全体から見ればほんのごく一部と思いますが、区分所有者の中にも管理組合の運営に対して強い関心を持っている方たちもいます。
そのような方は、積極的に役員(理事)に立候補する場合もありますが、組合の総会に出席して意見を述べようとする場合もあります。
どちらも結構なことですが、後者の場合には自らの主張を認めさせようという気持ちが高じて、好ましくない態度をとったり、振る舞いをする方がいます。
例えば、下記のようなケースです。
◆ 長々と自説を展開する
・質問というよりも、自分の主張を数分上にわたって述べる。
・周囲への配慮もなく、何回も連続的に質問を浴びせる。
・また時には、直接議案の内容と関係のない事項について取り上げて、自分が望む方針を声高に主張する。
・納得のいかない回答しか得られない場合には、延々と意見を発言し続ける。
◆ 議長の指示に従わず、横柄な態度をとる
・議長(理事長)が簡潔に話すよう求めても「認められた権利を行使して何が悪い」と言わんばかりの態度をとり、自制しようとしない。
こういう方に限って多く見られるのが、次のような傾向です。
◆ 基本的な事項を理解していない
・管理規約の内容を理解していないばかりか、理事会の議事録すら目を通していない。
たとえば、このようなケースです。
議案書には記載されていない詳細な事項に関して、「その事項はすでに検討済みで、理事会の議事録に記載している」と答えると、「そんなの見ていない。議案書に詳細を全部書くべきだ」と主張する。
工事業者やコンサルタントなど、外部の人間でも議長が認めれば総会の陪席は可能なのに、「誰が出席を認めたんだ?組合員以外は出席できないだろう」などと詰め寄る。
このような残念な現場を見てきたコンサルタントの立場として言わせて頂くと、総会に出席して自らの権利を行使する際にも、やはり「守るべきエチケット」があるだろうと思います。
まず第一に、理事会役員に対して感謝の意を表すべきである、ということです。
マンションという共有財産の資産管理を(多くの場合無償で)一部の役員さんに委託してやってもらっているのであり、彼らの労に対して感謝の気持ちを持つべきです。
質問や意見を述べる際にも、いきなり批判したり喧嘩腰で臨むのではなく、そうした振る舞いを見せてほしいと思います。
その具体的な対応として、少なくとも管理規約や理事会の議事録には最低限目を通して基本的な組合運営のルールや理事さんの業務の進捗状況を確認しておきたいものです。
2つ目は、質問や意見を述べるのは自分だけの権利ではないことを自覚してもらいたいということです。
国交相の調査によれば組合総会への出席率は、平均3割くらいとされていますが、多忙な中で時間をなんとか工面して出席している方もいらっしゃるでしょう。
その意味で、理事も一般の組合員もなるべく効率的に議事を進行させたいと考えているはずです。
しかしながら、そうした「空気」も読もうとせず、自説ばかり延々と主張して総会の時間が長引かせるような行為は、社会人としてあるべき態度を欠いていると言わざるを得ません。
もし込み入った質問がしたいなら、あらかじめ理事会宛に書面で質問書を提出して回答を準備してもらうなどの配慮がほしいものです。
自分の権利を主張・行使したいなら、それに必要な義務やマナーも同時に守る。
あなたに認められた権利は、無条件で付与されているのではなく、一定の節度を守ることが前提となっていることを忘れないでほしいと思います。
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