マンション管理士|村上智史の「士魂商才」 

無関心な居住者が多いマンション管理組合に潜む様々な「リスク」を解消し、豊かなマンションライフを実現するための「見直し術」をマンション管理士:村上智史(株式会社マンション管理見直し本舗 代表)がご紹介します。

マンション管理費は本当に「妥当な水準」か?

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分譲マンションの管理費の「相場」がいくらかをご存知ですか?

不動産経済研究所の調査によれば、新築マンションの場合、専有面積あたり月額210円/㎡強で近年推移しています。<下図参照>

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つまり、3LDK(70㎡)の部屋なら、月額およそ15,000円というわけです。

 

区分所有者自身は、この負担金額についてどう考えているのでしょうか?

 

国交省のマンション総合調査(平成25年度)によれば、調査対象となった管理組合の84%が「管理費の水準が妥当」と回答しており、逆に「徴収しすぎ」と回答した割合は10%とかなり少数です。<下記グラフ参照>

 

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 ただ、管理費の水準の妥当性を判断するならその前に、管理費が何にどれだけ使われているかを把握する必要があるでしょう。

 

管理費は、それ以外の駐車場使用料等と合わせて管理組合の総収益となり、共用部分の管理や組合の運営に必要な経費の支払いに使われます。

 

主な費用項目は、以下の通りです。

  1. 管理委託費
  2. 水光熱費
  3. 損害保険料
  4. 小修繕費
  5. その他組合運営に必要な費用

この中でもとくに大きな割合を占めるのが管理会社に支払う「管理委託費」で、経費全体のおよそ6~7割を占めています。

 (※管理委託費は、管理人業務、清掃費、共用部の設備保守費用、出納会計や理事会の運営等にかかる事務管理費で構成されています。)

 

つまり、管理費の大半は管理委託費として支出されるわけです

 

したがって、管理費の負担が妥当かどうかを知るには、この管理委託費が適正かどうかを検証するのが近道と言えます。

 

この際、管理委託費が少なくとも割高かどうかを判断するメルクマールがあります

 

それは、管理委託費が一部屋あたり月額1万円を大きく超えるかどうかです。(※3LDKのファミリータイプのマンションを想定。)

 

つまり、マンションの住戸数が50戸なら月額50万円、100戸なら月額100万円を目安にするわけです。

 

もちろん、分譲マンションの設備仕様はその年代によって様々ですし、すべてのマンションに当てはまるわけではありませんが、一次スクリーニングの機能としては使えると思います。

 

そして、管理組合を実際にコンサルした経験で申し上げると、管理委託費が戸当たり15,000円/月から20,000円の範囲に入るケースが多いのです。

 

このような場合、管理委託費は3割くらいのコスト削減は十分可能で、区分所有者1人あたり毎月約5,000円還元される余地があるため、管理費が妥当とする判断にも疑問符が付くことになります。

 

分譲マンションにお住まい(あるいはご所有)なら、「管理費の世間相場」に惑わされることなく、管理組合として一度は管理委託契約を見直されることをお奨めします。

 

どうも有り難うございました!

 

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