分譲マンションは高額な商品であり、個人にとって大切な資産です。
その価値は立地条件や築年数、建築設備のスペックなどの固有の条件で決まる部分もありますが、時間の経過とともにその管理や修繕の巧拙によって大きな差が生じます。
では、その資産価値を守る責任はいったい誰にあるのでしょうか?
もちろん、それは管理組合です。ただその実体は、素人の区分所有者がほとんどでしょう。
たいていの人は、管理規約や長期修繕計画にもほとんど目を通すことなく、理事になるのもなるべく避け、組合の総会よりも個人の仕事やレジャーを優先させようとします。
その結果、多くの管理組合はその運営を管理会社に「丸投げ」の恰好で任せることになります。
しかし、そこに利益相反などの大きなリスクがあるのは、本ブログですでに述べたとおりです。
ここで疑問なのは、なぜ管理組合の経営は素人任せのままで「放置」されているのかということです。
分譲マンションを購入すると、その区分所有権を持つ者が(管理組合を設立のうえ)共同で「経営」しています。つまり、「所有と経営の一体化」です。
これを、上場株式への投資と比較してみましょう。
当然の話ですが、投資のために単位株を購入して株主になったところで、その企業の経営も任されるなんてことはありえません。株主には、経営に必要な高度な専門知識など持ち合わせていないからです。
したがって、上場企業の経営は<実権のありかはともかく>プロフェッショナルである取締役会が担っているのです。
その各取締役が株主である必要性は特にないため、いわば「所有と経営の分離」が実践されているわけです。
一方、管理組合はどうでしょう?マンションの管理や修繕等も専門知識が必要です。だからこそ、マンション管理士や管理業務主任者などの国家資格(=プロの予備軍)があるのでしょう。
区分所有者も、上場株式と同様に日々の売買で入れ替わる可能性があり、たとえ売らなくとも将来の高齢化は避けられません。区分所有者の手腕に依存しながら管理組合の経営力を長年にわたって維持するのは相当な困難を伴います。
そう考えると、管理組合の利益を守り、マンションの資産価値を長期にわたって維持するには、管理組合の経営もプロが担っていくべきではないでしょうか。
ただ残念ながら、マンション管理士の資格が創設されて10数年、残念ながら管理組合の運営にとって不可欠な存在とはなっていないのが現実です。
わが国に分譲マンションが登場して約半世紀。その間に培われた「管理組合自治主義」を覆し、管理組合の経営は外部のプロが担う形を当たり前にしていきたいと考えています。
どうも有り難うございました!
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