マンション管理士|村上智史の「士魂商才」 

無関心な居住者が多いマンション管理組合に潜む様々な「リスク」を解消し、豊かなマンションライフを実現するための「見直し術」をマンション管理士:村上智史(株式会社マンション管理見直し本舗 代表)がご紹介します。

騙されてはいけない!管理会社の「コスト削減」提案

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以前、 当社にご相談いただいて管理委託費の査定診断を行った管理組合さんが、管理会社に対して管理委託費の減額を要請したところ、以下のような提案を受けたとの連絡がありました。

 

1)エレベーター保守会社の変更

2)巡回点検(年2回)の中止

 

「お陰で貴社の査定とほぼ同じ2割弱のコストダウンができそうです」と理事長さんからお礼の言葉をいただきました。

 

しかし! その内容を見て驚きました。

 

まず、1)については、現在管理会社が再委託しているメーカー系保守会社から独立系の業者に変更することで、委託金額が現状の約3分の1近くまで下がるということでした。

 

ただ、契約内容について重要な変更が伴っていました。

 

現在のフルメンテナンス(FM)契約が、POG契約に変わるのです。

 

 FM契約とPOG契約の違いをご説明しましょう。

 

下の図表に示した通り、POG契約と違ってFM契約の場合は

委託費用の中に「点検・給油・調整」や「消耗部品の交換」だけでなく、「部品の修理・交換」の代金も含まれています。 

 

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したがって、上記の通り業務委託費としては大幅なコスト削減ができるので一見ハッピーに感じますが、将来の修繕費用が管理組合の負担リスクとして残ることになります。

 

つまり、保守業者の変更に伴うコスト削減効果も一部含まれているかもしれませんが、その大半は将来の修繕費の増加で相殺されてしまう可能性が高いのです。

 

次に、2)の巡回点検中止の提案ですが、

管理会社からは「法定の義務ではないので・・」という理由が示されただけでした。

 

ただ、管理組合に代わって少なくとも年2回程度の巡回点検を実施して、修繕が必要な箇所のリストアップと補修等の提案をタイムリーに行うことは、資産価値を維持するためには大変重要だと思います。

 

つまり、これら2つの提案の本質は、「目先だけのコスト削減策」にすぎず、管理組合にとって将来的な経済負担やリスクを上昇させるものだということです。

 

管理委託契約に関する知識・知見に乏しい管理組合が、「プロ」の管理会社と対等に交渉してコスト適正化を実現するのは意外に難しいのです。

 

<参考サイト>

yonaoshi-honpo.co.jp

 <参考記事>

 

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

yonaoshi-honpo.hatenablog.com 

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

 

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