マンション管理士|村上智史の「士魂商才」 

無関心な居住者が多いマンション管理組合に潜む様々な「リスク」を解消し、豊かなマンションライフを実現するための「見直し術」をマンション管理士:村上智史(株式会社マンション管理見直し本舗 代表)がご紹介します。

マンション販売市場が厳しくなっているワケとは?

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9月13日付けの記事で、分譲マンション市況の悪化を伝える記事を見かけました。

 

gendai.ismedia.jp

 

この記事によれば、

人気住宅街の世田谷区で販売中の新築35物件のうち、実に7割に当たるマンションが売れ残っていて、ひそかに大幅な値引き作戦が講じられているようです。

 

また、このような現象は世田谷区だけでなく、湾岸エリアのタワーマンションでもこれまでのブームに陰りが見え始めているとのことです。

 

その原因を探ってみようと、3年前と現在の定点観測によってマンション市況ならびに住宅ローン金利がどのように変化しているのかを調べてみました。

 

まずは、マンション価格の動向です。

http://住宅ローン.xyz/

              2013年7月    2016年7月

  東京都 平均価格    3,119万円  ⇒   3,747万円

 

 この3年間で、平均価格が2割も上昇していることが分かります。

 

ただ一方で、いわゆる「異次元の金融緩和策」によって住宅ローンの金利も大幅に下がったはずです。

 

フラット35の返済金利の水準を比較してみると、次のようになっています。

フラット35[21年以上]金利推移グラフ -dkmiyabi.jp-

 

              2013年7月    2016年7月

  フラット35(平均)     2.2%  ⇒    1.2%

 

ここで、仮に全額ローンで資金を借りてマンションを購入したとして、総返済額が現在と3年前でどれだけ変わったかを試算してみましょう。

借入希望金額から返済額を計算:【フラット35】

 

               2013年7月    2016年7月

  総返済額(元金+利息)   4,476万円 ⇒    4,591万円

 

つまり、

3年前に比べてローン金利は1%下がったにもかかわらず、マンション価格が2割も上昇してしまったたため、住宅ローンの総返済額は逆に115万円増えたというわけです。

 

今後を占うと、アベノミクスをもってしても景気は足踏み状態のため、世帯収入の伸びは期待できないでしょうし、ゼロ金利政策でこれ以上の金利低下はもはや望めないところです。

 

となると、やはりマンション価格はもはやピークアウトしたと考えるべきで、今後在庫が積み上がってくるにしたがって価格も下がっていくことになるでしょう。

 

 

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マンション管理会社の「満足度ランキング」の意義とは何か?

 

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スタイルアクト株式会社が、自社サイト会員のマンション購入済みの入居者などを対象に実施した管理状況に関する満足度調査の結果をリリースしています。

 

www.sumai-surfin.com

公表サイトのページによると、結果の概要は以下の通りです。

 

■ 有効回答数

2,083 (サンプル数20件以上の管理会社をランキング対象)


■ 調査項目
管理人、管理会社、管理費・修繕 、生活サービス、全体満足度、推奨度の大きく6項目を評価対象とし、ランキングについては、<総合満足度>(全体満足度と推奨度の平均値)にもとづいてから評価。

 

■ ランキング結果

 野村不動産パートナーズ:全体満足度 1位(8年連続)
 ※管理戸数10万戸未満のグループでは、伊藤忠アーバンコミュニティが1位

 

このランキング表と解説を読んで感じたことを率直にコメントします。

 

(1)ランキング公表の目的は何だろう?

ランキングを見ると、野村以下、住友、三井など有名デベロッパーの系列会社が上位に並んでいます。

 

今年で8回目を迎えるようですが、毎年ほぼ同じ顔ぶれと順位です。(今回は三菱が合併の影響で順位を落としていますが、実質的には4位)

 

主催者が何を意図してこのリストを毎年更新しているかの説明はありませんが、私には、「大手デベロッパーの管理会社が総じて上位なので安心ですよ」というメッセージを発信しているようにしか感じません。

 

(2)各社の満足度が総じて低いのは問題にしないのだろうか?

