マンション管理士|村上智史の「士魂商才」 

無関心な居住者が多いマンション管理組合に潜む様々な「リスク」を解消し、豊かなマンションライフを実現するための「見直し術」をマンション管理士:村上智史(株式会社マンション管理見直し本舗 代表)がご紹介します。

管理組合の役員はボランティアで充分な仕事なのか?

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管理組合の役員と言えば、

PTA、町内会と並んで「憂き世の義理」で引き受けざるを得ない、最も煩わしい仕事のひとつと考えられているかもしれません。

 

こうした厄介な仕事に立候補するのはごくごく少数の変人しかいないため、「みんなで広く・薄く・公平に負担しよう」というのが「オトナの不文律」となっています。

 

 

そのため、マンションのフロアや(団地の場合は)棟別の輪番リストを作成し、毎年部屋順に役員候補が決まっていくルールをシステム化してしまうのがもっぱらです。

 

毎年役員全員が交代してしまうと、通常は特に問題がなくとも、たとえば大規模修繕など年度を跨いでかつ重要なイベントや課題への対応がうまく引き継がれずに、そのまま宙に浮いてしまったりします。

 

そこで、役員の任期を2年以上としつつその半数については任期を1年ずらすことで理事会体制の継続性を担保しようと工夫している管理組合もあります。

 

ただ、やはり「人材不足」の問題はもっと根深いものがあり、輪番制に多少手を加えた程度では決して解決できるものではありません

 

問題意識が旺盛で立候補も惜しまず、しかも長年にわたって役員を務めてくれる人材がいる管理組合はとてもラッキーだと言えます。

 

ただ、まるで「常任」のように特定の人物が役員を務めることについては、本人のモチベーションにも限界があるでしょう。

 

また、周囲も(自分から立候補する気はないにもかかわらず)それを必ずしも良しとしない風潮・空気があります。(そのため、「役員再任は連続2期まで」と多選に制限を設けている管理組合も見られます。)

 

管理組合とは、マンションという資産の価値を長きにわたって維持するために健全に運営していくことが仕事です。

 

たとえ日常的な業務は管理会社に委託しているとしても、住人間のトラブルや、規約などのルール違反、管理費の滞納、大規模修繕などの重い課題にも向き合って解決に導くための最終的な意思決定を避けることはできません。

 

こうした点を踏まえると、

管理組合の役員は「ボランティアで片付けられるレベルの仕事ではない」という意識改革が必要だと思います。

 

その意味で、役員の労苦に報いるための報酬制度はあって然るべきだし、賃貸しているなどの理由で居住しないために役員にならずに済んでいる場合は、追加の負担を求められてもやむを得ないと考えます。

 

本日掲載されたSUUMOジャーナルの記事には、理事会内の問題提起から役員報酬制度の導入などを検討した管理組合の事例を紹介しています。

 

suumo.jp

ぜひ参考にしてみてください。

 

 

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