マンション管理士|村上智史の「士魂商才」 

無関心な居住者が多いマンション管理組合に潜む様々な「リスク」を解消し、豊かなマンションライフを実現するための「見直し術」をマンション管理士:村上智史(株式会社マンション管理見直し本舗 代表)がご紹介します。

ポスト「サイボウズLive」問題 マンション管理組合で使えるグループウェアは?

マンション管理組合の運営で役立っているITツールは何ですか? 皆さんは、もっぱらメールをご利用なのでしょうか? 私の場合、自宅マンションはもちろん、顧問先の管理組合さんとの連絡あるいは情報共有のツールとして重宝しているのが、「サイボウズLive…

マンション修繕積立金の増額を提案しない管理会社は不誠実のきわみ

先日開催したセミナーの後、ある管理組合の役員さんから個別相談を受けました。 ご相談の内容は、 「現在、管理会社が長期修繕計画の更新を検討しているが、このままでも資金が足りるのだろうか?」ということでした。 <マンションの状況> ■3LDKタイプが…

あなたのマンションの損害保険は「適正」ですか?

都内のあるマンションでのコンサルティングの一環で、共用部の損害保険の診断も行ったところ、珍しいケースに遭遇したのでご紹介します。 このマンションは全体約400戸の大規模物件で、建物全体の評価額は約75億円。 そのうち、保険対象となる共用部分…

マンション管理組合から搾取するアコギな業者を発見!

昨年から私が顧問をしている管理組合の理事会での話です。 管理会社のフロント担当者からの報告事項として、電子ブレーカー設置業者からの削減結果報告と再契約の依頼について説明がありました。 要約すると、こういう内容です。 ・・・ ■ 管理組合と締結し…

「残念な管理良好マンション」がハマりやすい「落とし穴」

「マンション管理適正化診断サービス」の依頼を受けて、昨日築37年目のマンションに伺いました。 目視する限り、高経年マンションにもかかわらず、清掃も修繕もしっかりと実施されている印象を受けました。 実際に理事長さんと面談したところ、3回目の大規…

マンション管理委託費の「ゼイ肉」は意外な部分に隠れている!

コンサルティングの依頼を受けた管理組合で、昨日「管理コスト適正化診断」の結果を報告してきました。 当社では、管理組合が管理会社と締結している「管理委託契約書」をご提示いただき、それを精査しながら「適正な金額」を査定しています。 では、この「…

悩ましいマンションの漏水問題 その斬新な調査方法とは

顧問先のマンションでは、地下駐車場内から漏水が発生している箇所が指摘されたため、目下のところ原因調査の実施を検討しています。 雨天の際に発生しているので、おそらく建物の外壁に生じたクラック等から浸水したのではないかと思われますが、常時発生し…

いまだ健在!電子ブレーカーのコスト削減効果

電力の小売りが全面自由化されて、まもなく2年が経過しようとしていますが、電力会社を変更した世帯数はあまり増えていないようですね。 www.kankyo-business.jp 電力自由化から1年経過した昨年の3月末時点では、電力会社をスイッチした世帯数は約343万件…

マンションの長期修繕計画に潜む巧妙な「トリック」

先日、当社の「管理コスト適正化診断プログラム」をご契約いただいた都内の大規模マンション(築10年目)のケースをご紹介しましょう。 このプログラムでは、主に以下の2つの業務を行います。 1)維持管理費の適正化を目的として、管理委託費・マンショ…

ついに実現!機械式駐車場の平面化プロジェクト

顧問先のマンションで、先週から機械式駐車場の平面化工事がスタートしたので、 現場見学に行ってきました。 【既存の機械駐車設備を撤去した区画】 【重機を利用して鋼製板を設置する準備中】 この全体90戸のマンションは、 分譲販売時には「全戸分の駐車…

管理費の滞納問題は、初期段階の対応がもっとも重要!

マンション管理組合の中には、数か月単位の管理費等の滞納者を抱えることはよくあります。 それほど深刻なものはありませんが、顧問先の管理組合でもチラホラ見かけます。 滞納も3ヶ月以上に及ぶと、もはや「うっかり忘れ」ではなく「確信犯」とみた方が良…

理事会内のまとまりが悪いマンションは、管理見直しのサポートは困難

総会決議を経て、当社が管理委託契約の見直しをコンサルティングすることになった管理組合でも、途中で頓挫してしまうケースがあります。 残念ながら辞退させてもらった某マンションの事例をご紹介しましょう。 理事さんの一人から依頼を受けたのが発端とな…

管理会社をリプレイスする動機は「コスト削減」だけじゃない!

