東京都台東区は6月25日、大規模なマンションやオフィスビルに保育所の設置を求める条例を定めました。(12月からの施行を予定)
マンションで対象となるのは、総戸数100戸以上。
保育所の設置自体は義務ではありませんが、設置しない場合には、1戸当たり30万円の協力金を請求するとのこと。
台東区の待機児童は、今年の4月時点で126人で、昨年同月比で3倍近くに増えており、保育所の新設を促して待機児童を減らしたいとしています。
しかしそもそも、待機児童が増えている原因って、保育所のスペースが足らないからなのでしょうか
こんな記事があります。
「保育所は、なぜ需要があるのに増えないのか?」
このブログを要約すると、下記の2つの論点が指摘されています。
(1)特に大都市圏では、場所を食う(=家賃がかかる)割に保育所は儲からないビジネスであること。
民間企業が参入しようとしても、子どもの人数に対する保育士の設置人数の下限措置もあり、人件費単価を削らない限り採算が取れないとのことです。
(2)現場の保育士の待遇が悪いこと
認可保育所に対する補助金を考慮したとしても、現場の保育士の給与は、公立のそれに比べて半分以下である。
この記事を読む限り、待機児童が増える原因が保育所の設置数やスペースの不足にあるとは言えないように思います。
つまり、地域内の住民の増加⇒子どもの出生数の増加⇒待機児童数の増加という因果関係は成立していないことが推定されます。
むしろ、政府の補助金を増やすなどして、保育士の待遇を改善しても、保育所の経営が成り立つような政策が求められているように思えます。
保育所の設置に協力しない場合の事実上のペナルティである、「戸当たり30万円」の負担は、最終的には分譲マンションの購入者につけ回されることになります。
一方で、保育所設置に協力した場合にもリスクがあります。
マンション竣工後の保育所に対する賃貸事業は、管理組合の事業収支に少なからず影響を与える可能性があります。
せっかくスペースを提供しても、保育所としての賃借ニーズがなければ家賃収益が得られませんし、たとえ借り手があっても思うような家賃が得られない可能性もあります。
その負担は、結局管理組合や区分所有者が負うことになります。
地元行政は、問題の本質を再度慎重に見極める必要があるのではないでしょうか
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