マンション管理士|村上智史の「士魂商才」 

無関心な居住者が多いマンション管理組合に潜む様々な「リスク」を解消し、豊かなマンションライフを実現するための「見直し術」をマンション管理士:村上智史(株式会社マンション管理見直し本舗 代表)がご紹介します。

コストの大幅削減に成功した管理組合!次の課題は「駐車場の空き対策」

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顧問先のマンション管理組合では、当社のサポートによって昨年から管理委託契約の見直しに着手した結果、管理委託費を33%削減することに成功しました。

 

1住戸当たりの経済効果としては、年間6万円にものぼります。

 

一方、このマンションでは、次の大きなテーマとして「駐車場の空き対策」を掲げ、専門委員会で具体的な対策の検討を進めていくことになりました。

 

というのも、全90台(ほとんどが機械3段式)のうち、現在約4割が空き区画となっているからです。

 

また、大幅な管理コストの削減のおかげで、組合収支は十分黒字を維持できているものの、修繕積立金については長期修繕計画で予定している必要資金に対してまだ2割不足している状況です。

 

長計をもとに、設備の保守点検費や、修繕・設備の更新に必要な資金を計算したところ、パレット1台につき年間合計で8万円の経費がかかることが分かりました。

 

つまり、常時30台分が空いていると、年間240万円ものおカネが無駄になってしまうわけです。

 

この組合では、居住者アンケートも実施して今後の利用ニーズを確認したところ、使用料の負担やパレットによるサイズ等の制限が特に影響しているわけでなく、クルマの利用ニーズ自体が減少していることが分かりました。

 

最寄駅から至近距離にあるため、中古市場でも人気が高いマンションなのですが、その恵まれた立地条件と築20年目を目前に控え進行する居住者の高齢化が駐車場の稼働率の低下に繋がっていると思われます。

 

空き対策としては、「外部貸し」も検討の遡上に上がったものの、セキュリティ面からの不安や課税対策などの問題もあり、組合内でコンセンサスを得るには容易ではないとの結論になりました。

 

こうした事情も踏まえて委員会で審議した結果、まずは今後も稼働が見込めない駐車設備のメンテナンスや補修のコストを節約する方針を掲げ具体的なプランを検討していくことになりました。

 

現在有力なのは、全体として10区画ある機械式パレットのうち、4区画を事実上平置き化し、設備を稼働させないようにしてはどうかという案です。

 

そのためには、点在している空き区画をなるべく集中させなければならないため、利用者の一部に車を別の区画に移動してもらうことも必要になるなど、様々な調整業務も今後生じてくることが予想されます。

 

でも、こちらの専門委員会の皆さんは、立候補で選任されたこともあって意識だけでなく協調性も高く、責任感も強いのでたいへん頼もしい方々です。

 

やがて、大きな成果が得られるのではないかと期待しています。

 

【参考記事】

suumo.jp

 

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