先日、ある大規模マンションの理事さんから、「長期修繕計画の大規模修繕工事費用が増えた原因を教えてほしい」とのお問い合わせがありました。
以前、他のマンションでも長期修繕計画が更新される際に従前に比べて大規模修繕工事の費用が上昇した例が見られました。
冒頭の問い合わせのあったマンションについて理事さんが調べたところ、「見積りの前提条件である足場設置面積が2倍近く増えた」ことがわかりました。
これは、
「建築現場における労災防止のための安全対策強化」が原因と考えられます。
6年ほど前から足場からの墜落・転落による労働災害の防止対策を徹底するよう、厚労省から建築業者に対して指導がなされています。
(下記サイトページ参照)
建設現場における死亡事故原因のワーストが、足場からの墜落・転落、飛来落下であることは 半世紀余り変わっていません。
こうした足場からの墜落・転落事故を防止する対策として、
「手すり先行工法」という足場が新たに生まれました。
この「手すり先行工法足場」とはどういうものか?
具体的には、
■「先行型二段手すり」の設置
■「つま先板」の設置 という2つの特徴があります。(下図参照)
つまり、現場の職人さんが足場を使用する際、「二段手すり」と「つま先板」と呼ばれる幅木があらかじめ備えられているのでより安全な状態で作業が出来るということです。
悩ましいのは、
この足場は通常の枠組み足場に比べて仮設代金が5割ほど高くなることです。
これは行政指導であって法的な義務ではないため、必ずしもすべての工事業者がこれを採用しているわけではありません。
また、逆に枠組み足場も設置せず、いわゆる「ロープ・ブランコ工法」で行うことでより安価なコストを売りにした施工業者も多数あるのも事実です。(下図参照)
管理組合としては、より広い視点で工事の発注先と工法を選択することが必要です。
<参考記事>
yonaoshi-honpo.hatenablog.com yonaoshi-honpo.hatenablog.com
※ ブログ認知度向上にご協力いただければ嬉しいです (^▽^)/
↓ ↓