2月14日付けの日経ビジネス(電子版)に、「増え続けるマンション、戸数追わない経営を」と題する記事が掲載されていました。
本記事の要約は以下の通りです。
■ 2018年にはマンションの発売戸数が増えたが、厳しい先行きを暗示する数字が並ぶ。しかしながら、大手不動産会社の供給意欲は依然として強い。
■ 日本の住宅着工戸数は年間94万戸(2018年実績)ある一方、5年前の統計ですでに820万戸の空き家が確認されている。
■ 首都圏でも外壁が剥がれていたり、管理組合が消滅していたりする物件が発生している。こんなに新築物件を造って大丈夫なのか。
■ 首都圏のマンションについては、販売開始月の契約率は平均62%と、バブルが崩壊した年に次ぐ低水準で、売行き好調とはいえない。
■ 今のままマンションが増え続けたら将来はどうなるか。都心や駅近といった人気の地区を除いて居住者が減って管理が行き届かなくなる。
■人口減の影響は既に表れており、東京都の調べではマンションの管理組合がない物件は6.5%、長期修繕計画がなく作成予定もない物件も14.1%に上る。
■ 都は組合や管理規約の有無を提出させ、届け出がなければ指導したり、マンション管理士が運営の相談に乗ったりする条例案を検討している。行政が乗り出すほかないほどに築年数が経過したマンションの管理問題は切実になっている。
■ 修繕積立金を少なく設定する販売優先の物件も散見される中、特にタワーマンションも大規模修繕を続けられるかという点で不安が大きく、将来の建替えもハードルが高い。
■ 資材や労務費の高騰で新築物件の開発条件が悪化している中、デベロッパーが業態を転換しようとする動きが広がるなら好ましい。
■ だぶつく住宅がどのぐらい取り壊されるかの見通しに応じて、行政が新築を認めるという「住宅ストックの総量管理」の導入を提唱する考え方もが出ている。
■ このアイデアは、新築が増やせないため中古住宅の活用が始まる意味で検討の価値がある。
■ 建築技術が進歩した今のマンションはしっかりと管理と修繕ができれば、100年使えると言われる。また、中古市場が活発になって資産効果が高まれば、持ち家取得が可処分所得を圧迫して個人消費を抑え込むという弱点を解消できる。
■ バブル崩壊後の日本は景気対策として減税の恩恵を絡めた住宅の新築を促してきたが、その効果は逓減している。中古住宅が適正に評価される市場を整え、取得を後押しする制度を備えるべき時期が迫っている。
わが国の場合、不景気になった際の政府の経済対策一つとして、新築マンションの購入にかかるローンの税額控除を10年間認めるなど、税制上の優遇措置を設けることが常套手段になっています。
そのため、住宅を借りたり、中古マンションを購入するよりも新築住宅を取得する方が「お得感」があると感じるように誘導されているわけです。
しかし、すでに人口減少トレンドが明らかなのに、新築住宅の供給に依存した経済対策も依然として見直される気配がありません。
今後需要が減るのに供給量が減らなければ、現状でも平均13%を超える空き家率はさらに悪化の一途をたどることは誰でも予想がつきます。
そのため、住宅ビジネスは今後中古ストックの有効活用に軸足を移さざるを得なくなるでしょう。
そうなると、マンションもいかに長期的に維持管理していくかがますます重要なテーマになることでしょう。
人間と同様、マンションも
「寿命100年時代」を目指す管理の仕組みをいかに構築していくかが求められているのです。
<参考記事>
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