マンション管理士|村上智史の「士魂商才」 

無関心な居住者が多いマンション管理組合に潜む様々な「リスク」を解消し、豊かなマンションライフを実現するための「見直し術」をマンション管理士:村上智史(株式会社マンション管理見直し本舗 代表)がご紹介します。

管理見直しの最大の収穫

顧問先の管理組合では、来月に定期総会を予定しています。

そこで議論になったのは、「次期役員候補をどうするか?」です。


この組合では、新築以来14年間委託していた分譲デベ系列の管理会社をこの夏に解約し、リプレースしました。


解約した主な理由は、その管理会社があきれるほど仕事をしないばかりか、デタラメな報告ばかりしていたためです。

でもリプレースの結果、管理組合の状況は大きく変化することになりました。

まず、管理委託費を2割下げることができました。

一般会計収支はこれまでギリギリの黒字でしたが、約100万円の余裕が生まれました。

40戸のマンションなので、戸当たり平均25,000円/年の負担減です。

理事会の運営も様変わりしました

これまでは年1回あるかないかの開催頻度でしたが、リプレースの実施や放置されていた懸案を片付けるために今は毎月定例で開催しています。


さらに、理事会メンバーや新管理会社の担当者との日常のやり取りは、「サイボウズ」を活用し、原則役員全員に開示されています。

この1年を通じて役員の皆さんが気づいたことの第一は、「これまで自分達は何も知らなかった」という事実です。


そして14年間もの間、デキの悪い管理会社に任せきりにしていたことをとても後悔されています。

それによってもう一つ自覚したことは、「これからは自分達が主体性をもって管理組合を運営しなくてはならない」ということです。

ただ一方で、もう役員をやるのは大変だから引き受けたくないというのも、また本音なのです。

しかし、次の定期総会で役員全員が交代になった場合には、この1年間で学んだことがほぼリセットされてしまいます。

理事会としての継続性が断ち切られ、中長期的な方針を維持することが難しくなります。

今回、長期修繕計画を見直したことで、将来の修繕積立金の不足額が明示されました。

その結果、来期は増額改定のプランを決める重要なタイミングを迎えています。

こうした事情もふくめて議論した結果、5名中、現理事長を含む2名の理事が
留任する
ことになりました。

順当な結論に落ち着いたので、ひと安心です。


そして、管理見直しの最大の収穫は住民の意識が変わったことではないかと思っています。

どうも有難うございました

 

 

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