ランキング結果を見ると、満足度が数値化されています。たとえば、1位の野村は71.7、2位の住友は69.6、3位の三井は69.4・・といった具合です。

 

調査項目によっては、90近いポイントもついているので、多分満点は100なのだろうと推測しますが、一般的な合格点を70点以上と考えた場合、1位の野村以外は合格点にすら達していないのではないかと思ってしまいます。

 

芸能人が文化教養力?を競い合うTV番組の「プレバト」に例えると、「才能あり」は1位だけで、あとは凡人以下・・みたいな印象です。

 

(3)理事未経験者が評価してどれだけ意味があるのだろうか?

サイトの解説を読むと、回答者を「理事経験者」と「理事未経験者」に分けて、回答結果に違いを説明しています。

 

そして、「未経験者は表面的な要素(管理費が安い、大手管理会社である、など)で判断する人の割合が高い」という解説もなされています。

 

さらに、管理会社に求める要素の中で最も重視する項目として、理事経験者の約3割が「フロント担当者の優秀さ」と「最低限の業務遂行」を選択していますが、理事未経験者は16%しか選択していません。

 

しかし、サイトページを読み進めると、「理事経験者だけによる満足度ランキング」も別途公開していることが分かりました。

 

それによると、伊藤忠が1位に上昇する一方で、野村は2位、住友は6位、三井は8位にそれぞれ下がってしまいます。その結果、上で公表しているランキング結果とはかなり様相が変わるのです

 

満足度の評価ポイントの構成要素としてどこに比重を置いているかが分からないので、これ以上突っ込むのは困難ですが、理事経験者の回答数を重視して調査する方がより実態に即した管理会社の評価につながるのではないでしょうか。

 

 

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管理会社が「マンションドクター火災保険」を取扱いたくない理由

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 高経年マンションでも、日常の保守点検を着実に実施して、必要なメンテナンスや修繕がなされている場合には、保険料の大幅な値引きが受けられる!

という理由から、

マンションドクター火災保険」はオススメだと本ブログでも紹介してきました。

 

【参考記事】

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

業界紙の「マンション管理新聞」(9月5日号)では、このマンションドクター火災保険について、昨年7月の販売開始から約1年間の成約状況が公表されています。(下の表を参照)

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この保険の見積もりを取るには、あらかじめマンション管理士による「管理適正化診断」を受ける必要があります。

 

公表データからは、診断を受けた管理組合1,090件のうち、約4割にあたる445件が成約したことが読み取れます。

 

ちなみに、私自身が関わった案件では、

管理組合7件のうち3件はすでに成約しています。

つまり全体の成約率とほぼ同じ4割強です。

 

ただ、残り4件のうち2件についても、来年中にこの保険への切替えが内定しているので、それらを加えると実質的には7割を超える成約率となっています。

 

保険会社にとって、高経年のマンションにおける最大のリスクは漏水事故

保険事故件数全体の約7割を占める」と言われています。

 

そのため診断評価の際には、外壁改修などの大規模修繕、あるいは給排水管の修繕、雑排水管洗浄工事などの実施が確実に実施されているかという点が重視されます。

 

つまり、この新たな保険商品は、マンションの築年数にもとづく保険料算定方式に対するアンチテーゼとなっているわけです。

 

しかしながら、

管理会社から管理組合に対してこの商品が紹介される可能性はあまりないでしょう。

 

主な理由は大きく2つあります。

 

一つは、多くの管理会社が日新火災の代理店でないために、この商品を取り扱えないからです。

 

マンション総合保険の取扱いについて、ほとんどの管理会社では、これまでメガ損保大手4社が中心であったという事情があるためやむを得ない部分があります。

 

二つ目は、マンション管理士による診断を受けることを管理会社が好ましく思わないためです。

 

さて、これはどうしてでしょうか?

