マンション管理士|村上智史の「士魂商才」 

無関心な居住者が多いマンション管理組合に潜む様々な「リスク」を解消し、豊かなマンションライフを実現するための「見直し術」をマンション管理士:村上智史(株式会社マンション管理見直し本舗 代表)がご紹介します。

まもなく改正か?マンション標準管理規約

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10月21日付で、「マンションの管理の適正化に関する指針」及び「マンション標準管理規約」の改正(案)に関するパブリックコメント(意見公募)の開始が国交省より発表されました。

 

時事通信社の記事によると、年内にも管理規約等の改正が施行される予定とのことです。

 

今回の改正案で注目すべき点は、2つあります。

 

(1)見直された「コミュニティ形成条項」の取扱い

 今年3月の時点で、「マンションの新たな管理ルールに関する検討会」にてコミュニティ形成条項の削除が提案されたところ、大規模マンションの管理組合やマスメディアなどから異議や懸念を訴える声が大きかったため、その後見直された模様です。

 

【参考記事】 

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

 

 今回の改正案を見る限り、コミュニティ形成の取組み自体は従来通りとする一方、過去の訴訟事例を踏まえて管理費と町会費等の他の支出を適切に峻別するよう「適正化指針」に盛り込まれることになったようです。


(2)組合役員等に外部専門家を起用するスキームの明記

 外部の専門家を組合役員等に起用することについては、これまでの「標準管理規約」では区分所有者に資格要件を限定していました。(※ただし、「区分所有法」にはそういった資格要件はありません。管理規約さえ改正すれば現在でも可能です。)

 

 しかしながら、築30年以上の老朽化ストックの増加に伴い、住民の高齢化・賃貸化・空室化が進んだ結果、大規模修繕や建替え問題など専門性や多額の資金が必要な事項が増加する一方、役員のなり手不足、管理組合の財政事情の悪化等の問題に直面しています。
 
 また、新築マンションでも高層化・大規模化などの多様化が進み、より高度で複雑な管理が求められる場合が出てきています。
  

 そのため、こうした課題や問題を円滑に解決する手段の一つとして、外部の専門家も組合役員に就任できるものとする一方、リスクマネジメントとして管理組合との利益相反取引の防止、監事の権限の明確化等の所要の規定を措置するというものです。

 

これまで半世紀以上の長きにわたって、住民による自主運営が管理組合の常識とされてきましたが、ついにパラダイムが転換する時を迎えようとしているのだと思います。

 

私たちマンション管理士の有資格者にとって、今回の規約改正は「追い風」になる要素が強いと思いますが、今後どこまで多くの管理組合に認められ、活躍の機会が増えるかは各自の研鑽や努力次第であることは言うまでもありません。

 

どうも有難うございました!!

 

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