マンションの共用部や外構部分に彩りを添える植栽。
季節ごとに旬の草木が育って花も咲き、その眺めが徐々に変わっていくのを観るのは風情がありますね。
ただ、その景観を維持するのにもおカネがかかります。
マンションの場合、その規模や形状によって植栽の面積や全体敷地に占める割合は千差万別です。
例えばタワー型の高層マンションに比べると、いわゆる大規模な敷地に建つ団地タイプのマンションの場合、コスト全体に占める植栽管理費の割合が高くなります。
#1 植栽管理費のどこにおカネがかかる?
この植栽管理費を植栽の種類ごとに分けた場合に、もっともコストがかかるのは何かご存知ですか?
実は、「高木」がもっとも大きな割合を占めているのです。
これは高木の場合、枝の剪定のボリュームが多くなるうえに、手間のかかる高所作業等も増えるため、人件費を中心にコストがかさむからです。
#2 植栽管理費が経年的に増加するワケ
一方、植栽管理費の変化を同じマンションで定点観測した貴重なデータとして、少々古いものではありますが、UR(都市公団)の賃貸住宅の団地の調査事例が残っています。
それによると、3つの大規模団地の植栽管理費が、築15年の時点から築35年の時点までの20年間で平均2.4倍も増加していたのです。
さらに、コスト上昇の要因を分析したところ植栽の種類によって明らかな差が見られました。芝生の管理費については、20年前に比べて1.2倍の上昇に過ぎなかったのに、樹木に関しては7.4倍にも増えていたのです。
これは、植栽の樹木が年々成長を重ねて垂直方向に伸びた結果、高木の割合が増え、剪定や高所作業にかかるコストが経年的に増加したためと考えられます。
したがって、特に大規模な敷地で植栽エリアが豊かなマンションの場合には、将来的に植栽にかかるコストが財政を圧迫するリスクを潜在的に抱えていると言えるでしょう。
このようなリスクを避けて植栽管理費を上手にコントロールするには、次の3つのポイントに留意することが大切です。
◆あらかじめ樹木の場所や種類別にどの程度の高さまで生育させるかを検討し、剪定のガイドラインを定める。
◆生育環境や樹種によっては、必ずしも毎年の剪定が必要ないものもあるので、1〜3年単位で計画を立てるようにする。
◆マンションの顔になる場所か、人の立ち入りが少ない場所かなどその目的・用途に応じてメンテナンスの程度にメリハリをつけて仕様を合理化する。
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