マンション管理士|村上智史の「士魂商才」 

無関心な居住者が多いマンション管理組合に潜む様々な「リスク」を解消し、豊かなマンションライフを実現するための「見直し術」をマンション管理士:村上智史(株式会社マンション管理見直し本舗 代表)がご紹介します。

総会直前の業務委託費の増額提案に物申す!

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顧問先のマンションで8月下旬に開催された理事会のことです。

事実上今期の最終回となり、いよいよ役員改選も兼ねた通常総会のスケジュールを決めた直後に、管理会社から管理委託契約の更新について説明がありました。

 

このマンションでは、約2年前に管理コスト適正化の一環で管理委託費を3割近く減額してもらったばかりなので、そのままの条件で継続だろう・・・。

 

と思いきや、

「月額3千円増額してほしい」との申し出がなされたのです

 

理由は、清掃業務の人件費が高騰しているためとのこと。

 

再委託先業者から値上げの人手不足で労務単価が上昇しており増額の要請を受けている。

 

他社にも相見積もりを取って検討したが、業界全体的に厳しい状況なので認めてほしいとの由。

 

清掃費を時間単価で換算すると、現状の水準は確かにギリギリかもと思いました。

 

しかし、この管理会社にはいくつか「カウンターパンチを出す余地」がありました。

 

第一は、オファーのタイミングです。

 

たしかに管理委託契約は12月1日以降の更新なので、期間満了の3か月前までに条件変更の申し出を行っておりそれ自体に問題はありません。

 

ですが、総会を間近に控えており、契約更新の議案も当然上程するつもりでオファーしてきています。

 

つまり、管理組合側が増額提案を受け入れることを念頭に置いているわけですから、少々強引な姿勢だし、もっと早い段階でオファーできたのでは?と感じました。

 

第二は、フロント担当者のこの1年間の業務品質に関する問題です。

 

対応がしばしば遅れがちのため住人からクレームを受けたり、照明が漏電で不点灯になった際には、その原因が漏水と思い込んでしまったために、真の原因にたどり着くまで多大な時間がかかった(結局、照明器具の金具が配線に接触したことが原因と判明)という一件もありました。

 

そして三つ目は、

管理委託費全体として、まだ割高な部分も残っているということです。

 

2年前に減額交渉をして従前に比べて3割ほど下げられることになったので妥結しましたが、業務項目によってはまだ割高な部分もあり、組合側としては「満額回答」のレベルではありませんでした。

 

なので、そっちが増額を要望するなら、こっちもカウンターで再度減額の要望をさせてもらいますよ、と言うこともできるのです。

 

これらの「反論材料」を管理会社に伝えたうえで、「今回の増額提案には応じがたい。どうしても増額したいなら、来期の理事会でじっくりと条件交渉しましょうか?」とボールを投げ返してみました。

 

その数日後、「今回の増額提案は取り下げます」との回答が来ました。

 

近頃、管理委託費の値上げ要請が増えているようですが、交渉相手として管理組合はやや「舐められている」部分もあるのは確かです。

 

総会直前の段階で唐突に増額要求をして勢いで受諾させようというスタンスがそれを明確に示唆しています。

 

管理組合側も「仕方ないか」とすぐに諦めるのではなく、じっくり検討することが大切です。

 

 <参考記事>

 

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

 

 

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

 

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