マンション管理士|村上智史の「士魂商才」 

無関心な居住者が多いマンション管理組合に潜む様々な「リスク」を解消し、豊かなマンションライフを実現するための「見直し術」をマンション管理士:村上智史(株式会社マンション管理見直し本舗 代表)がご紹介します。

電力小売りの自由化で、管理組合はどうなる?

先日、改正電気事業法が国会で可決・承認されましたね。

以前から伝えられていたとおり、2年後の2016年から電力の小売りが全面的に自由化されます。

大切なのは、それでいったい何が変わるのか?ということでしょう。

大きなポイントは3つあります。

第一に、地域電力会社の壁がなくなるということです。

たとえば東京に住んでいても、関西電力、あるいは中部電力から電気を買うことが可能になるわけです。

第二に、新電力(PPS)と言われる異業種を含む事業者が新規参入してきます。

既にニュースでも報じられているように、ソフトバンクKDDIなどの携帯電話会社、石油元売り(JXホールディングス)、商社(伊藤忠)から家電メーカー(パナソニック)、居酒屋チェーン(ワタミ)まで、まさに枚挙にいとまがありません。

第三に、料金規制の撤廃です。

これまでは、全国10の電力会社がコスト積み上げ型の「総括原価方式」で料金を申請し、政府の認可を受けて決定していました。このしくみが撤廃されます。

本当の意味での「自由化」が実現し、新規参入企業との競争が活発化すれば、スーパーで買い物をするように、一般家庭でも複数の電力事業者を見比べながら有利な条件を引き出すことも可能になります。

さて、ここからが本題です。

これをマンション管理組合に置き換えて考えてみましょう。

50戸や100戸単位の規模で構成されていますから、電力を供給する側からすればかなり魅力的な顧客に見えるはずです。

逆に言えば、各部屋の合計と共用部分を合わせたバイイングパワーで有利な条件を引き出すことが可能になるでしょう。


概ね50戸規模以上のマンションならば、管理組合単位で一括受電することでこれまでの割高な価格との差額メリットを享受できるチャンスがあるのです。

しかしながら、いま流行りの「一括受電サービス」では全面自由化のメリットは得られる可能性は低いと言わざるを得ないでしょう。

なぜか?
それは、受変電設備(トランス)をサービス業者が所有している以上、電力の仕入れの裁量がサービス業者側にあるからです。

仮に、東電よりも価格の安い新電力に切り替えるとした場合、その判断はサービス業者が下します。

その結果、たとえ仕入れ原価が下がっても、そのメリットを享受するのは、サービス業者になります。

サービス業者との契約では、一括受電に伴って管理組合側に配分する削減メリットは、最初に結んだ契約で「共用部電気代の4割相当額」など原則固定的に定まっているケースがほとんどです。

したがって、電力小売りの全面自由化のメリットを享受するには、受変電設備(トランス)を管理組合が自ら所有することが条件になります。

いや、むしろ、本当の意味での高圧一括受電とは、このスキームの方なのです。

世に言うところの「一括受電サービス」は、その意味では「なんちゃって」レベルだと言えるでしょう。


その違いを知りたい方は、「マンション電力見直し隊」のサイトページにアクセスしてみてください。

 

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