近頃、管理組合の税務申告漏れが増えているというニュースが、朝日や日経新聞で取り上げられています。
中には、過去の数千万円に上る収益に対して遡って課税されたところもあるようです。
記事によれば、その理由として、「管理組合の役員は入居者が持ち回りで就くことが多いために問題を先送りしがちなため」とされています。
ただ、これは少々「的外れ」な指摘のように感じます。
私はむしろ、「マンション管理組合の収益はすべて非課税である」という誤った認識があるからではないかと思っています。
このような誤解をなくすには、管理組合の税法上の取り扱いが、法律上のそれと異なることを理解する必要があります。
1)管理組合は、「法人」?それとも 「個人の集まり」?
マンション管理組合は、PTAや同窓会などと同様、目的を同じくする人たちの集まりです。したがって、法律上は「個人の集合体」と扱われます。
しかし、税法上の取扱いは違います。
管理組合やPTA、同窓会などは、「人格のない社団等」と定義され、「法人とみなす」ことになっているのです。
したがって、もし課税の事実が生ずれば法人税が課されることになります。
管理組合が法人化されているかどうかは関係ありませんので、念のため。
2)どんな場合に課税される?
「人格のない社団等」は、収益事業を営む場合に限り、その事業所得に対して法人税の申告義務及び納税義務が課されます。
例えば、管理組合で「定番」的なものとして
・駐車場の外部貸しによる収入
・携帯電話の基地局設置料
などが該当します。
要するに、外部から事業収入を得ているかどうかが判断基準です。
なお万が一、未申告の状況で税務署からその事実を指摘された場合には、数年分に遡りおよそ3割増しの税金を支払うことになります。
これを「追徴課税」と言います。
その場合、税務知識がなかったとの言い訳は当局には一切通用しませんので、ご注意ください。
最後に、収益事業を行った場合に、どれくらい課税されるのかについて参考になる記事をご紹介します。
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・管理組合が収益事業をおこなった場合の税負担は?