大手管理会社の「コミュニティワン」が、7月 13日付けで監督官庁(国交省関東地方整備局)より、いわゆる「マンション管理適正化法」にもとづく「指示処分」を受けたとの発表がありました。
処分理由は、管理受託している管理組合において、同社営業担当社員(当時)が管理組合の財産 (金員)を着服したことによって損害を与えたためとのことです。
なお、着服金相当額については同社が全額補填 し、管理組合には了承の得て現在も管理業務を継続しているとのことです。
コミュニティワンといえば、旧称「ダイア管理」で、もともとは「ダイアパレス」シリーズで有名な「ダイア建設」の直系子会社でした。
しかし、その後親会社の経営が悪化し、2008年12月に民事再生法を申請、今では大和地所と合併し、ダイア建設自体は解散しています。(新潟と名古屋エリアで分社化して分譲事業を継続中。)
親会社の存在を失ってしまった後、ダイア管理は2009年に今の社名に変更し、その後2013年に「東急コミュニティー」の傘下に入り、東急不動産グループの一員となりました。
それでも現在、いまだ社員数:3,700名 年間売上高:250億円 受託物件:16万戸を誇るの大手マンション管理会社の「老舗」のひとつです。
ちなみに調べてみたところ、昨年からだけでも、社員による金銭着服事件で行政処分を受けた管理会社が他に7件もありました。
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2017年 2月 西新ビルサービス (東京建物系 「改善措置指示」処分)
2017年 3月 住友不動産建物サービス(住友不動産系「改善措置指示」処分)
2017年 4月 第一不動産 (他の違反を含め「業務停止」処分)
2017年10月 ティエスコニュニティ (現コミュニティワン「改善措置指示」処分)
2017年12月 クラシテ (「改善措置指示」処分)
2018年 3月 星光ビル管理 (日本生命系 「改善措置指示」処分)
2018年 3月 大林ファシリティーズ(大林組系 他の違反を含め「業務停止」処分)
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違反に対する行政処分は、以下の通り「指示」→「業務停止」→「登録取消」の順で重くなっています。
(1)指示処分
国交省が是正改善のための措置を具体的に示して管理業者に命令するもの。
(2)業務停止処分
1年以内の期間を定めて管理業務の停止を命ずるもの。この期間、新たな広告や営業や契約締結はできなくなるが、現在受託中の管理業務は継続できる。
(3)登録取消処分
マンション管理業者としての国交省への登録が取り消されるため、マンション管理業は事実上出来なくなる。
不祥事発生の背景として、
いまだに管理会社が組合名義の銀行口座の通帳と印鑑の両方を保管しているというベーシックな法令違反も目立ちます。
こうした管理会社は、日頃から「内部監査」をろくにやっていないのでしょう。
まったく論外です。
しかしながら、上記の通り金銭着服事件を起こした管理会社のほとんどが最も軽い指導処分しか受けていないのが実態なのです。
国交省は、このような処分の繰り返しで再発防止効果があると考えているのでしょうか?
不祥事の再発を防げない一因には、こうした行政の甘い監督ぶりにもあるように私は思います。
<参考記事>
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