 

まず、診断に必要な書類を管理組合に代わって準備したり、組合役員とともに診断の現場に立ち会うことで余計な手間と負担がフロント担当者にかかってきます

 

さらに、診断を通じて管理組合の運営実態についても課題や問題点を指摘される可能性がありますから、結果しだいでは管理会社の日頃の仕事ぶりが批判されることになりかねません。

 

というわけで、

マンションドクター火災保険の見積もりを取るには、まず理事会が主体性を持って適正化診断を申し込む手続きが必要となってきます。

 

最後に、申し込みに便利なサイトをご紹介しておきます。

 

【参考サイト ①】

www.nisshinfire.co.jp

あるいは、私がマンション管理士として診断に伺うことが前提になりますが、下記のサイトからもお申込みもしくはお問い合わせが可能です。

 

なお、この診断サービスは「無料」です!

 

【参考サイト ②】

yonaoshi-honpo.co.jp

 

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あなたの資産を守る!  マンション管理見直しの極意

あなたの資産を守る! マンション管理見直しの極意

 

 

 

 

 

 

 

 

9月セミナー開催のお知らせ

「9月度 マンション管理セミナー」を開催いたしますので、下記の通りご案内申し上げます。

 

先着10名様のお申し込みを受け付けております。どうぞお早目にご応募ください。

【日時・会場】

平成28年 9月 17日(土) 14:00~16:00

 

LEAGUE 5階 ミーティングスペース(501号室)

東京都中央区銀座3-11-3

東京メトロ「東銀座」駅歩2分 「銀座」駅歩5分 

 

 

【参加料金】

 お一人様  5,000円(税込) 

※ ただし、下記のいずれかの条件に該当する方は「無料」とさせていただきます。

初めて弊社セミナーに参加される方

弊社に個別にご相談いただける方

※ご希望の方には、管理組合様宛の領収証を発行いたします。

 

【内 容】

1. 講 演 

(1)   無関心では危ない!長期修繕計画の見直し方


長期修繕計画が、どのようにして作られているかご存知ですか?

計画作成のガイドラインに沿って作成された場合にはあらかじめ前提条件が決まっていますから、必要とされる単位面積当たりの修繕工事費は新築時点ではどのマンションも概ね同じ水準です。

 

重要なのは、その後の「計画のメンテナンス」。

新築時の施工品質やその後の保守管理の状況などに応じて随時見直していくことが必要です。

 

さらに、居住者の高齢化などに伴うライフスタイルの変化をふまえた修繕プランや、新たな修繕技術の導入の可能性も検討する余地があります。 

 

大切な資産価値を長きにわたって維持するために長計をどのように見直していけばよいのか?そのポイントを解説します。

<主なテーマ>

・長期修繕計画の作られ方

・補修・修繕・改修の違い

・長期修繕計画が「風化」してしまう理由

・長期修繕計画を見直す3つのポイント

・新技術の採用によるライフサイクルコストの低減

・長期修繕計画のメンテナンスの方法


(2)5年ぶりの改正で「標準管理規約」はどこが変わった?

マ ンションの管理ルールについて、高齢化等を背景とした管理組合の担い手不足、管理費滞納等による管理不全、暴力団排除の必要性、災害時における意思決定 ルールの明確化など様々な課題が指摘されてお り、これら課題に対応した新たなルールの整備として標準管理規約が約5年ぶりに改正になりました。

過去の標準規約改正の経過とともに、今回改正された主な内容とポイントを整理して解説いたします。

<主なテーマ>

・管理規約と区分所有法の違いとは?

