マンション管理士|村上智史の「士魂商才」 

無関心な居住者が多いマンション管理組合に潜む様々な「リスク」を解消し、豊かなマンションライフを実現するための「見直し術」をマンション管理士:村上智史(株式会社マンション管理見直し本舗 代表)がご紹介します。

【理事長のギモン】共用部に私物を置くのはどこまで許されるの?

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先日、顧問先の理事長さんから、共用部の使用方法(マナー)について下記のような質問を受けました。

同じ悩みを持つ管理組合も多いのではないでしょうか。

 

共用部に私物を置くことに関して、当マンションの使用細則では以下のように規定されています。

 

「第3条(共用部分の使用)
共用部分の使用にあたり、次の行為をしてはならない。
(4)共用の廊下、階段等にたとえ一時でも私物を置くこと。」

 

この場合、各戸の玄関周りや水道メーターボックスも含め、
共用部を示していると、解釈してよろしいでしょうか。

 

各階廊下に私物を置いている住戸の方に対して苦情が届きました。

 

そのため、注意喚起の文書を各戸に配布するとともに、エレベータ内にも掲示しましたが、一向に撤去されません。


もしかしたら、玄関周りやメーターボックスの上は、廊下ではないからよい、と考えているのかもしれません。

その点を改めて確認したく、ご教示ください。

  

標準的な管理規約や使用細則には必ず記載されていますが、

基本的に専有部分は(躯体部分は含まず)住戸の床・壁・天井の内側部分を指します。このほかに「玄関ドア(内側)」と「鍵穴」も専有部分に含まれます。

 

したがって、それ以外は共用部分に当たり、規約や使用細則にしたがってその利用方法につき一定の制限を受けます

 

なお、共用部分の中には、バルコニー、アルコーブ、ポーチ、メーターボックス、窓枠・窓ガラスなどの「専用使用部分」と呼ばれる箇所があります。

 

規約等を十分に読まずに、この「専用使用部分」を専有部分と混同してしまう居住者が多いこともトラブルの元になっているように思います。

 

ただ、この専用使用部分についても、通常は「当該区分所有者が専用使用できるが、建物その他構築物の築造及び物置の設置等はできない」などと定められています。

 

その理由は、主として緊急時等の避難の妨げになる(消防法違反)ほか、美観を害するなどの問題があるためです。

 

「等」の含む範囲に対する解釈については議論の余地があるところですが、たとえば一時的に傘などを置く程度なら許されても、自転車や三輪車、遊具などを玄関前や廊下に放置するのは上記の理由からNGと考えるべきでしょう。

 

なお、こうした私物の放置が規約や使用細則に反することが明らかであっても,管理組合の判断で他人の私物を勝手に処分するのはNGです。

 

管理組合が所有者から損害賠償の請求を受けたり,器物損壊罪に問われたりするおそれもありますので、くれぐれもご注意ください。

 

<参考記事>

 suumo.jp

 

suumo.jp

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