先日、コンサルティング先の管理組合で臨時総会が開催され、この4月から管理会社が変更となることが決まりました。 このマンションでは、管理委託費の適正化を目的に、昨年夏から現管理会社と委託費の交渉を始めていました。 当初、こちらの理事会では管理…

騙されてはいけない!管理会社の「コスト削減」提案

以前、 当社にご相談いただいて管理委託費の査定診断を行った管理組合さんが、管理会社に対して管理委託費の減額を要請したところ、以下のような提案を受けたとの連絡がありました。 1)エレベーター保守会社の変更 2)巡回点検(年2回)の中止 「お陰で…

マンション管理委託費の見直しはどのように進めればよい?

昨日、コンサルティング先のマンション管理組合で、管理委託契約の変更のために臨時総会が開催され、ほぼ全会一致で承認されました。 昨秋からの管理会社との交渉の結果、現行の委託金額に比べて27%の削減を実現しました。 住戸あたりの経済効果に換算す…

購入、それともリース?保険や保守は? 防犯カメラの契約で留意すべき3つのポイント

先日、顧問先のマンションで防犯カメラが正常に作動していなかったことが判明し、新たに更新することになりました。 きっと皆さんのマンションにも何台か設置されていると思いますが、防犯カメラの契約をする際にどんな点に気を付けるべきかポイントを整理し…

マンション「長期修繕計画」に対する誤解と陥りがちなワナ

管理組合の理事さんと話していると、「長期修繕計画にしたがって大規模修繕を実施すべきだ」という固定観念をお持ちの方が意外に多いことを感じます。 国交省は、マンション管理組合のために「長期修繕計画作成のガイドライン」を作成して公表しています。 …

「見積は安いけど、信用力は?・・」の業者でも安心して工事を発注できる方法

大規模修繕をはじめ管理組合が工事を発注する際に、相見積りを取るのは当然としても、どこの施工業者に発注すべきか悩ましい時があります。 大手のゼネコンや管理会社が元請けする場合、企業自体の信用力は認められるものの、下請け・孫請けのピラミッド体系…

駐車場の空き問題に悩むマンションで進められている一大プロジェクト

顧問先のマンションでは、先日機械式駐車場の一部「平面化」を進めるプロジェクトについて住民向けの説明会が開催されました。 まもなく築20年を迎えるマンションですが、その当時は立駐設備を導入してでもなるべく駐車場の附置率を上げようとする商品設計…

管理委託費が「一式見積」タイプのマンションは要注意!

この仕事を始めてから、今年で早5年目を迎えました。 まだ3桁には達しないものの、これまで多くのマンションの管理委託契約書を見てきました。 が、最近この管理委託費の内訳が開示されていない2棟の物件に遭遇しました。 コスト適正化のコンサルティング…

築30年超マンションの管理規約、ココがヤバい!

先日、都内の築30年超の大規模マンションの管理組合からコンサルティングの依頼があったので、さっそく物件の資料を提供していただきました。 資料の中には現在の「管理規約」も含まれるのですが、その内容を確認したところ、他のマンションとは明らかに構…

マンションの長期修繕計画を鵜呑みにしてはいけないワケ

いきなりですが、質問です。 マンションの長期修繕計画(以下 長計)は、なぜ作成しなければならないのかご存知ですか? 国交省が公開している「長期修繕計画ガイドライン」では、以下のように説明しています。 マンションの快適な居住環境を確保し、資産価…

マンションの管理費が高くないからと言って管理委託費も妥当とは限らないワケ

管理組合の方と話をしていると、時々管理費と管理委託費を混同していることに気づきます。 たとえば「ウチのマンションの管理費を下げたい」といった相談がその典型です。 でも、管理組合の立場から言えば、管理費は重要な収益源です。 管理組合が見直なくて…

機械式駐車場の空き区画対策はこう進める!

都市部のマンションでは、駐車場の空き区画が確実に増えています。 かつて新築時には、駐車区画の抽選結果に住人が一喜一憂する光景が珍しくなかったことを考えると隔世の感がありますね。 いまや中古マンションの販売チラシを見ても、「駐車場:空きあり」…

理事会の開催が「不定期」のマンションってどうなの?