・「標準管理規約」が制定された背景と趣旨

・直近2回(平成16年、平成23年)の改正内容について
・マンション管理士などの外部専門家が組合役員に就任する場合の対応方法について
・自治会等との機能分担を想定した「コミュニティ条項」が再整理されたわけ
・住戸の価値に連動した議決権の設定が可能に
・駐車場の使用権の割当て方法の見直しについて

 

2. 個別相談会(※希望者のみ)

貴マンションの管理委託費を簡易診断させていただきます。その他、管理会社の変更や大規模修繕、高圧一括受電、省エネ対策などのご相談も随時承ります。

 

【お申込み方法】

弊社サイトの問合せページから、氏名・管理組合名・連絡先等を明記のうえお申し込みください。  

 

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今の管理規約のままでは民泊利用やシェアハウス化は防げない!

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先日、顧問先の管理組合で定期総会が開催されましたが、その中の議案に「管理規約の改正」がありました。

 

改正の趣旨は、

昨今インバウンド観光の増加に伴い注目されている「民泊」ビジネスのための利用を禁止することでした。

 

民泊以外にも、不特定多数の見知らぬ人が出入りする可能性がある業態として、

◆シェアハウス

◆ウィークリー・マンション

◆グループ・ホーム

なども考えられるので、それらも併せて禁止用途とする案が提示されたところ、特に異論・反論もなく、すんなりと承認されました。

 

この管理組合のように、主として自己居住用の区分所有オーナーが多いマンションでは、こうした用途での利用をなるべく排除したいと考えるのは至極ご尤もなことです。

 

ただ、国交省が「指針」として管理組合に示している「標準管理規約」では、専有住戸の利用について「専ら住宅として使用すること」としか規定していませんし、各区分所有者がそれを誠実に守ることを暗黙の前提にしています

 

なので、貴方のマンションでも、こうした管理規約の実態や無関心層が多い管理組合の「隙」を突くようなビジネスがある日突然入り込んでくるかもしれません。それによって、快適な日常生活が損なわれるリスクもあることを肝に銘じておくべきです。

 

 

もちろん、法律等に抵触しないなら、こうした用途で利用することが絶対ダメと言うつもりはありません。それらを許容してよいと考える管理組合もあるでしょう。

 

 

つまり、大切なのは、

分譲マンションを取巻く昨今の事情を正しく認識したうえで、各区分所有者の価値観や利用実態やをふまえて、守るべき規範やルールを組合内で協議しながら作り上げることです。

 

なお、本日リリースされたSUUMOジャーナルでは、一居住者として好ましからざる利用形態として民泊利用や住戸のシェアハウス化に遭遇した場合にどう対処すべきかという視点で記事を執筆しています。ご参考にどうぞ!

 

suumo.jp

【過去記事参照】

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

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東京ガスに、マンション共用部の電力料金を試算してもらったら・・

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今年の4月から電力小売の自由化がスタートしましたが、実際に電力会社を切り替えに踏み切った世帯の割合はたったの数%と言われています。

 

そこから推し測ると、ほとんどのマンション管理組合ではまだ共用部の電力会社を見直していないことが容易に想像できます。

 

そんな中、先日都内の小規模なマンションの定期総会で、電力を見直してみようという話が持ち出されたので、東京ガスに料金の試算を依頼することになりました。

 

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直近1ヶ月分の電気料金領収証の明細を送ったところ、翌日には先方の担当者から試算結果がメールで送られてきました。

 

このマンションでは、現在東京電力の「従量電灯B」(照明用)と「低圧電力」(動力設備用)の2つの契約があります。

 

これを東京ガスに切り替えた場合には、年間電気料金が7.6%下がるという結果でした。

 

しかも、

◆ 切替えに際して初期費用の負担ナシ

◆ 解約の場合の手数料負担ナシ

ということで管理組合にとって留意すべき不利な条件等はありません。

 

こういうケースであれば、切替えを進めてよいでしょう。

(ただし、総会決議は必要となります。)

 

しかし、すべてのマンションでこのようなメリットがあるわけではありません。

 

たとえば、

あなたのマンションが以下のケースに該当する場合には切替えのメリットはないでしょう。

 

