マンション管理士|村上智史の「士魂商才」 

無関心な居住者が多いマンション管理組合に潜む様々な「リスク」を解消し、豊かなマンションライフを実現するための「見直し術」をマンション管理士:村上智史(株式会社マンション管理見直し本舗 代表)がご紹介します。

お客様を選ぶ権利

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先日、管理コスト適正化診断の依頼があった管理組合の理事会に伺い、その結果報告をしてきました。(その間、管理会社には席を外してもらっていました。)

 

診断の結果として、

・管理仕様を維持する前提で、現状比で3割強のコスト削減が可能であること

・一部過剰な仕様を変更すれば4割近い減額も可能なこと

・築浅のため、見直しの成果で修繕積立金の将来不足分を半分以下に減らせること

を根拠を含めてご説明しました。

 

この後の進め方として、管理会社の交渉代行を含めて当社に業務を委託していただくためには、理事会での決議を経て臨時総会を開催し、そこで過半数の承認を得る必要があります。

 

理事長さんが弊社との契約につき採決をとったところ賛成多数で承認されたため、臨時総会開催の準備を進めようということになりました。その際、総会の開催予定日まで内定し、私は辞去しました。

 

ところが! です。

当日の深夜になって、理事長さんから以下の内容のメールを受信したのです。

1)他の管理士からも話を聞いてから委託先を正式に決めることになった。

2)管理会社からの申し出で、委託費減額の提案を受けることになった。

3)これらの理由により、臨時総会の開催が延期になった。

 

驚いたことに、私が退席した後に事態は大きく変わっていたのでした。

 

まず、1)の経緯はこうです。

 

私がどこのマンション管理士会に所属していない事実を管理会社が理事会に指摘し、管理士会所属の管理士に依頼した方が良いとアドバイスしたようです。

 

その際、この管理会社が所管する他の管理組合で、管理士会に所属しないコンサルタントに委託後トラブルが発生したことを引き合いに出したそうです。(当然ながら、それは当社のことではありません。)

 

その結果、「他の理事さんたちの気が変わった」ということでした。

 

また2)については、

これまで委託費の見直しに対して、管理会社は仕様変更案のみの提示にとどまっていたにもかかわらず、今回口頭で現仕様のままでも年間百万円以上の減額提案をする用意があると申し出たようです。

 

これら1)と2)の理由から、3)の総会開催延期という結論になったというわけです。

 

このメールを読んで、絶句しました。

先ほどの理事会の決議は、一体何だったのでしょうか?

なぜ管理士会に所属していないのか私に直接確認してくれないのでしょうか?

(入会するメリットと必要性を感じないからだけですが・・・)

 

どんなビジネスであれ、取引先との信頼関係が第一であると私は考えています。

しかし、このような急転直下のごとく方針が変更された経緯を聞くに及んで、この管理組合とはその信頼関係をとても築いていけないと判断しました。

 

それを正直に理由として添えて、

今回の契約の件はこちらから辞退させていただきたいと理事長さんに伝えました。

 

もともとその理事長さんから相談を頂いており、当社への委託を希望されていたのですが、その後「あなたの判断は正しいと思う。他の理事を説得できなくて申し訳ない」との返信をいただきました。

 

今回、せっかくの理事長さんの期待に応えることができなかったことは私も遺憾です。

 

ただ、管理組合にマンション管理士を含めコンサルタントを選ぶ権利があるのは言うまでもありませんが、コンサルタント側にもお客様を選ぶ権利はあるはずです。

 

管理会社のやり口が良いか悪いかは、関係ありません。

 

管理組合(理事会)がいったい誰を信頼・信用して管理を見直すのかという「軸」となる部分がしっかりしているかどうかが大切なのです。

 

この考え方は今後も変わらないし、また変えるつもりはありません。

 

どうも有難うございました!!

 

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