マンション管理士|村上智史の「士魂商才」 

無関心な居住者が多いマンション管理組合に潜む様々な「リスク」を解消し、豊かなマンションライフを実現するための「見直し術」をマンション管理士:村上智史(株式会社マンション管理見直し本舗 代表)がご紹介します。

管理会社が長期修繕計画を作成すると、修繕積立金がさらに足らなくなる!?

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顧問先のマンション管理組合(30戸)では、長らく放置されてきた長期修繕計画の更新に今年着手することになり、その業務を委託先の大手管理会社に発注しました。

 

先日、その更新案について説明を受けたのですが、いやはや驚きました。

 

このマンションの場合、前回作成した際には30年間で必要な資金はおよそ2億円。

国交省のガイドラインとほぼ同水準の金額でした。

 

これを均等積立方式を前提に専有面積あたりで換算すると、

月額210円/㎡程度です。

 

ところが、管理会社が作成してきた長計上の金額はその2倍のなんと4億円!

つまり、月額あたり400円/㎡を超える水準でした。

 

ちなみに、付設駐車場は平面式のため、機械式駐車場の修繕費の加算は不要です。

 

また、エレベーター1基の4階建て(地下部分もなし)、通常の外廊下方式の極めてスタンダードなマンションで、特段考慮すべき事情等はありません。

 

ただ、大規模修繕を12年毎に実施する周期のため、計画期間との兼ね合いで通常2回分のところ、今回3回分が含まれてしまっていました。

 

それが増額に影響しているのは確かですが、それでも倍増というのはあんまりです。

 

フロント担当者にその点を指摘したところ、

工事費の単価等は自社の受託実績をもとにその平均値をもとに積算している」とのこと。

 

それを聞いて、「謎」が解けました。

割高になりがちな管理会社の受託実績を反映させているからです!

 

フロント担当者もさすがに「国交省ガイドラインの2倍」は拙いと思ったのか、

再度見直しさせて欲しいとの話になり、その後実質的に200円台後半の水準に改訂された計画で再提出されました。

 

長期修繕計画に、工事の実績金額を反映させること自体は合理的な試みです。

 

が、それが適度な競争原理が効いた環境下のものでなければ、修繕資金の想定額が以前よりも大きく膨張する可能性があるので注意が必要です。

 

<参考記事>

 

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

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