先日、顧問先のマンションで共用部停電を伴う点検を実施したところ、復電後に宅配ロッカーが故障し、利用できなくなりました。
設備の制御盤に不具合が発生したためで、制御盤をまるごと交換する必要とのことで、メーカーから見積書(税込67万円)が提出されました。
管理会社の当初の見解では、
宅配ロッカーは設置後すでに20年を経過しているため、保険を申請しても認められないだろうとの見解でした。
ただ、停電を伴う点検の実施が今回の故障の原因であることから、まず点検作業に瑕疵がなかったか確認する必要があると考え、管理会社に依頼しました。
点検業者に問い合わせた結果、
「復電作業は弱電回路の個別ブレーカーにて実施し、過電流にならないよう突入電流を最小限に抑えるようにしている」との回答があったため、作業の手順自体に問題はないとの結論に至りました。
次に、今回の故障は共用部全体の停電に起因するもので、設備の経年劣化が原因ではないことから、損害保険の適用が認められるのではないかと考えました。
と言うのも、以前別のマンションでこれと類似した事例があったからです。
そのマンションでは、地域停電が発生した後、宅配ロッカーの液晶タッチパネルに不具合が生じたため、利用できなくなりました。
地域停電という突発的な事故が故障の原因だったため、損害保険の適用を申請したところ認められ、タッチパネル等の交換費用(約50万円)が保険金でカバーされたのです。
こうした経験から、今回の事故も保険が認められる可能性があると考えたわけです。
その後、メーカーから「停電点検に起因する制御装置の不具合」との見立てにもとづく報告書を提出してもらったうえで、保険を申請したところ認められました。
設備の故障が、経年劣化ではなく「突発的かつ外部的な事象」に起因する場合は、マンション保険の適用が認められる可能性が高いので、覚えておくとよいでしょう。
<参考記事>