■ オール電化型のマンションの場合

オール電化の場合、深夜帯の特別価格、従量料金のディスカウントの特典によって相当の値引きを受けています。(※ただし、地域によってはオール電化向けのプランを用意している新電力もあるようです。)

 

 電子ブレーカー設置済みマンションの場合

東京電力と「主開閉器契約」という特殊な契約にもとづいて、すでに基本料金の値引きを受けている場合は他の新電力では対応できません。

 

■ 一括受電導入済み、もしくは高圧で契約中のマンションの場合

専有住戸分の使用量も含めて管理組合として1つの電力会社と一括契約することで、すでに削減メリットを享受していますので、見直す必要はありません。

 

共用部の電気を高圧で受電しているマンション(※100戸前後以上で多い)も、すでに大口契約者として恩恵を受けており、低圧よりも3割ほど安くなっているため難しいでしょう。

 

上の3つの事例に当てはまらないなら、料金シミュレーションにトライしてみることをお勧めします。

 

東京ガス : 東京ガスの電気 / 電気料金シミュレーション

 

 

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「マンションの資産価値は保ちたいけど、理事にはなりたくない」という本音

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分譲マンションの管理やコミュニティの実態を把握することを目的に、SUUMO(リクルート住まいカンパニー)が、首都圏の分譲マンション居住者を対象とした調査を初めて行い、その結果を公表しています。(8月22日付け)

 

2016年マンション管理とコミュニティについての調査  | 株式会社リクルート住まいカンパニー


<調査対象>
首都圏(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、茨城県)の新築マンションを契約し、 2004~2014年の間に入居、現在も同じマンションに住んでいる人

(回答総数:6,304 回答率:27.5%)



この回答結果の概要について、かいつまんで見てみましょう。


> ほぼ全員が「マンションを適切に管理・修繕し、資産価値を守りたい」と考えている。

> 管理組合の総会参加率は46%。

>「組合の理事になってもいい」と考える人は34%。

 


この3つの回答を総合すると、「適切な管理や修繕をしながら資産価値を守りたいが、自分はなるべく関わりたくない」という区分所有者の本音が透けて見えてきます。



特にひどいのが総会への出席状況です。

平均こそ46%となっていますが、たとえば総戸数300戸以上のセグメントでは、「ほぼ毎回参加」は14%しかいないのに、「ほぼ毎回不参加」の割合は38%とその3倍近くも占めています。

「ほぼ毎回不参加」というのは、止むを得ず参加できない事情があるからというよりは、「関心がない」からと言ってよいでしょう。

 また、「理事になってもよい」(34%)と回答した中で、これに大いにあてはまると回答しているのは3分の1、つまり全体の1割しかいませんでした。


> 課題に対し迅速に意思決定をする理事会は多い(64%)が、リーダーシップが感じられる(40%)、組合の運営を企業経営の視点で行う(27%)理事会は少ない。

 


理事会への参加意欲がほとんど期待できないわけですから、これはむしろ当然の結果といえます。

今回の調査対象は、新築から築10年以内の築浅マンションの居住者が対象です。

この段階では、1回目の大規模修繕工事もまだ未経験でしょうし、管理組合が抱えやすい役員のなり手不足、滞納、漏水事故、修繕資金の不足といった深刻な課題にはまだ直面していないことでしょう。

ただ、他の例に漏れず、こうした課題がいずれ顕在化してくるのは間違いありません。

 

そのときに、ごく一部の意識の高い区分所有者だけで対処していくのは容易ではないでしょう。


>マンション内で、挨拶をする相手がいる人は多い(91%)が、立ち話をしたり(43%)、頼みごとができる相手がいる人は少ない(23%)

 

このような実態は、現代のマンションライフの典型的状況だといえます。

 

でも、いざという時に居住者同士が連携できるかどうかは、日頃の付き合い方が重要な鍵を握っているように思います。

 

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