マンション管理士|村上智史の「士魂商才」 

無関心な居住者が多いマンション管理組合に潜む様々な「リスク」を解消し、豊かなマンションライフを実現するための「見直し術」をマンション管理士:村上智史(株式会社マンション管理見直し本舗 代表)がご紹介します。

東京23区内新築マンションの駐車場、平均附置率3割を割り込む!

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ニュースサイトの「J cast」に、11/5付けで「都心でクルマはいらない! 新築マンションの駐車場設置率、いまや42.2%」という記事が掲載されていました。

 

www.j-cast.com

本記事によると、

・不動産経済研究所によると、首都圏マンションの駐車場設置率は2007年の77.3%をピークにその後下落に転じ、16年は45.2%、17年上半期(1~6月期)には42.2%まで落ち込み、低下傾向に歯止めがかからない。

 

・特に東京23区内は2007年の56.0%をピークに、16年には28.9%と20%台にまで落ち込んでいる


・主な要因は、若者のクルマ離れや高齢化の進行に伴いクルマを保有する人が減っているため。その他、公共交通機関の発達やカーシェアリングの普及等に伴って、「クルマの所有を必要としないライフスタイル」が広まったこともある。

 

・一方、既存マンションでは、駐車場の空き区画の増加で悩ましい問題が持ち上がっている。マンション内の駐車場は、管理費とは別に駐車場代を徴収し、その収入を管理費や修繕積立金に充当しているからだ。

 

・駐車場に空きが出るということは、予定していた管理組合の収入が減るので、管理費の増額が必要になるなどの問題が生じかねない。

 

・管理組合の中には、敷地外に借りている人や2台目の駐車場がほしい人などの希望者を募ったり、駐車場代や管理費を見直したりするなどの対策を取りはじめたり、マンション外の利用者に貸し出すところも出てきた。

 

 最近の新築マンションの広告を眺めていると、住戸数に対する駐車場の附置率はおよそ3〜4割くらいという印象がありますが、本記事のデータとも符合します。

 

数多くのマンション管理組合の財政状況を診断していると、

管理費の収入とほぼ同じくらいの金額を駐車場収入で賄っているところも珍しくありません

 

本記事のような空き区画の増加に悩むマンションが増えたことで、これまでの「管理組合は必ず一定の収益が見込める団体」という想定が崩れ始めているのです。

 

こうした悩みをきっかけに、管理委託費をはじめとするコスト削減に着手する管理組合も増えています。

 

当社顧問先のマンションでは、機械式を中心に全戸分(90戸)の駐車場を設置しているものの、いまや全体の4割もの空き区画を抱えている組合があります。

 

外部利用者への賃貸なども検討されましたが、セキュリティー面などでの不安もあって見送り、設備更新費用と点検費用の削減を図るために機械式駐車場の一部を平面化する方針を今年の総会で決議しました。

 

このマンションでは、重機で約30台分のパレット等の設備を撤去した後、ピット内に鋼製板を敷いて約10台の平置き駐車場にコンバージョンする予定です。

(※下の画像はイメージ)

 

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もちろん平面化のための工事費はかかりますが、将来必要とされる30台分の設備更新費用(約3千万円)の負担がなくなるうえ、定期保守点検費の節減(年間約30万円)も図れるため十分元は取れるという計算です。

 

マンション管理組合といえば、

区分所有者の大半の方がその運営に「無関心」なのが一般的です。

 

しかしながら、すでに「右肩下がり」の時代に突入した今、会社経営と同様の視点で管理や運営方法を見直し、時にはこのような外科的な処置を選択せざるを得なくなっているのです。

 

<参考記事>

 

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

 

 

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