先日、都内のあるマンション管理組合に伺った際の話です。 ■私 「次回の理事会の開催はいつでしょうか?」 ■理事長 「いや、決まってません」 ■私 「えっ、決まってないんですか?」 ■理事長 「ウチは、不定期なんです。」 ■私 「役員が改選された前回の定期…

管理会社との契約更新時こそ見直しのチャンス!強かな交渉のススメ

いま、管理見直しのコンサルティングをしているマンションの中で、リプレイス(管理会社の変更)検討案件にも携わっています。 その候補各社のプレゼンを聞いていると、単に委託金額だけの比較検討だけに止まらず、各種無償サービスの追加、もしくは品質的な…

管理組合にとって有効な管理会社のPRポイントは?

先日、管理会社のリプレイスを検討中のマンション管理組合で、管理会社3社によるプレゼン会が行われました。 プレゼン時間は、各社30分間。その後は質疑応答で15分間。 各社には事前にお願いして、受託した場合はその組合を担当してくれるフロント候補…

コストの大幅削減に成功した管理組合!次の課題は「駐車場の空き対策」

顧問先のマンション管理組合では、当社のサポートによって昨年から管理委託契約の見直しに着手した結果、管理委託費を33%削減することに成功しました。 1住戸当たりの経済効果としては、年間6万円にものぼります。 一方、このマンションでは、次の大きな…

東京ガスに、マンション共用部の電力料金を試算してもらったら・・

今年の4月から電力小売の自由化がスタートしましたが、実際に電力会社を切り替えに踏み切った世帯の割合はたったの数%と言われています。 そこから推し測ると、ほとんどのマンション管理組合ではまだ共用部の電力会社を見直していないことが容易に想像でき…

マンション一括受電に関する主な論点をまとめてみた

多くのマンション管理組合では一括受電についてはいまだ十分に認識がなされず、そのため理解も進んでいないと言わざるを得ません。 そこで本ブログの過去記事を整理しつつ、一括受電の主要な論点について纏めてみました。 #1 マンション一括受電のしくみが…

電子ブレーカーの導入ができないマンションの事情とは?

マンション共用部の電気料金を下げる方法は、以下のとおり3つのアプローチがあります。 消費電力量を抑制する方法 電気料金の単価を下げる方法 電気の基本料金を下げる方法 <参考記事> yonaoshi-honpo.hatenablog.com 「基本料金を下げる方法」として代表…

管理見直しの成功に欠かせないキーパーソンの存在

マンション管理組合へのコンサルティングを始めて3年余り。 当然ですが、当初の目論見通りに見直しを実現できたマンションもあれば、残念ながら途中で頓挫したケースもあります。 これまでの経験を振り返ってみると、やはり管理組合のキーパーソンの存在が…

「原始規約」が実は存在しない!?築20年目のマンションの話

先月、当社の「管理コスト適正化診断プログラム」を発注いただいた管理組合さんの話です。 築20年目を迎えるマンションの概要や管理仕様の内容などを提供してもらった上で査定したところ、仕様を変えずに現状の委託費に対して3割以上削減できるという診断結…

マンション共用設備の更新の際に気をつけたい4つのポイント

マンション管理組合で割高な費用の負担を強いられるのは、管理委託費や大規模修繕だけではありません。 マンションでは、共用部にある各種設備についても一定の耐用年数を超えると「更新」すべき時期が下記のように必ず到来します。<※カッコ内は更新時期の…

管理組合の役員はボランティアで充分な仕事なのか?

管理組合の役員と言えば、 PTA、町内会と並んで「憂き世の義理」で引き受けざるを得ない、最も煩わしい仕事のひとつと考えられているかもしれません。 こうした厄介な仕事に立候補するのはごくごく少数の変人しかいないため、「みんなで広く・薄く・公平…

長期修繕計画の見直しで、修繕積立金の増額を抑制することはできるか?

築10年を超えると、マンション管理組合も修繕積立金の大幅な増額を迫られることから、その対応策を検討し始めます。 1つは、 管理委託費など維持管理コストの削減によって剰余金を増やし、修繕積立金会計に振り替えることで負担増を抑制するという方法です…

マンション保険でよくある「3つの誤解」

管理委託費や電力料金の見直しに比べると、 管理組合にとって「マンション保険」はかなり関心が薄いテーマなんですよね。 マンション保険は、「共用部を対象にした火災保険」が基本になっています。 一方専有部分は、たいていの場合マンション購入の際に各区…

管理会社の回答で、図らずもデベロッパーの本音がバレた!

