マンション管理士|村上智史の「士魂商才」 

無関心な居住者が多いマンション管理組合に潜む様々な「リスク」を解消し、豊かなマンションライフを実現するための「見直し術」をマンション管理士:村上智史(株式会社マンション管理見直し本舗 代表)がご紹介します。

史上最速の4ヶ月で解決!マンション管理委託費の減額交渉

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都内にあるコンサルティング先のマンション(築24年目・34戸)にて、先日臨時総会が開催され、管理委託契約の変更に関する議案が全会一致で承認され、この12月から管理委託費が従前に比べて3割削減することになりました。

 

年間のコスト削減の効果は、税込で約160万円。

戸あたり平均で47,000円です。

 

このマンションでは、諸経費の上昇に伴い一般会計が逼迫しており、今年の夏に管理費の徴収額を増額しましたが、今期の収支予算でもなお大幅な赤字が見込まれており、このままでは再度の増額改定の検討を余儀なくされる状況にありました。


そのため、今期理事会では管理委託費等の管理コストの適正化による剰余金の創出を図るため、有償で当社の診断を受けたところ、契約条件の見直しを行うことで一般会計収支を大幅に改善できる余地があることがわかりました。

【管理委託費に関する診断結果の概要】
1) 現行の管理仕様を維持した場合、現在比18%の削減余地
 (年間経済効果:100万円 → 戸あたり平均 @2.9万円/年 )

2) 管理仕様を一部変更した場合、現在比27%の削減余地。
 (年間経済効果:153万円 → 戸あたり平均 @4.5万円/年)

 

このマンションの特徴として、管理員の業務の仕様に見直し余地がありました。

【従前の仕様】
・管理員業務 :週3日(火・木・土曜勤務 1日 実質7.0時間 )

 

30戸程度の規模のマンションの場合、管理員の勤務時間は「週勤3〜5日、かつ1日4時間以内」が一般的です。


現状の仕様は、1日あたりの勤務時間数が長い一方、出勤日数が少ないため、小まめな清掃が行き届かない印象があります。

 

また、この地域はゴミ収集が最大で「週5日」ありますが、所定の出勤日以外は管理員の「早出残業代」が年間で約5万円発生していることがわかりました。

 

そのため、理事会で協議した結果、管理員を「週5日・3時間/日」の勤務時間に変更した場合の見積もりを今年の8月下旬に管理会社に要請しました。

 

その結果、申し入れから1ヶ月後の9月末に、管理会社から以下の提示がなされました。

【現行仕様の場合】 組合目標:年間約100万円削減

 ⇨ 現状比▲18.5%(年間約▲102万円・税込)の削減

 

【仕様変更の場合】 組合目標:年間約153万円の削減

  <管理員業務:週5日・3h/ 日勤務に変更>
 ⇨ 現契約比▲29%(年間約▲160万円・税込)の削減。

 

1回目の交渉で管理会社から満額回答を得られたのは、史上初めてです。

 

総会には上記のうち仕様変更案を議案を上程し、特に反対意見もなくスムーズに可決承認されました。

 

というわけで、

8月のコンサルティング契約の締結から11月の臨時総会決議まで、

なんと4ヶ月間というスピード解決となったわけです。

 

なお、このマンションでは先行して実施したマンション保険の見直しや電子ブレーカーの導入による電気料金の削減によって、上記の管理委託費と合わせると年間200万円近い経費削減ができたため、管理費の再増額は当面必要のない状況になりました。

 

<参考記事>

 

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

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