マンション管理士|村上智史の「士魂商才」 

無関心な居住者が多いマンション管理組合に潜む様々な「リスク」を解消し、豊かなマンションライフを実現するための「見直し術」をマンション管理士:村上智史(株式会社マンション管理見直し本舗 代表)がご紹介します。

認知症でもマンション管理組合の役員になってよいか?

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7月13日付の東京新聞に、認知症を患った管理組合の理事長に翻弄された管理会社の記事が掲載されていました。

 

www.tokyo-np.co.jp

本記事を要約すると、以下のような内容になります。

 

■約50世帯の某マンションでは管理組合の役員は輪番制を敷いていた。

 

■一昨年、役員が回ってきた住民の中に、会話の内容をすぐに忘れるなど認知症とみられる男性がおり、理事長に就任してしまった。

 

■昼間に会って説明したばかりのことも、「何も聞いてない。もう一回説明しろ」と繰り返した。

 

■理事会に向けた打ち合わせの内容を何度も管理会社に聞き直し、暴言を繰り返したほか、社員に対して「説明の仕方が悪い」などと長時間にわたって説教した。

 

■この男性は以前にも役員を務めた経験があり、組合内で発言力もあった。他の住民が様子がおかしいと思っていても何も言えなかった模様。

 

■あまりに会話内容を忘れるので、管理会社はその後、理事会はもちろん男性との会話はすべて録音し、会話の内容を他の理事にも伝えていた。

 

■1年の任期が終了後、男性は退任。管理会社には、ストレスで体調を崩した社員もいた。

 

管理組合の役員に認知症の住民を受け入れるべきかについて、日本住宅管理組合協議会は、役員と協議した結果、「家族の同伴が得られる、比較的症状が軽度、重要な役職でない等の条件が揃えば就任可とする」という結論に至ったとのこと。

 

■こうした協議会の見解に対して「認知症の役員がいると現実として管理会社の負担が増える」、「他の住民に代わって判断するのが役員の仕事なので、判断能力のない人を選ぶのは違和感がある」との異論や、「外部役員を入れるなど他の方法も考えるべき」との提案もある。

 

私の意見としては、

役員のなり手不足が慢性化し、マネジメント力の乏しい管理組合が一般的にもかかわらず、認知症を患っている組合員をあえて役員に就任させることには「反対」です。

 

最大の理由は、(本記事にも紹介されているように)次善の策として他にも選択肢が考えられるからです。

 

そもそも、通常の場合でも、輪番制で回ってきても病気や高齢などを理由に就任を断る人はいますが、管理組合はそれを受け入れて他の方に就任を要請するのが一般的でしょう。

 

また、もし輪番制の遵守にこだわるなら、配偶者など同居する親族に代理で就任してもらうという事例も少なくありません。(※管理規約にその旨記載することが望ましい)

 

そして、いよいよ本当に組合内に役員のなり手が見つからなくなったら、マンション管理士など外部の専門家を役員に据えることも検討すればよいでしょう。(※ただし、規約改正の手間やコストの負担は生じます)

 

 皆さんはどうお考えになりますか?

 

【参考記事】

 

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

 

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