神奈川県内にある築7年目のマンション理事会での話。 この管理組合で長期修繕計画が昨年更新となったことに伴い、管理会社から修繕積立金の改定プランについて提案がなされています。 A・B・Cの通りの案が提示されているが、A・Bの2つのプランはいずれも今…

「マンション保険はどこでもだいたい同じ」という常識は通用しなくなった!

本ブログで、日新火災の「マンションドクター火災保険」を先日紹介しましたが、この商品の競争力が半端なレベルでないことがわかったので、続報をご紹介します。 <参考記事> yonaoshi-honpo.hatenablog.com 都内の大規模マンション(築25年)管理組合の理…

ある管理組合の役員改選で思ったこと

管理組合の定期総会の恒例の議案として、「理事会役員の改選」があります。 多くの管理組合では「役員の輪番リスト」があり、原則としてそれにもとづき毎年の定期総会で候補者が挙げられ、反対もなくそのまま承認されることになります。 その後初回の理事会…

高圧一括受電が管理組合にとって魅力的な資産運用法であるワケ

いきなりですが、質問です。 もし下記に示すような投資案件を提示されたら、あなたは投資しますか? 【提示された投資案件の概要】 ・投資額:3千万円(固定資産への投資) ・固定資産の耐用年数:30年 ・投資のリターンとしての手取り収入:350万円 …

管理委託費が大きく下がると不安になりますか?

管理委託費の減額をめぐって、現在管理会社と交渉中のマンションがあります。 管理組合からの減額要請に対する一次回答の結果は、現状比9%ダウンに止まりました。 これに対して当社からは、 ・エレベーターや駐車場等の設備保守管理費用がおしなべて市場価…

管理委託費は「価格」だけでなく「仕様」も見直すべし!

多くのマンション管理組合に携わっていると、管理委託契約の仕様も実にさまざまです。 しかし、管理組合にしてみると、よそ様のマンションがどんな管理をしているかを知る機会はありません。 そのため、新築時に設定された管理仕様がたぶん標準的レベルなの…

素人がプロと直接交渉して条件闘争に勝てるのか?

マンション管理組合からご相談を承っていると、不思議に思うことにしばしば遭遇します。 その一つが、管理組合自らが相対で管理会社に委託費の減額を要求するという行為です。 それ自体は、別にヘンではありません。 問題は、そのやり方にあります。 何でも…

マンション一括受電の問合せが増えてきたっ!

2016年春に予定されている、電力小売りの完全自由化が近づいてきたせいか、一括受電に関する問い合わせや調査の依頼が増えています。 小売りが自由化すれば、現状では首都圏なら東京電力からしか買えないのに、関西電力や東京ガス、あるいは通信会社などから…

管理会社が委託費減額の要請に応じない場合はどうする?

ある顧問先のマンション管理組合の話。 管理委託費が割高なため適正な水準までの減額を要請したものの、管理会社からの回答はほとんど「お情け」レベルで、当社が査定した金額には遠く及びませんでした。 しかも、組合としては管理会社の変更までしたくない…

既築マンションの一括受電が難しい3つの理由

先日、顧問先である某管理組合からの依頼で「電力の自由化と一括受電に関する基礎知識」についてプレゼンしてきました。この管理組合では、一昨年から一括受電導入を検討していますが、いわゆるサービス業者のスキーム以外にも選択肢があることを伝えたとこ…

ホームセキュリティーの費用は仕様に見合っているか?

分譲マンションの警備業務には、共用部の設備監視業務と専有部のホームセキュリティー(以下、HS)業務の大きく2種類があります。 実は、管理コストの診断の中でこの警備コストの査定は比較的厄介な項目です。 その主な理由は、「管理委託契約記載の内容で…

怪現象!? 照明のLED化後に電気代が上がったワケ

これは、今春から顧問契約を結んでいる管理組合で起こった「実話」です。このマンションでは、平成25年12月に共用部照明のLED化工事を実施しました。当時の施工業者の提案書によると、◆LED化初期工事費用 :¥ 682,500◆電気料金及び電球代金の削減額:…

大規模修繕工事の前に知っておきたい4つのポイント

分譲マンションの大規模修繕工事は、長期修繕計画上は概ね12年毎に実施する想定になっています。主な内容は、外壁改修、屋上防水、鉄部塗装工事などです。工事費の相場としては標準的なファミリータイプのマンションで戸当たり80~100万円位と言われています…