マンション管理士|村上智史の「士魂商才」 

無関心な居住者が多いマンション管理組合に潜む様々な「リスク」を解消し、豊かなマンションライフを実現するための「見直し術」をマンション管理士:村上智史(株式会社マンション管理見直し本舗 代表)がご紹介します。

照明をLEDにした後に、電気料金を下げる方法

 

f:id:youdonknowwhatyoulove:20141129153548g:plain

 

マンションの共用部にLED照明を導入し、消費電力を下げることによって電気料金を下げることができるのはもちろんご存知ですよね。

では、照明をLED化した後にもう一段電気料金を下げる方法があると言ったらどうでしょう?実はできるんですね。

#1 まずは基本編:電子ブレーカーの活用

管理組合は、マンション共用部の電灯と動力の受電について電力会社と契約を結んでいますが、そのほとんどが「負荷設備契約」を選択しているはずです。


これを別の契約に変更することで電気料金を下げることができます。

そのヒントは、共用部の設備の稼働時間にあります。

動力系の設備には、エレベータ、給排水ポンプ、機械式駐車場などがありますが、これらは四六時中作動しているわけではありません。ましてすべての設備が同時に作動する時間はかなり短いです。

しかしながら、「負荷設備契約」は、各設備の設備のモーター容量(KW)を単純に合計した形で契約するので、稼働状況や使用電力に関係なく最大電力値での契約となってしまいます。

言い換えれば、実際の稼働率に比べてかなり高い水準を想定して電気料金が決まっているのです。

一方で、設備の作動に伴い実際に流れる電流値を測定し、その最大値をもとに受電契約すれば電力料金を下げることも可能です。それが「主開閉器契約」です。

しかし、この契約に切り替えるには条件が1つあります。設備が作動した際の電流値を測定するために、配電盤に電子ブレーカーを設置しなければなりません

たとえば、下の図のようなマンションの場合には、契約電力を32kwから12kw減らすことで、基本料金が毎月2万円以上下がりました

<受電契約と電気料金の比較>

f:id:youdonknowwhatyoulove:20150506225857p:plain

#2 電灯部分にも電子ブレーカーを設置

電気料金が下がる仕組みと電子ブレーカーの効用について理解いただけたでしょうか?


さて、ここからが本題です。

LED照明の導入によって電気料金が下がった後に、電子ブレーカーを導入すると電灯の電気料金をさらに下げることが可能です。(※動力系の配線ではなく、電灯系に設置します。)

そのしくみは、#1とまったく同じ理屈です。

LEDの省エネ効果によって、電気容量を単純合計したkw数に対して実際に流れる電流値が小さくなります。そこで電灯系統についても主開閉器契約に切り替えて契約kw数を減らすわけです。その結果、毎月の基本料金が下がります。

つまり、LED化して消費電力が下がったからこそ、主開閉器契約に変更する余地が生まれたというわけです。

もちろん、マンションの規模や設備の状況によって契約kw数の削減幅が異なるため、その経済効果も違います。(注:共用部分を高圧で受電している場合は、電子ブレーカーは設置できません。)


検討される場合には、信頼できるコンサルタントや専門業者に相談することをお奨めします。

 

どうも有難うございました!

 

※ ブログ認知度向上にご協力いただければ嬉しいです (^▽^)/

  ↓       ↓

にほんブログ村 住まいブログ マンション管理へ 

あなたの資産を守る!  マンション管理見直しの極意

あなたの資産を守る! マンション管理見直しの極意