5月5日付けのPRESIDENT Onlineに、「不足で資産価値減!?マンション修繕積立金の盲点」という記事が掲載されました。
この記事を要約すると、
●分譲マンションの修繕積立金は、ガイドラインで必要とされる金額よりも少ないケースが多い。
●大規模修繕工事以外にも、築30年以降にはエレベータや給排水管の更新などで負担が経年的に膨れ上がる。
●その結果、修繕積立金が足らない、管理組合の意見がまとまらないなどで共用部の修繕がままならないケースが出てくる。そうなると資産価値が下がるかもしれない。
●東日本震災以降、工事費が高騰しているので、それが続くとさらに多くのマンションでも将来積立金が不足するおそれがある。
●(対策として)相見積りを取る、不要不急の工事をしないなど、限りある予算を有効に活用することが大切、
●(対策として)専門のコンサルタントに依頼することで、別途報酬を支払っても、十分元を取ることも可能。
この記事の内容自体に異論はありません。おっしゃる通りだと思います。
問題は、
なぜ修繕積立金が本来必要とされる水準よりも低い状態で、マンションが市場に出回っているのか
です。
それはマンション分譲会社の販売戦略によるところが大きいのです。
端的に言えば、「修繕積立金を安く設定したほうが、マンションを高く売れるから。」 以上、終わりです。
マンションを購入するすべての方は、そういう事実をまず承知しておく必要があります。
でも、大切なのは、ここから先の話。
それをどうやって解決するのか
「将来に備えて自分で貯金しておくよ」という方はそれも結構ですが、分譲マンションは共有資産。
経済状態は人それぞれです。
自分さえよければOK、というわけにはいきません。
そこでお奨めしたいのが、管理コストの見直しです。
新築物件のほとんどで言えることですが、管理会社は、分譲会社の系列子会社です。
相見積りも取らずに、管理委託費が事実上決定しています。
だから、必ずと言っても過言でないほど「割高」です。
分譲会社の戦略は、分譲事業だけでなく、管理ビジネスでも稼ぐのが常套手段です。そして、できれば大規模修繕工事も受注したいのが本音です。
言いたいことは、修繕積立金が将来不足することが分かっているなら、まず割高な管理委託費の見直しから着手すべきだということです。
そして、それは管理会社をリプレースしなくても可能です。
管理コストを適正化し、その結果生まれる余剰資金を修繕積立金としてプールする。
つまり、消費の財布(管理費会計)から貯蓄の財布(修繕積立金会計)におカネを入れ替えるのです。
そしてそれは、なるべく早期に実施するほど効果が大きい。
たとえば、自宅マンションでは、管理コストが1戸当たり月額1万円以上下がりました。
50戸のマンションなら、月額50万円⇒年間600万円
それを10年間積み立てれば、6000万円です。
これは20年後、30年後もそのまま横伸ばしで増えていきます。
大規模修繕工事が1戸あたり80万円~100万円かかると言われていますから、15年間貯めれば、およそ2回分の大規模修繕が賄える計算になります。
要は、修繕積立金だけでなくマンション管理費の盲点にこそ注目しましょう
そこに「共有地の悲劇」を解決に導く、大きなヒントが隠されています。
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