
   (e) 手持金に充当するために一時金を徴収する場合は、その旨と徴収額
   (f) 修繕積立金を増額する場合は、その旨と増額後の額

(2)修繕積立金の滞納割合が原則として10%以内であること。

(3)毎月の返済額が毎月徴収する修繕積立金の額の80%以内になること。

 

ただし、3千万円の借入金を今後10年で返済するには、元本だけで毎年3百万円ずつ返済しなくてはなりません。

 

しかも、上記(3)の条件を満たすには、毎年修繕積立金を4百万円程度に設定する必要があります。

 

そのため融資に先行して、今年の総会で修繕積立金を40%増額改定することを提案し、決議・承認を得ました。

 

なお、支援機構の融資については留意すべきことがあります。

 それは、工事の完成を確認した後にはじめて融資が実行される!ということです。

 

ただ、このマンションの場合、修繕費のほぼ全額に相当する資金の融資を受ける必要があるうえ、工事竣工まで支払いを待ってくれる建設業者はいないので、このままでは修繕を実施できませんでした。

(そういう意味では「制度的な欠陥」があると思います・・)

 

それでは、どうすればよいか?

それは、「つなぎ融資」を利用することです!

 

このマンションでは、民間企業の「リコーリース」から工事着工時につなぎ融資を受けることで、なんとかこのハードルをクリアすることができました。

 

無担保融資で年利2.5%ですが、

融資期間を3ヶ月と仮定すれば、実質0.6%強です。

<詳細は下記ページ参照>

 

www.r-lease.co.jp

そして、 支援機構の融資に関連して、ぜひ知っておきたいことがあります。

 

それは、東京都のマンション改良工事助成制度」です。

(下記サイト参照)

 

www.mansion-tokyo.metro.tokyo.lg.jp

本制度は、分譲マンションの適正な維持管理の促進を目的に、計画的に改良・修繕する管理組合に対して、支援機構と連携した助成(利子補給)を実施するものです。

 

助成の内容は、支援機構の金利が1%(1%未満の場合は、当該金利)低利になるよう、都が管理組合に対し利子補給するというものです。

 

支援機構の融資金利はすでに1%を切っているので、

この助成金を受けることで事実上「無金利」で融資を受けられることになります。

 

このマンションでも、先日東京都から助成金支給決定の通知が届いたので、今後10年間元本の返済だけで済むことになり、管理組合の負担を軽減することができました。 

 

なお、この助成金は、都内にある分譲マンションだけが対象になるのでご留意ください。

 

 <参考記事>

 

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

 

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

  

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

  

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

  

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

  

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保険代理店にマンション管理会社を選ぶと、なぜ「損する」のか?

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先日、築40年のマンションでの保険契約更改にあたってご相談があり、契約の見直しをサポートすることになりました。

 

現在の保険証券で契約内容を確認したところ、「1年契約」となっています。

この段階で「ん?」と思いました。

 

通常は、5年の長期契約を選択するのが一般的(常識)だからです。

 

その理由は、2つあります。

 

第1に、長期契約の方が保険料が「お得」です。

5年契約で保険料を一括前払いした場合には、1年契約に比べて保険料が1割以上ディスカウントされるからです。

 

第2に、保険料の増額リスクから(契約期間中は)解放されます。

近年、大雨や暴風の発生による損害が大幅に増えているため、各損保会社は保険料を毎年のように増額改定しています。

 

来年1月にも、損保各社が一斉に保険料を値上げする予定ですが、1年契約を継続するとその影響をモロに受けることになるので、明らかに損です。

 

<参考記事>

diamond-fudosan.jp

 

にもかかわらず、なぜこのマンションは1年契約を選択しているのか?

それは、保険代理店を兼ねている「マンション管理会社」に原因があります。

 

この管理組合は「S損保」と契約していますが、

S損保は、管理会社と同じ企業グループの系列会社です。

 

ただ、S損保の場合、高経年のマンション向けの長期契約プランがないため、1年契約を強いられているというわけです。

 

ただ、こうした利益相反の事例は珍しくなく、「管理組合あるある」です。

 

マンション管理会社にとって、

保険代理店としての手数料は各種修繕工事の請負収益と同様に「重要な副収入」のひとつです。

 

管理会社自体が大手損保各社の「相乗り代理店」となり、受託先の管理組合に対して保険加入の提案をし、継続更改しながら安定的な収益を稼いでいるのです。

 

それ自体は結構ですが、問題はその「提案スタイル」にあります。

 

管理会社自体は相乗り代理店なので、契約更改の際に大手損保5、6社から相見積もりを取得のうえ管理組合に提案することが可能なのですが、実際にはそのような「親切な提案」は行われていません。

 

ほとんどの場合、現契約先での更改プラン一択か、せいぜいもう一つ他社の見積もりを加えて二択で提案するくらいにとどまっています。

 

その理由は、相乗り代理店として収益を最大化するには、損保各社満遍なく実績を上げていく必要があるからです。

 

たとえば、現在管理組合が契約中の損保A社の保険料が増額改定されたため、更改時点では同業他社に比べて割高になったとします。

 

その場合、損保A社の代理店である管理会社は、顧客の管理組合にとって有利な引受け条件を提示できる同業他社の見積もりを提案すべきでしょう。

 

しかし、それを実践している管理会社はまずありません。

 

損保A社での成約実績が減ると、代理店としての評価も引き下げられるので、1件あたりの手数料割合(保険料の2割〜3割程度とされる)が減らされるからです。

 

つまり、管理会社の利益相反問題は、マンション保険にもあるわけです。

 

しかも、底意地の悪い管理会社の場合、見直しによって自らが保険代理店を外れそうになると、管理組合に「圧力」をかけて揺さぶってきます。(関連記事参照)

 

<参考記事>

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

 

その典型的な事例が、

「今後は保険事故が発生しても、保険金申請・請求にかかる取次ぎをしない」

というものです。

 

しかし、これは管理委託契約に反する行為です。

 

管理会社の「事務管理業務」には、「契約事務の処理」という項目があり、「管理組合が行うべき損害保険契約に係る事務を、組合に代わって行う」と記載されています。

 

たしかに具体的な事務の範囲・内容までは言及しておらず、保険金請求事務を行うのかどうかまでは明記していないことが多いのです。

 

そのため、マンション管理会社の所管団体である「一般社団法人マンション管理業協会」の相談窓口にヒヤリングしたところ「標準委託契約で定められた損害保険契約における事務には、保険金請求の代行業務も当然含まれる。」という回答を得ました。

 

そのことを知ってか知らずか、素人集団の管理組合に誤った説明を堂々と行って翻意させようとする悪徳業者もいるので、ご注意ください。

 

<参考記事>

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

 

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