マンション管理士|村上智史の「士魂商才」 

無関心な居住者が多いマンション管理組合に潜む様々な「リスク」を解消し、豊かなマンションライフを実現するための「見直し術」をマンション管理士:村上智史(株式会社マンション管理見直し本舗 代表)がご紹介します。

闇の深いリゾートマンションの実態とは?

 

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以前から相談を受けていた、首都圏近郊にあるリゾートマンションの役員さんたちと面談する機会がありました。

 

 伺ったお話の内容は、概ね以下の通りです。

■ 全体150戸のうち、居住する組合員は3分の1程度。残りは、もっぱらセカンドハウスとして利用している。

■ 築後30年近いが、大規模修繕を実施したのは新築以来1回のみ。

■ 携帯のアンテナ基地局の収入を合わせて年間1,700万円もの収益があるにもかかわらず、繰越剰余金はなぜか3千万円強しかない。

■ 理事のなり手が不足していたこともあり、前理事長が長い期間留任していたが、しばらく前から認知症を患っていたことがわかり、昨年辞めてもらった。

■ 他の役員として4名の理事がいたが、ほぼ無関心で、理事長の行動を全くチェックしていなかった。その理事たちにも辞めてもらった。

■ 管理会社はだれもが知る超有名企業。

■ 理事会の議事録は、管理会社が事実上作成しているが、自社に有利な内容で書かれていることがしばしば見受けられる。

■ 過去の修繕工事の実績を確認したところ、必ず管理会社の経費が発注金額に1割上乗せされていた。

 

相当に闇の深い管理組合であることは間違いなさそうです。

 

ですが、外部所有者の割合が高く、ほとんどの組合員が無関心かつ高齢ということもあり、「改革」はそう容易ではないでしょう。

 

一人の理事さんは、理事のなり手がいないと嘆きつつも「なるべく多くの組合員にこの問題に関心を持ってもらうためにも、さらに5名の役員を増やして選任できるように管理規約を改正したいと思っている」と仰ったので、とても驚きました。

 

いくら強制的に役員の枠を増やしても、その役員自身に意欲がなければ欠席率が上昇し、理事会の開催要件を満たさないリスクが高まります。

 

理事会の運営に支障が出たら、状況はますます悪化するばかりです。

そもそも直近の組合総会の開催状況を確認しても、委任状を含めて50%強の出席率しかないという実情です。管理規約の改正(※総議決権数等の75%以上の賛成が必要)を実現するのは相当ハードルが高いと言わざるを得ません。

 

私からは、マンション管理士が管理組合の顧問として理事会をサポートするという方法も選択肢として考えられ、その場合は管理規約の改正も必要ないことを説明して今後検討いただくことになりました。

 

さて、どうなることでしょうか?

 

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