マンション管理士|村上智史の「士魂商才」 

無関心な居住者が多いマンション管理組合に潜む様々な「リスク」を解消し、豊かなマンションライフを実現するための「見直し術」をマンション管理士:村上智史(株式会社マンション管理見直し本舗 代表)がご紹介します。

マンション管理に関する日経の記事は、まるでパブリシティ

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9月30日付けの日経新聞に、マンション管理に関する記事が久しぶりに掲載されていました。

 

 

本記事を要約すると概ね以下のようになります。

・駐車場の稼働率の低下や電気料金の値上げで、管理組合の収支が悪化しているマンションが増えている。

・収支が悪化すると、必要な修繕が実施されなくなってマンションの資産価値が下がる恐れが出てくる。

・そのため、賢く収支を改善する方法として以下の3つを紹介。

 1)サブリース業者を介して空き駐車場を外部に貸し出して収益を回復させる。

 2)管理委託契約の仕様や金額を見直して無駄なコストを削減する。

 3)マンションで一括受電して、共用部の電気料金を下げる。

 

この記事を見て感じたことは、「まるでパブリシティの記事みたい」です。

 

書かれていること自体は別に間違っているわけではありませんが、書かれていない部分で留意が必要な箇所が多いので、参考にするくらいならいいですが鵜呑みするのは好ましくありません。

 

全般的に取材の突っ込みが弱く、とても中途半端な内容で終わっていると思います。

 

たとえば、一括受電については以前も本ブログでも触れましたが、日経の記者でもサービス業者のビジネスモデルを誤って理解したまま解説しているくらいで、今回のような単発の短編記事ではとても一般読者に伝えきれない高度なテーマです。

 

 【参考記事】

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

 

ちなみに、下の図はこの日経の記事で使われた一括受電の仕組み図ですが、これで理解できる人はまずいないはずです。

 

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仕組みを説明するのに、変電設備(トランス)を図に記載しないのはちょっと考えられません。

 

というのも、変電設備を管理組合で所有するのか、一括受電会社が所有するかで経済的なメリットも大きく異なるからです。

 

たとえば、一括受電業者によるサービスの仕組みとしてわかりやすいのは、下のような図です。

 

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その一方で、記事の中では駐車場のサブリース業者や、一括受電サービスの業者の実名が複数紹介されており、「興味があったらそっちに直接聞いてください」というニュアンスがひしひしと伝わってきます

 

 そういうわけで、記事コンテンツの提供は単なるきっかけ作りで、本質的には「企業広告」=パブリシティではないかと感じたのです。

 

 

どうも有難うございました!!

 

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