マンション管理組合で割高な費用の負担を強いられるのは、管理委託費や大規模修繕だけではありません。
マンションでは、共用部にある各種設備についても一定の耐用年数を超えると「更新」すべき時期が下記のように必ず到来します。<※カッコ内は更新時期の目安>
◆エレベーター(25~30年)
◆集合インターホン(15~20年)
◆機械式駐車場(20~30年)
◆貯水槽(20~25年)
◆給・排水管(25~30年)
こうした設備についても数百万円~数千万円単位の高額な出費になります。
しかし、実態としては管理組合が主体的に検討することもなく、管理会社の提案するがままに実施していることがほとんどで、その結果得べかりし経済的なメリットを逸していることが少なくないはずです。
今回は、管理組合が「損」をしないために、こうした設備更新の際に留意すべきポイントを4つご紹介しましょう。
#1 見積りは、複数のルートから取得する
委託先の管理会社だけからしか見積りを取得しないのは、割高な費用負担になる可能性が大です。
競争原理を働かせて適正な金額になるように、メーカーの販売代理店から直接見積りを取って、相場がどれくらいかは少なくとも確認するようにしましょう。
#2 設備の型式・機能を確認する
集合インターホンについては、概ね2社のメーカー(アイホン・パナソニック)しか供給していませんが、数年おきにバージョンアップしています。
まずは、それがいつ販売開始された商品なのかを確認しましょう。
そして、高性能ではあるものの特に必要ない機能を備えているために金額が張ることもあります。
TVモニター画面の大きさ、訪問者の画像保存機能、広角レンズの採用などの機能性と価格のバランスをチェックすることをお薦めします。
#3 全面更新がベストかどうかを検討する
たとえば給排水管の更新する場合、既設の管を撤去して新たな管を設置するのですが、多額の費用負担だけでなく、工事期間も長くかかるため、日常生活への支障も避けられません。
なので、更新に代わる次善の策として「更生工事」と言って既設管の内部をライニング※を施して延命するという選択肢もあります。(※配管内部を研磨した後、樹脂塗膜コーティングを施して衛生性と強度を確保する方法のこと。)
更生工事によって、撤去新設工事よりも費用負担が減らせるだけでなく、工期も短縮できるというメリットがあります。
エレベータについても同じです。
停電や地震の際の閉じ込めを防ぐような制御システム等は新しくしても、カゴやレールなどは既存設備を継続利用することでコストを抑える方法が今や主流です。
#4 設備更新を機に、維持管理コスト削減を図る
設備更新によって、その後の保守点検費などの維持コストを下げることが可能になるケースも少なくありません。
たとえば、エレベータの保守点検。
超高層マンションに設置されるようなハイエンドな設備でないならば、メーカー系以外の保守専業業者に委託することを検討してみてはどうでしょうか。
点検頻度などの仕様が同じでも、
メーカー系に比べて半値近い金額で委託することができると思います。
一方、集合インターホンシステムも警備業者による遠隔監視と事故等発生時の緊急対応業務と機能的に連携しており関係が深いという特性があります。
最初は、特定の警備会社専用の警備機器が設置されているために他社に切り替えできなくとも、設備更新によってその制約から解放されるため相見積りを取得でき、その結果監視費用が大幅に下がるというチャンスも生まれるのです。
具体的な設備の更新事例については、本日掲載されたSUUMOジャーナルの「マンション理事会のお悩み(5)設備の更新、管理会社まかせはNG」をご覧ください。
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