マンション管理士|村上智史の「士魂商才」 

無関心な居住者が多いマンション管理組合に潜む様々な「リスク」を解消し、豊かなマンションライフを実現するための「見直し術」をマンション管理士:村上智史(株式会社マンション管理見直し本舗 代表)がご紹介します。

【理事長のギモン】ゲリラ豪雨で室内に浸水したらマンション保険で補償されるの?

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顧問先マンションで、ルーフバルコニーのある住戸の居住者から下記の内容の要望と質問が書面で理事会に提出されました。

◾️ゲリラ豪雨で、屋上部のドレン(排水口)で滞水が発生していた。

◾️ルーフバルコニーを経由して雨水が室内に侵入するリスクもある。

◾️そのため、ドレンと排水管の詰まり防止対策をしっかりやってほしい。

◾️万が一、室内に浸水した場合の保険等の補償対応はどうなるのか?

 

 

管理組合では、漏水事故を含むリスクに備えて、共用部を対象とする損害保険に加入しています。

 

その補償内容は、火災、破裂・爆発などの事故、自然災害(落雷、風災、雹(ひょう)災、雪災)、物体の飛来・落下などによる「突発的な損害」など多岐にわたります。

 

さらに、主要な「補償特約」として、の2つの賠償保険も付帯していることが多いです。

(1)施設賠償責任補償特約

共用部分の不備や経年劣化が原因で他人の身体や財産を毀損(きそん)した場合の補償

 

(2)個人賠償責任補償特約

専有住戸に起因する事故で他人の身体や財産に損害を与えた場合の補償

 

まず、マンションで発生しやすい漏水の事例をもとに、保険の適用の可否、補償の範囲をご紹介しましょう。

イ)漏水したが、どこが原因なのか分からない!

漏水事故の場合、事故の発生段階ではその原因や浸水した箇所がよく分からないことが多いのが実際です。

 

その場合、まずは「水濡れ原因調査」を行う必要があります。

 

この調査に要する費用はマンション保険の補償に含まれているのが一般的なので、ぜひ覚えておいてください。(ただし、「1年間で100万円以内」など、支払われる保険金に上限が設けられていることが多いです。)

ロ)居住者の不注意で上階の住戸から漏水し、階下の居室が被害を受けた!

この場合、専有住戸間のトラブルのため、管理組合が関与する問題ではなさそうに思われます。


このようなケースでは「個人賠償責任補償特約」を利用できます。

 

下階の被害者から賠償請求された場合、上階の加害者が管理組合(理事長)に事故の報告をして保険適用を申請すれば保険金が支払われます。

 

そのため、加害者が個人的に賠償責任保険に加入していなくとも、被害者は管理組合の保険で救済されます。

ハ)老朽化した給水管(縦管)からの漏水で住戸内が被害を受けた!

漏水の原因が、共用設備の老朽化が原因と判明した場合には、上でご紹介した「施設賠償責任補償特約」の適用を受け、当該住戸の修繕費用については補償の対象となります。

 

ただし、共用設備自体の修繕費については補償の対象になりません

漏水原因が設備の老朽化であって、自然災害や突発的な事故による破損等ではないからです。

ニ)外壁や屋上からの漏水で最上階の住戸内で漏水!

風雨、雪などの吹き込みや漏入による損害は、保険会社の「免責事項」に含まれているため、補償の対象外になります

 

したがって、ゲリラ豪雨によって専有住戸に浸水した場合も、保険による補償は受けられません

 

ただ、共用部の破損や劣化、あるいは管理上の不備でドレンや排水管に詰まり等があり、それが浸水の原因と判断された場合は、管理組合の管理責任が問われ、損害賠償責任を負う可能性があります。

 

そのため、理事会では、屋上ドレンと排水管の定期清掃の実施、また浸水防止のために土嚢を居住者に貸し出すなどの対策を検討することになりました。

 

<参考記事>

suumo.jp

 

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

  

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

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管理組合では、漏水事故を含むリスクに備えて、共用部を対象とする損害保険に加入しています。

 

その補償内容は、火災、破裂・爆発などの事故、自然災害(落雷、風災、雹(ひょう)災、雪災)、物体の飛来・落下などによる「突発的な損害」など多岐にわたります。

 

さらに、主要な「補償特約」として、の2つの賠償保険も付帯していることが多いです。

(1)施設賠償責任補償特約

共用部分の不備や経年劣化が原因で他人の身体や財産を毀損(きそん)した場合の補償

 

(2)個人賠償責任補償特約

専有住戸に起因する事故で他人の身体や財産に損害を与えた場合の補償

 

まず、マンションで発生しやすい漏水の事例をもとに、保険の適用の可否、補償の範囲をご紹介しましょう。

イ)漏水したが、どこが原因なのか分からない!

漏水事故の場合、事故の発生段階ではその原因や浸水した箇所がよく分からないことが多いのが実際です。

 

その場合、まずは「水濡れ原因調査」を行う必要があります。

 

この調査に要する費用はマンション保険の補償に含まれているのが一般的なので、ぜひ覚えておいてください。(ただし、「1年間で100万円以内」など、支払われる保険金に上限が設けられていることが多いです。)

ロ)居住者の不注意で上階の住戸から漏水し、階下の居室が被害を受けた!

この場合、専有住戸間のトラブルのため、管理組合が関与する問題ではなさそうに思われます。


このようなケースでは「個人賠償責任補償特約」を利用できます。

 

下階の被害者から賠償請求された場合、上階の加害者が管理組合(理事長)に事故の報告をして保険適用を申請すれば保険金が支払われます。

 

そのため、加害者が個人的に賠償責任保険に加入していなくとも、被害者は管理組合の保険で救済されます。

ハ)老朽化した給水管(縦管)からの漏水で住戸内が被害を受けた!

漏水の原因が、共用設備の老朽化が原因と判明した場合には、上でご紹介した「施設賠償責任補償特約」の適用を受け、当該住戸の修繕費用については補償の対象となります。

 

ただし、共用設備自体の修繕費については補償の対象になりません

漏水原因が設備の老朽化であって、自然災害や突発的な事故による破損等ではないからです。

ニ)外壁や屋上からの漏水で最上階の住戸内で漏水!

風雨、雪などの吹き込みや漏入による損害は、保険会社の「免責事項」に含まれているため、補償の対象外になります

 

したがって、ゲリラ豪雨によって専有住戸に浸水した場合も、保険による補償は受けられません

 

ただ、共用部の破損や劣化、あるいは管理上の不備でドレンや排水管に詰まり等があり、それが浸水の原因と判断された場合は、管理組合の管理責任が問われ、損害賠償責任を負う可能性があります。

 

そのため、理事会では、屋上ドレンと排水管の定期清掃の実施、また浸水防止のために土嚢を居住者に貸し出すなどの対策を検討することになりました。

 

<参考記事>

suumo.jp

 

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