マンション管理士|村上智史の「士魂商才」 

無関心な居住者が多いマンション管理組合に潜む様々な「リスク」を解消し、豊かなマンションライフを実現するための「見直し術」をマンション管理士:村上智史(株式会社マンション管理見直し本舗 代表)がご紹介します。

管理コスト適正化の邪魔!マンション共用設備に付帯する厄介な契約とは?

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マンション管理組合の維持コストを適正化するためのコンサルティングをしていると、適正化の障害になる事象に直面することが少なくありません。

 

その中での「あるある事例」を2つご紹介します。

 

(1)集合インターホン設備が警備会社オリジナル仕様の場合

これは最大手のS社に多いのですが、ベースはアイホンなどの有名メーカー品ながら、それに独自の機能を加えた商品を提供しているケースです。

 

ただ、独自の機能と言っても、特筆すべきものではなく、メディカルサービスをオプション(別途費用)で利用できる程度のものです。

 

本当の狙いは、警備会社の変更を阻止することにあると思います。

と言うのも、このようなOEMタイプの設備の場合、警備会社の委託費が割高なので、リプレイスを試みても同じ仕様を維持することが難しいのです。

 

たとえば、今現在マンションの部屋ごとの警備信号を受信できるようになっている場合でも、それが他の警備会社に変更すると全戸一括でしか受信できなくなる、というケースです。

 

居住者としては、住戸別か一括受信かのような違いについて細かく認識していないのが普通なのですが、いざ変わるとなると気にするのが人情というものです。

 

その結果、他社へのリプレイスが難しいとなると、その警備会社との委託費交渉において主導権が握れず、結局コストの適正化を実現することができない・・というわけです。

 

このような場合、集合インターホン設備のリニューアル時期(築15年前後)が到来するまで辛抱するしかなくなってしまいます

 

別のケースでは、管理会社と警備会社があらかじめ提携してインターホン設備だけでなく、各住戸玄関の電気錠システムも構築し、セキュリティシステムを提供している場合にも遭遇しました。

 

ところが、インターホン設備のメーカー(外国製)の部品供給が停止したために、メンテナンスが不可能になり、築12年目の段階で早くも電気錠システムともども設備全体の更新を余儀なくされてしまいました。

 

一般的なインターホン設備なら@10~15万円で済むところが、結局戸あたり35万円もの大きな出費となってしまいました。

 

(2)共用設備の一部がリース契約になっている場合

以下のような共用設備について、新築当初より管理組合が6~8年程度の期間でリース契約を締結していることもあります。

 

 ■ 防犯カメラ

 ■ メールボックス一体型宅配ロッカー

 ■ 非常用充電器

 ■ ガス給湯器

 

まず、リース契約になっているということは、すなわちマンション購入代金の中にこれらの設備代金が含まれていないことに留意すべきです。

 

第2に、リース契約は、買い取り(購入)プランに比べて期間金利や動産保険料、あるいはリース会社の経費利益の分だけコストが上乗せされているため、どうしても割高になります。

 

第3に、そのリース契約が設備の保守管理契約とセットになっている場合、保守管理費が割高であっても、リース契約が満了するまでそこにメスを入れることができません

 

このように、消費者やユーザーの無知・無関心を逆手に取って、デベロッパーや管理会社は巧妙な仕掛けを張り巡らして利益を確保しようと日夜努力しているのです・・。

 

それに対抗するには、われわれも知識と情報で武装するしかありません。

 

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 <参考記事>

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